新刊
世界の国からいただきます!

世界の国からいただきます!(徳間書店)

世界26か国の食べものを紹介した、楽しい大判絵本!

絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  絵本紹介  >  この春、親子で読みたい評判の名医が活躍する絵本 「キダマッチ先生!」シリーズ

いよいよ春本番! お出かけしたくなるような暖かい陽気が続くのは嬉しい反面、冬の間に溜め込んだ体の不調が出てくる季節でもあります。ほら、鼻がムズムズしたり、寝つきが悪くなったり、耳からシャカシャカ変な音がしたり……体の変化を感じませんか? そんな皆さんに、腕利きのお医者さんが登場する物語をご紹介します。「キダマッチ先生!」シリーズです。

  • キダマッチ先生!(1) 先生 かんじゃに のまれる

    出版社からの内容紹介

    アグラ山のふもとの池にすむ一ぴきのカエル、それがキダマッチ先生。
    どんな病気やけがも、あっというまに治してくれるという、ひょうばんの名医です。
    今日も、最初の患者がやってきて……。
    カエルのキダマッチ先生と、患者たちのやりとりがとても楽しい作品です。
    岡本順の生き生きとした絵が、魅力的! 
    小学校2、3年生くらいの、絵本から読みものへの移行期のお子さまに、ぜひ読んでほしい一冊です。

物語の主人公「キダマッチ先生」は、仏さまが胡坐をかいたような形の山「あぐら山」のふもとの、小さな池のほとりの古い木に住むカエルです。チャームポイントは背中の黄色い水玉模様。「キダマッチ」という名前は「“き”いろのみず“たま”」が由来なのだそう。

キダマッチ先生ってどんな先生?

「キダマッチ先生!」シリーズは、はっきりと誕生の瞬間を覚えている作品です。長年お世話になっている主治医の先生に、本ができるたびに差し上げていたのですが、あるとき「今度、ぼくのこと書いてよ」と、言われたのです。びっくりして、「そんな、無理ですよ」と、即答しました。すると、「カエルでもいいからさ」と、言うのです。ところが、それからだいぶたったある日のこと、電車の窓からぼんやりと外を眺めていたときです。なぜだか全くわかりませんが、頭の中にふわっとキダマッチ先生が登場したのです(今井恭子さんインタビューより)

診療に訪れるさまざまな生きものたちとキダマッチ先生との、ちょっと不思議で軽快なやり取りを描く「キダマッチ先生!」シリーズは、2017年から今までに7作出版されています。書店員さんや司書さんなど大人の間でも人気急上昇中で、絵本から読み物への橋渡しにもピッタリ。そんな「キダマッチ先生!」シリーズの魅力をご紹介します。

【魅力@】一癖も二癖もある患者が相手。対するはキダマッチ先生のユニークな治療法!

キダマッチ先生の元には、毎日いろんな生き物が体の不調を訴えにやってきます。その内容がなんともユニーク。例えば、翼の破れたコウモリ、耳の中に「ミミムシ」が住み着いた野ウサギ、腰が痛くて歩けないと訴えるシャクトリムシ。そんな患者さんをひとりも邪険に扱わないのがキダマッチ先生の名医たる所以です。コウモリの羽はミシンで縫い、

野ウサギの耳に住み着いたミミムシには、天敵の「ミミムシ・スキムシ」を投入。

さなぎになったシャクトリムシにはベッドを貸してあげます。体の大小に限らず、助けを求めにやって来た患者さんに応えるキダマッチ先生。その患者第一主義はカエルの天敵であるヘビも例外ではありません。

キダマッチ先生の元を訪れる生き物たちのちょっと不思議な体調不良と、それにぶつぶつ言いながらも真摯に対応するキダマッチ先生の孤軍奮闘っぷり。この絶妙なやり取りがこの物語最大の魅力です。

どんな動物が、どんな症状でやってくるか、それを先生がどう治療するか、これらが作品の骨になります。そのアイデアは自然にわいてくることもありますし、考えて作りだすこともありますが、あまり苦労はしていません。この物語はとにかく書いている本人もリラックスできて楽しいのです。(今井恭子さんインタビューより)

【魅力A】パーフェクトなお医者さん……かと思ったら、私生活は意外と苦労の連続? 人間味あふれる「キダマッチ先生」に共感多数

どんな患者も平等に扱う名医・キダマッチ先生。でも、こんな優秀なお医者さんにも悩みはあります。キダマッチ先生の悩みの種は主にふたつ。都会に行ったまま帰ってこない奥さんと、「カエルになんかなりたくない」と言ってオタマジャクシのまま大きく成長した息子です。

『キダマッチ先生!(4)−先生町へいく』と『キダマッチ先生!(5)−息子 ナマズになる!?』には、キダマッチ先生が奥さんの住む町と、息子のいる池に会いに行くエピソードが描かれています。奥さんの尻に敷かれている姿や、想像の斜め上を行く息子の成長に戸惑う姿など、患者を前にしている時とは違うキダマッチ先生を見ることができる貴重な2冊。このおはなしのなんとも人間味あふれるキダマッチ先生にはまったという人も多いそう……。

【魅力B】リアルなのに愛嬌たっぷり! 細かいところまで描きこまれた絵に引き込まれます

「コロボックル物語」シリーズといえば村上勉、「ロアルド・ダール コレクション」といえばクェンティン・ブレイクと作品名を聞くとパッと絵が思い浮かぶように、面白い物語にはその世界観を存分に表現してくれる絵が必要です。「キダマッチ先生!」シリーズも岡本順さんの絵がその役割をしっかり担っています。カエルのキダマッチ先生の手足や体の造形はとってもリアル。でも表情やひとつひとつのポーズの端々にクスっと笑える愛嬌があるので、両生類が苦手という人もじっくり見ることができます。

表情、佇まい、キダマッチ先生の魅力あふれるイラストが全ページカラーで堪能できます

診察に訪れる生き物たちも毛の先、爪の先、足の先、それからキダマッチ先生との体の大きさの差など、現実に近い形で描かれています。それなのに診療してもらうために背筋を伸ばしたり、お酒を飲んだり、マスクを付けたりやっていることは非常に人間っぽい。動物の姿で人間らしい動きを描くのはとても難しいはずなのですが、岡本さんの絵はまるで本当にそういう姿を見てきたよう。そこが「キダマッチ先生!」シリーズの人気をゆるぎないものにしてくれています。

犬、小鳥、金魚、昆虫、カメなどなど。子どものころは、いろいろ飼いました。上手に飼えなかった生き物もたくさんいます。見えるところは全て見てるけど、手で触れることができたのは、貴重な体験でした。(岡本順さんインタビューより)

BL出版公式noteで今井恭子さん、岡本順さんのインタビュー公開中

【最新作!】『キダマッチ先生!(7)―先生 オコジョ病院へいく』では病院の存続を脅かすライバル出現?

2023年2月に発売されたばかりのシリーズ7作目には、新しい「オコジョ病院」が登場します。しゃれた作りの院内、ロボットを使った診察方法、しかも先生は若くて美人……など、昔ながらのキダマッチ先生の診療とは正反対のオコジョ病院に患者が流れてしまいます。さあ、キダマッチ先生はどうするのでしょうか……?

  • キダマッチ先生!(7) 先生 オコジョ病院へ いく

    みどころ

    アグラ山の動物たちから信頼され、いつも患者が絶えない名医のキダマッチ先生。ある日、珍しく患者が来ないと思ったら、どうやらアグラ山の向こうに新しくできた病院が評判になっている様子。

    けれども患者が来ないならと、キダマッチ先生は、ふだんはなかなか時間がなくてできない趣味に朝から晩まで没頭します。キダマッチ先生は歌をうたうのが大好きなのです。しかし歌いすぎたせいで声が出なくなってしまい、偵察も兼ねて、新しくできた病院で診てもらおうと出かけることに。顔見知りの患者とはちあわせしては気まずいので、シャツで背中の水玉をかくし、メガネをかけ、ぼうしをかぶり、変装して‥‥‥。

    山のふもとに見えてきたのは、ピンクのかべのしゃれた作りの建物。受付にはまっ白いネコがファッションモデルさながらに待ちうけ、中に入ると問診ロボットがお出迎えです。病院は混んでいて2時間も待たされました。そうしてようやく対面した、医者の姿とは? またその診察はどんな様子だったのでしょうか。

    児童文学作家の今井恭子さんによる絵本シリーズ「キダマッチ先生!」の第7弾。奥さんや息子さんなどプライベートではやや難を抱える親しみ深さもありながら、仕事に関しては、どんな症状でも必ず治す腕は確かで、仕事は常に順調だったはずのキダマッチ先生。本作では、初のライバルが出現するという異例の事態にキダマッチ先生がどのように対処するのかがみどころです。

    また、本シリーズの大きな魅力のひとつでもある、岡本順さんの挿絵は、本作でもユーモアいっぱい。絵をすみずみまで眺めていると、絵に隠されたキダマッチ先生の暮らしぶりや秘密が知れたり、キダマッチ先生の感情が伝わってきます。とくに、キダマッチ先生の変装や、患者になったキダマッチ先生の様子、最新技術を誇るオコジョ病院の様子など見応えたっぷりですので、ぜひ挿絵も合わせてお楽しみください。

    子どもから大人まで幅広い年代の方におすすめの「キダマッチ先生! 」シリーズ。とくに子どもたちには、絵本からちょっとステップアップして、読み物に挑戦してみようという時期におすすめです。また、巻ごとの発見や楽しみもありますので、ぜひシリーズで楽しんでみてくださいね。

絵本から読み物への橋渡しに。子どもと一緒に読む作品にぴったりです

「キダマッチ先生!」シリーズのページ数は一般的な絵本と同じ32ページ、大きさも22p×19pと小ぶりで小学校進学前のお子さんが持つのにピッタリなサイズです。ページをめくると全ページカラーの絵が描かれていて、文字にはすべてひらがなのルビがついています。文字のサイズも子どもが読みやすい大きさで、読み物と同じ縦書きでデザインされています。この本の佇まいすべてが、絵本から読み物へと子どもの手を引いてくれる工夫でありこだわりです。

本好きな子は「キダマッチ先生!」を入口に、名作と呼ばれる児童文学の世界へ飛び込んでくれることでしょう。でもそこには「ひとりで読む」という高いハードルが存在します。大人の皆さんは、まずは絵本と同じように、この作品を子どもと一緒に読んであげてください。

子どもは「読んでもらう」⇒「おはなしを理解する」⇒「面白いから次が気になる」⇒「自分で読もうと思う」⇒「上手く読めなかったから、やっぱり読んでもらう」……。これを何度も何度も繰り返して、少しずつ「ひとりで読む」ことが身につきます。その道のりは一朝一夕にはできません。 我が子がまだ小さかった頃のトイレトレーニングのように、箸を上手に持つトレーニングのように、日々のくりかえしと努力と忍耐を持って親子で取り組んでいると、ある日、急にできるようになるのです。その日がやってくるのは7歳かもしれません、10歳かもしれません、もしかしたらもっと上かも……。それまで「またこの本読むの?」「いい加減ひとりで読みなさい」という言葉はグッと飲み込んで、子どもとの読書体験を楽しく積み重ねていきたいですね。

BL出版50周年企画が進行中です

「キダマッチ先生!」シリーズを出版しているBL出版では、2024年の創立50周年に向けて様々な企画を準備中です。読者プレゼントやInstagram写真コンテストも予定されているようなので、ぜひチェックしてみてくださいね。

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