かむもかまぬも神だのみ めちゃヘンな早口ことば(小学館集英社プロダクション)
これ、言える? 言えたらヒーロー! みんなで遊べる! 一瞬で噛んじゃうヘンテコ早口ことば!
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インタビュー
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2022.07.14
累計発行部数25万部を突破した「かがくのお話」シリーズ(西東社)に新しい仲間が加わりました!
今回は1冊丸ごと恐竜のことが紹介されている『ぐんぐん考える力を育むよみきかせ きょうりゅうのお話20』です。たのしく読めるおはなしと、くわしい図解ページのW構成が特徴で、「おはなし」を読んで科学トピックに興味を持ったら、「図解ページ」で深掘りして学び、外での体験とひもづけができる、「たのしむ」→「わかる」→「やってみる」の3ステップが、子どもの中の科学の芽をぐんぐん育てていくと人気のこのシリーズ。
新刊発売を記念して、監修を担当された「ダイナソー小林」こと恐竜学者の小林快次さんと、恐竜の卵や巣、赤ちゃんの化石を研究している同じく恐竜学者の田中康平さん、作者の山下美樹さんにお話しを伺いました。
出版社からの内容紹介
☆いちばん強い恐竜は?
☆恐竜もけがや病気をしたの?
☆恐竜のしっぽは何のため?
☆うんちの化石もあるってほんと?
などなど...
今回もたのしいお話がいっぱい!
恐竜大好きっ子の「しりたい!」 をいっぱい詰め込みました。
監修はごぞんじ北海道大学の小林快次先生と筑波大学の田中康平先生!
<たのしむ→わかる→やってみる> 本シリーズならではの3ステップでお子さんのなかの科学のタネが芽を出し、ぐんぐんと育ちます。
●第4弾はまるごと「恐竜」だらけ!
つよさ/おおきさ/はやさ/しゅるい/たべもの/うんち/たまご/びょうき/かせき
●お誕生日やクリスマス、入園入学のプレゼントにぴったり
●対象年齢:3才〜小学校低学年
・よみきかせるなら3才から
・自分でよむなら6才から
※物語ページはすべてひらがなとカタカナ、図解ページは漢字まじりですが総ルビです
この人にインタビューしました
北海道大学総合博物館教授、同館副館長。アメリカのワイオミング大学地質地学物理学科卒。 海外へ発掘調査に出ながら、恐竜の分類や生理・生態の研究を行う。ヤマトサウルス、カムイサウルスなどの名付け親であり、日本を代表する恐竜学者。著書に『ぼくは恐竜探検家!』(講談社)、『恐竜まみれ』(新潮社)など。図鑑監修も多数。(photo by 渋谷文廣)
この人にインタビューしました
筑波大学生命環境系助教。北海道大学理学部卒業(指導教員は小林快次先生!)、カナダ・カルガリー大学大学院地球科学科修了(PhD)。恐竜の巣づくりや子育ての進化を解き明かすため、卵や巣、赤ちゃんの化石を研究している。著書に『恐竜学者は止まらない! 読み解け、卵化石ミステリー』(創元社)など。
この人にインタビューしました
NTT勤務の後、IT・天文宇宙ライターをしながら、岡信子氏、小沢正氏に師事し、創作童話を学ぶ。幼年童話と科学童話を中心に執筆している。主な作品に、本シリーズ既刊『かがくのお話25』『いきもののお話25』『もっと! かがくのお話25』(西東社)、『地球のあゆみえほん』(PHP研究所)、探査機シリーズ『「はやぶさ2」リュウグウからの玉手箱』(文溪堂)などがある。日本児童文芸家協会会員。埼玉県出身、東京都在住。
───『ぐんぐん考える力を育むよみきかせ きょうりゅうのお話20』の発売、おめでとうございます。この作品は、「かがくのお話」シリーズ第4作目ですが、今回、1冊全て恐竜でおはなしを作ろうと思った経緯を教えてください。
山下:ありがとうございます。本シリーズ第1弾は科学全般、第2弾はいきもの、第3弾は再び科学全般を扱いました。今回シリーズ続刊を出すにあたり、出版社さんと「子どもたちの大好きなテーマにしぼってもよいのでは」という話になりました。恐竜の圧倒的な迫力と姿かたちのかっこよさは、子どもたちに大人気です。
私自身、幼いころから恐竜が大好きで書いてみたいテーマだったこともあり、「まるごと1冊恐竜の本」に決まりました。現在、第一線でご活躍の小林快次先生と田中康平先生にご監修いただくことで、バラエティ豊かなトピックになり、かつ、最新の知見も踏まえた恐竜本になりました。正解が出せないことまで質問攻めにして先生方をずいぶん悩ませてしまいましたが、しっかり方向性を示していただいた先生方には感謝しかありません!
───監修のお二人は「かがくのお話」シリーズについて、監修の依頼が来る前からご存知でしたか?
小林:存じ上げておりませんでした。一番印象的なのは、複数の作家さんが楽しく絵を描いていることでした。新しいおはなしが、異なった絵のタッチで展開され、常に新鮮な印象を受けました。また、それぞれのストーリーも親しみを持つことができ、読者が楽しみながら持てる本だと思いました。
田中:私も知りませんでした。監修をする前に既刊本を送ってもらったのですが、絵本と科学の本の間を行ったり来たりするような、不思議な本だなと思いました。「かがくのお話」というだけあって、内容がしっかりしているのはもちろん、複数のイラストレーターの方が参加しているので、たくさんの絵本をまとめたベスト盤のようでした。1冊なのにお得感がありますよね。あと、結構クセの強いイラストが多いです。それが可愛いし、インパクト大。タコさんウィンナーかと思ってつまんだら、ダイオウイカさんウィンナーだったみたいな感じ……分かります?(笑)
───小林さんは田中さんの大学時代の指導教員だったとプロフィールに書かれています。今回の作品は、師弟で監修をされるということで、とても感慨深く感じていらっしゃると思います。監修の依頼が来たとき、どのように感じましたか?
小林:田中先生は、世界で活躍する若手恐竜研究者です。私にはできない若手の目線で一緒に監修できることを大変嬉しく思いました。私の監修だと、どうしても古い考えや見方に本の中身が偏ってしまいます。田中先生は、子ども目線で楽しく展開することができる人で、研究者としても教育者としても素晴らしい方だと思いました。
田中:小林先生とは何度か監修のお仕事をご一緒させてもらったことがあるので、今回も一緒にできたことを嬉しく思っています。これはヒミツですが、私はいつも小林先生のやり方をコッソリと学んでいます。監修とは、本の内容やイラストに間違いがないか、科学的にチェックすることです。恐竜のような大昔に絶滅した生き物は、分からないことだらけです。過去の研究成果に基づいて手探りで監修していくことになるわけですが、正解が分からない分、本当に難しいんです。作者の山下さんからは難問ばかりがやってきて……。そんなとき、小林先生はどうアドバイスされるのかな? この場合はどちらが良いと答えるのかな? とコッソリと師匠の答え方を盗み見ていました。小林先生は強い信念をもって監修されていて、なるほどと思うことが何度もありました。監修者でありながら、私にとっては勉強の場でもありました。
───今回、「恐竜」というひとつのテーマに対して、山下さんは20ものおはなしを考えていらして、その中には、戦隊シリーズ好きな子が喜びそうな「きょうりゅうデカインジャー」や、恐竜が意外とオシャレだと感じる「そのしっぽ すてきだね!」、ラストがちょっとドキッとする「きょうりゅうニュースのじかんです」など、ユニークな視点から物語を作られているおはなしも多かったです。山下さんがおはなしを作るとき、大事にしていることはどんなことですか?
山下:まず、「お勉強っぽさ」をできるだけ出さないことを心掛けています。大人に強制される勉強ってつまらないですよね。逆に、自分から興味を持ち、楽しみながら身につけたものは簡単には失われません。読者が「楽しくおはなしを読んでいたら恐竜が好きになって、もっと知りたくなった!」と言ってくれたら大成功です。
また、好きなおはなしのタイプは人それぞれなので、淡々とした静かなおはなし、漫才タッチのおはなし、戦隊ヒーロータッチのおはなし、コメディタッチのおはなし……といった具合にバリエーションを豊富にするよう心掛けています。おはなしの苦労という点では、トピックを見た時点でパッと情景が浮かばないと、なかなか先に進みません。〆切もあるので夜を徹して考えますが、ふっとアイデアが降ってくるのは眠気でまともに考えられなくなったころ。物書きとしてどうなの?と複雑です。
───監修のお二人が好きなストーリーは、どれですか?
小林:私は、「うみべで のんびり なつやすみ」です。私が名前をつけた「カムイサウルス」と「ヤマトサウルス」が登場するからです。北海道むかわ町から発見されたカムイサウルスが、親子で海岸で楽しそうにしています。同じ時代に棲んでいた兵庫県洲本市から発見されたヤマトサウルスが同じように海を見ながら楽しんでいます。その2種類の恐竜が合流して、さらに楽しそうにしているシーンは、名付け親としては、最高のシーンです。こんな恐竜の世界が、ティラノサウルスの時代の日本だったということがうまく描かれていると思います。
田中:どの話もとても面白いですよね。「きょうりゅうレストラン」のイラストはとても可愛くて気に入っています。あとは「チャンピオンけっていせん」が好きかなあ。どの恐竜が一番強いかという、ド直球のテーマで、小林先生と出演しているラジオ番組でも子どもたちから頻繁に質問を受けます。正直に言って、どの恐竜が一番強いかというテーマは、監修がとても難しいです。研究者の間でも答えが分かれそうですし、私たち研究者が「この恐竜が一番強いです」と決めつけてしまうと、子どもたちが考える機会を奪いかねません。オチをどうもっていくかは、みんなで悩みました。実は、このおはなしは私が以前ラジオでお答えした質問「ティラノサウルスはオスとメスのどちらが強い?」を参考にしているんです。さあ、最強の恐竜は何か、本書を読んでみてください!
───「きょうりゅうかうなら なにがいい?」は読んだ後、親子で「どの恐竜を飼いたいかな?」と話が膨らむと思いました。皆さんは、恐竜を飼えるとしたら、どの恐竜を飼ってみたいですか?
小林:飼うことが可能なら、今回の絵本に出ている、カムイサウルスとヤマトサウルスです。大人になると8メートルと大きいので、まだ子どものカムイサウルスとヤマトサウルスがいいですね。本当に生まれたてだったら、可愛かったんじゃないでしょうか。2種類の恐竜を一緒に飼ったらどんな感じになるか見てみたいです。モルモットなんかは、一匹ではなくて複数匹で飼うのがいいと聞いたことがありますが、集団で生活をしていたと考えられるハドロサウルス科ですので、カムイサウルスとヤマトサウルスは仲良くできたのか見てみたいです。
田中:お金と場所があるんだったら、いろいろな恐竜を飼育したいです。ブラキオサウルスもティラノサウルスも、ユタラプトルも……。1頭だけなら、パラサウロロフスかな。とても大きくて優しそう。ウマみたいに人間と仲良く出来るんじゃないかなと思います。乗馬ならぬ乗竜ができそうだし、頭のトサカが大きくて撫でやすいのもポイントです。ただ、日本の住宅事情を考えると、超小型の皮膜恐竜イーもいいかな。ペット可のアパートに住んでる方におすすめです! 部屋で飼えるし、食費も抑えられます。本書では、結構リアルに、どうやって飼育すれば良いか、注意点は何かが図解ページで解説されていて、クスっとなってしまいます。
山下:私、実は35年以上にわたり恐竜を飼っています! セキセイインコという恐竜で、今の子は6代目です。非鳥類型恐竜限定なら、我が家の住宅事情を考慮して世界最小の恐竜、エオシノプテリクスでしょうか。全長30cmの小鳥サイズです。鳥類型恐竜好きとしては、羽毛の手触りと匂いを確認したいです(セキセイインコはお日さまの匂いがします)。「きょうりゅうデカインジャー」に登場しているので、ぜひ本書でご確認ください。
飼うスペース、餌やフンの量、自分が食べられる可能性など諸々気にしなくてよいのなら、子どものころ初めて好きになったアロサウルスを飼ってみたいです。すらりとしていますが、迫力があってかっこいい恐竜です。卵を孵すところから挑戦して、非鳥類型恐竜に「刷り込み」ができるか試したいです。もちろん、私が親だと刷り込みます。
───絵本ナビユーザーのお子さんの中には、恐竜好きで恐竜図鑑を愛読している、手に取る絵本は全て恐竜の絵本! という子もたくさんいらっしゃいます。みなさんは子どもの頃、どんな絵本を読んでいたか、覚えていらっしゃいますか?
小林:私は恐竜の絵本ではなく、「バーバパパ」でした。いろんな形に変わる体と、緩やかな家族のストーリー展開が好きでした。絵本は、限られた少ない文字ですが、印象に残る文章が記されており、絵を見るだけでその世界に飛び込める楽しさを今でも覚えています。
田中:私はヒサクニヒコさんの絵本を読んで恐竜が好きになりました。小学校1年生のときです。そのときは恐竜の存在なんて知らなかったのですが、毎日眺めているうちにだんだん恐竜が好きになりました。ヒサクニヒコさんのイラストは独特の手描きの良さがあって、恐竜がとても愛らしいです。パッと見ただけで「ヒサクニヒコさんのイラストだ!」って分かります。30年経って、今度は自分が恐竜の絵本に携わることになるとは思いもしませんでした。30年後に、本書の読者の中から恐竜学者が誕生してくれたらうれしいですね。
山下:お願いして買ってもらった最初の絵本は、加古里子さんの「地球」です。その数年後に出た「宇宙」で、大の宇宙好きになりました。必ず石鹸で手を洗ってから読むほど大事にしていました。
幼いころ、恐竜の本といえば図鑑で、恐竜だけの絵本はまだ見たことがありませんでした。あるとき、ドイツへ出張に行った伯父が、恐竜好きのわたしにお土産に本を買って送ってくれたのです。表紙も中も真っ赤なコート紙に、迫力あるポーズの(でもしっぽを引きずっている)恐竜が描かれた薄い本だったのですが、ドイツ語で読めません。それでも、おぼえたばかりのひらがなで恐竜の絵に「あろさうるす」、「ぱきけふぁろさうるす」などと書き足して大満足した記憶があります。ただ、ひらがなしか読めないわたしに、伯父がなぜドイツ語の本を買ったのかは謎です。
───最後に、絵本ナビユーザーの皆さんに、『ぐんぐん 考える力を育むよみきかせ きょうりゅうのお話20』をお子さんとどのように楽しんでほしいですか?
小林:考える必要はないと思います。絵本という特徴を活かし「感じて」欲しいです。恐竜も私たち人間と一緒で生物です。この動物が、どのように生活し、とてつもなく長い時間の中で進化していったのかを、絵本に飛び込むことで肌で感じて欲しいと思います。難しいことは一切抜きにして、恐竜の世界を楽しんでもらいたいです。
田中:まったく堅く構えずに読んでほしいです。恐竜は絶滅してしまっていて、真の姿や生活の様子は誰にも分かりません。だから、恐竜のイメージを誰かに押しつけられる必要はありません。本書のおはなしには読者が想像する余地がたくさん残されています。また、たくさんのイラストレーターさんが参加しているので、恐竜の描き方もさまざまです。お子さんは先入観を持たずに入り込むことができると思っています。「考えるのではなく、感じろ」なのです。ヨーダもそう言っていました。寝る前に読み聞かせてあげて、お子さんは夢の中でたくさんの恐竜たちに出会ってほしいなと思います。
山下:最初から最後まで全部読まなくちゃと気負う必要はありません。気に入ったおはなしをくりかえし読んでも構いませんし、興味の持てないおはなしは飛ばしてもいいのです。お子さんが楽しいと思えるように読んであげてください。保護者の方々には、先に図解ページに目を通していただくと、お子さんがなぜ? どうして? と質問をしたときに、かっこよく答えられるかもしれません(載っていない質問が来たらごめんなさい)。本書をきっかけに、大人も子どもも恐竜がもっと好きになってくれれば幸いです。なお、もし「うちの子、こんな恐竜を好きになったよ」とか、「こんなことに興味を持ったの」などと誰かに教えたくなったら、ぜひ出版社にもお知らせください。私が泣いて喜びます。監修の先生方も泣いて喜んでくれる……かもしれません。
───絵本ナビユーザーさんにアンケートを取っていますので、お子さんの反応が届くかもしれません。そうしたらお伝えしますね! 今日は色々質問にお答えいただき、ありがとうございました。
校正・文:木村春子