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- ためしよみ
絵本紹介
2022.06.03
6月といえば、梅雨。今年の梅雨入りは、奄美沖縄地方を除き、全国的に6月10日前後になるようです。「梅雨」と聞くだけで、じめじめしたイメージがありますが、そんな中でも元気なのが、カエルやカタツムリなどの雨が好きな生きものたち。それは絵本の中でも同じなようです。6月の新刊&おすすめから、雨が大好きなカエルやカタツムリが登場する絵本をご紹介します。
みどころ
その本屋があるのは、町のはずれの古い本屋の裏庭とつながっている森の、池のほとりのやなぎの木の根元。葉っぱにかくされた入り口を入っていくと、そこにいるのは……たくさんのかえるたち! そう、そこは「かえるのほんや」なのです。
「かえるが本を読むの?」
いえいえ、そんなことで驚いている場合じゃありません。だって、この本屋で人気のある絵本は、みんなこのお店でつくっているんです。紙、絵の具、のりだって手作り。さらにお話だってここにいる作家たちが考えているのです。でも、今日はおはなしづくりが行き詰まっている様子。そんな時は草のハンモックで昼寝が一番。ところが……?
「ぼくたちって ほんとに すごい かえるじゃない?」
本当に、本当にそう思いますよ。かえるたちが最初から最後までずっと大活躍する様子は、何度読んでも飽きることがありません。かえるたちへの深い愛情を感じる作者やぎたみこさんの絵も素晴らしく、子どもたちはきっとかえるが好きになってしまうでしょう。
「ほんやが あって よかったな。」
深く深くうなずきながら、そっと絵本をとじるのです。
この書籍を作った人
兵庫県生まれ。武蔵野美術短期大学卒。イラストレーターのかたわら絵本を学び、第27回講談社絵本新人賞佳作を受賞。「大人もいっしょに楽しめる、子どものための絵本」の制作をつづけている。絵本の作品に『くうたん』(講談社)、『もぐてんさん』(岩崎書店)がある。夫・娘・息子・亀・犬とともに千葉県松戸市在住。
出版社からの内容紹介
すべて実在するカエルたちが登場。カエル好きはもちろん、カエルに興味がなくてもこの絵本を読めば、楽しくおどろいて何度も見返してしまうはずっ!
この書籍を作った人
1994年生まれ。北海道おといねっぷ美術工芸高校、北海道教育大学岩見沢校卒業。 現在は主にカエルのイラストや物語を制作している。好きなカエルはアフリカウシガエル。アフリカウシガエルのお父さんは強くて格好良い。飼うのにもオススメ!
出版社からの内容紹介
かえるのかさやさんは雨が好き。せっせとかさをお店にかざって、お客さんを待っています。でもいっこうにお客は来てくれません。そこで散歩に出かけることにしました。かわいいほのぼのキャラクター新登場。
この書籍を作った人
東京都生まれ。著書に「ぽっつんとととはあめのおと」(PHP研究所)、「かえるのかさやさん」「ねむくまのうた」(共に岩崎書店)など多数。「ないないねこのなくしもの」(くもん出版)で日本児童文芸家協会新人賞、「きつねのでんわボックス」(金の星社)でひろすめ童話賞を受賞。日本児童文芸家協会会員、日本文藝家協会会員。
この書籍を作った人
1980年生まれ。日本児童教育専門学校絵本専攻科中退。かえるのオリジナルグッズを制作。グループ展などに出品。
出版社からの内容紹介
「トン!」ヒキガエルは山からおりて,一匹,また一匹と集まってくる.「ドドンドドン」道路をわたり,溝を横切り,産卵のために池まで旅をする.太鼓の音がリズムを変えながら,どこまでも寄り添う――.さまざなま障害を乗り越えながら,愚直に歩みつづけるヒキガエルの姿を,親しみをこめて描く,ユニークな韓国の絵本.
みどころ
春、小さな池に999ひきのたまごをうんだかえるのお母さん。
お父さんとお母さんはうれしそうに「おおきくなるんだよ」と言いますが、子どもたちの成長につれ、池はせまくてぎゅうぎゅうに。
「・・・こまったなあ。」「よーし、きめたぞ。こうなったら、みんなでひっこしだー!!」
お父さんの一声で池をとびだした、999ひきのきょうだい。みんなは大はしゃぎです。
お父さんかっこいい!
こわいもの知らずの999ひきをなだめながら進むお父さんとお母さんですが、なんとひっこしの途中で、お父さんが、とんびに「ぐわしっ」とつかまってしまいます!
お父さんを助けようとしたお母さん、置いていかれまいとした999ひきのきょうだいたちもつながって、空へ舞い上がってしまい・・・さあ大変!?
文は、シリーズおなじみ、児童文学作家であり、おもちゃ・遊びの研究家としてもご活躍の木村研さん。
絵は、いつもダイナミックな構図と、遊び心あふれるユニークなタッチで私たちを魅了する、自然派アーティスト、村上康成さん。
かえるのお父さんお母さん、999ひきのきょうだいたちのユーモラスな表情を楽しんでくださいね。
本書は、『999ひきのきょうだい』にはじまる人気シリーズの、第2作目。
さらに『999ひきのきょうだいのはるですよ』『999ひきのきょうだいのおとうと』が刊行中です。
お話はまだまだ、つづくのでしょうか?
毎回ちょっぴりハラハラして、でもかわいいきょうだいたちに幸せな気分にさせられちゃう「999ひきのきょうだい」シリーズは、今後も期待大です。
この書籍を作った人
1955年、岐阜県生まれ。創作絵本をはじめ、ワイルドライフアート、オリジナルグッズなどで独自の世界を展開する、自然派アーティスト。「ピンクとスノーじいさん」(徳間書店)、「プレゼント」(BL出版)、「ようこそ森へ」(徳間書店)で、ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞受賞、「ピンク!パール!」(徳間書店)で、ブラティスラヴァ世界絵本原画展金牌、「なつのいけ」(ひかりのくに)で日本絵本賞大賞、「999ひきのきょうだいのおひっこし」(ひさかたチャイルド)が2012ドイツ児童文学賞にノミネートなど国内外で高く評価されている。主な作品に「星空キャンプ」(講談社)、「さかなつりにいこう!」(理論社)、「石のきもち」「くじらのバース」(ひさかたチャイルド)、新刊「どろんこ!どろんこ!」(講談社)など多数ある。伊豆高原と石垣島に、村上康成絵本ギャラリーがある。
出版社からの内容紹介
池に落ちたひょうたんがぷかぷかと浮かびながら流れていくと、かえるが飛びついて来ました。かえるの重さに池の中へ沈んでしまうひょうたん…。でも、持ち前の浮力で水面に戻ってくると、かえると一緒にハス池のなかを楽しく進んでいきました。「ぼっくりこ」と「げっこりこ」の韻を踏んだリズミカルな繰り返しと、ユーモアあふれるイラストが絶妙にマッチした絵本です。
みどころ
「きょうは ピクニックびよりですよ」
お留守番をしているなおちゃんに話しかけてくるのは、かっぱ。このあたりでは、雨の日にお留守番をする時は、かっぱと一緒に過ごすのです。なおちゃんは驚いて聞きます。
「あめなのに?」
「あめだから!」
のりで巻いたおにぎりを持って、二人でお出かけです。人通りの少ない道を行き、やってきたのは緑の生い茂る林の中。おやつとふきのかさを買ってもらい、奥へと進むと目の前に広がったのは大きな広場 。真ん中には池があり、ほかの子どもたちもたくさん来ています。どんどん大きくなっていく池にやって来たのは船。「あめがたくさんふらないと辿り着けないところ」に向かうのです。そして着いた場所とは……。
どこもかしこも雨で濡れ、空は重く、どこか全体的に薄暗い……はずなのに。かっぱが案内してくれたその遊び場所の素敵なことといったら! 雨の中に佇む巨木や深い緑の美しさといったら!
「あめのひに みんなで あまやどり。これ、さいこうの ぜいたくです」
そんなかっぱの言葉に思わずうなずきながら、絵本の中の子どもたちと一緒になって静かに雨音に耳を傾けてしまうのです。こんなにも、しっとりと深く味わえる雨の絵本があるなんて。日常のすぐ隣にありながら、果てしないスケールの大きさをも感じさせてくれるこの世界観。むらかみさおりさんのデビュー作品なのだそうです。きっとこの絵本自体が、子どもたちの雨の記憶の一つとして残っていくのでしょうね。
この書籍を作った人
北海道生まれ。イラストレーター。札幌大谷短期大学専攻科美術終了。第2回月刊 MOE絵本イラスト大賞佳作受賞。イラストレーション「ザ・チョイス」第160回・山口晃による審査で入選、第208回・宮古美智代による審査で入選。第16回岡本太郎現代美術賞入選。『あめかっぱ』が初めての絵本となる。
出版社からの内容紹介
水が好きじゃないアヒルがいました。ところが、水の好きなカエルと出会ってしまいました。好きなこと、苦手なことがちがっても、とってもなかよし。それってとっても素敵なこと!「なかよし」の本当の意味を、やさしく、たのしく、語りかけます。
この書籍を作った人
福島県に生まれる。早稲田大学卒業。翻訳家、エッセイスト。絵本の翻訳に『プレストとゼストリンボランドをいく』(岩波書店)、『ベンソン先生にあたしはきっと★はもらえない』『おっこちてきた』(光村教育図書)など多数。
出版社からの内容紹介
でんでんむし形のでんしゃの冒険譚
谷川俊太郎×スズキコージ 初の絵本
「おーい ふーい どこにいるぅ
あめなめらめるめ でんでんでんしゃ
あめといっしょに ふってこーい!」
呼んで現れたのは、でんでんむし形の“でんでんでんしゃ”。木に登ったり、雲を這ったり、虹を滑ったり、地獄を探検したり、“でんでんでんしゃ” が奇想天外な旅に出ます。
当代きっての詩人・谷川俊太郎さんと数々の作品を生む絵本作家・スズキコージさんによる、自由奔放でとっても不思議な、新しいものがたり。谷川俊太郎さんの楽しい言葉のリズムと、スズキコージさんのパワーあふれる絵の世界をお楽しみください。
この書籍を作った人
1931年、東京に生まれる。高校卒業後、詩人としてデビュー。1952年に第一詩集『二十億光年の孤独』(創元社)を刊行。以後、詩、絵本、翻訳など幅広く活躍。1975年日本翻訳文化賞、1988年野間児童文芸賞、1993年萩原朔太郎賞を受賞。ほか受賞多数。絵本作品に『ことばあそびうた』(福音館書店)、『マザー・グースのうた』(草思社)、『これはのみのぴこ』(サンリード刊)、『もこもこもこ』(文研出版)、「まり」(クレヨンハウス刊)、「わたし」(福音館書店)、「ことばとかずのえほん」シリーズ(くもん出版)他多数の作品がある。翻訳作品も多数。
この書籍を作った人
1948年静岡県生まれ。絵本や挿画のほか、イラストレーターとしてポスター・壁画・舞台美術などでも活躍。絵本に『あつさのせい?』(福音館書店)や『うみのカラオケ』(クレヨンハウス)ほか、多数。『エンソくん きしゃにのる』(福音館書店)で小学館絵画賞、『やまのディスコ』(架空社)で絵本にっぽん賞、『おばけドライブ』(ビリケン出版)で講談社出版文化賞を受賞。画集やエッセイ『てのひらのほくろ村』(架空社)も。
出版社からの内容紹介
話題の作品 渾身の絵本化!
美智子皇后がIBBY世界大会でのビデオ講演で「何度となく、思いがけない時に私の記憶によみがえってきた」作品として触れられた新美南吉の「でんでんむしのかなしみ」を初め、心にしみる作品を、絵本にしました。
■収録作品
〈詩〉一年生詩集の序
・でんでんむしのかなしみ
・里の春、山の春
・木の祭り
・でんでんむし
この書籍を作った人
1913年現在の愛知県半田市生まれ。東京外国語学校卒業。1943年結核により29歳の若さで亡くなる。『ごんぎつね』『てぶくろをかいに』『でんでんむしのかなしみ』『おじいさんのランプ』などの作品がある。
みどころ
毎年、梅雨の時期になると存在感を増す「かたつむり」。都会でも比較的見つけやすい身近な生き物ですが、なかなかじっくりと観察することはないかもしれません。こちらの絵本では、そのかたつむりにクローズアップしたいのちの物語です。
かたつむりは大きくなると、殻のうず巻きの数が増えること。冬眠だけでなく、暑いときにヌメヌメした体が干からびないよう「夏眠」もすること。かたつむりにはオスメスがないことなどなど、おはなしを読み進めながら、かたつむりの生態を知ることができます。
たけがみたえさんの描くかたつむりは、表情豊かで可愛らしく、とても魅力的です。また本来の生き物の姿と離れ過ぎずに描くことで、おはなしに説得力を与えています。
卵から生まれたむしのあかちゃんが大きくなって、卵を産むまでを描く「むしのたまご」シリーズ。むしや自然が大好きな子どもたちにとって、とても興味深いおはなしになるはずです。
この書籍を作った人
1986年東京都生まれ。和光大学表現学部芸術学科卒業。2007年に長野で牛にかこまれたときの衝撃から、生き物と目があった瞬間の「見たら見られた」をテーマに木版画を制作している。個展、グループ展での発表も多数。2017年『マンボウひまな日』(絵本館)で絵本作家デビュー。主な作品に『みたらみられた』(アリス館)、『あめちゃん』『きょうは泣き虫』(以上、好学社)、『うみのあじ』(あかね書房)、『だんだん だんだん』(ひさかたチャイルド)がある。