どうぶつのわかっていること・わかっていないこと(小学館集英社プロダクション)
『世界一受けたい授業』で紹介!京大の動物博士監修の「答えのない問いに向き合う力」を育てる新感覚の絵本
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どうぶつのわかっていること・わかっていないこと(小学館集英社プロダクション)
『世界一受けたい授業』で紹介!京大の動物博士監修の「答えのない問いに向き合う力」を育てる新感覚の絵本
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絵本紹介
2023.04.20
長年、子どもの本を出版している、出版社の周年をお祝いする連載。今回ご紹介するのは、今年20周年を迎える、ゴブリン書房さんです。いつもそばにあって、自分だけの宝物みたいな存在の本の出版を続けるゴブリン書房さんの作品。あなたにとってのかけがえのない一冊をぜひ探してください。
「コロボックル」シリーズの生みの親として知られる児童文学作家の佐藤さとるさん。ゴブリン書房では佐藤さとるさんと岡本順さんのタッグで多く児童文学を世に送り出しています。中でも「佐藤さとる幼年童話自選集」は、佐藤さん自身が作品を選び、岡本順さんをはじめ、田中清代さんやどいかやさんなどの絵本作家が挿絵を手がけた幼年童話集。挿絵も多く、大きく読みやすい文字で編まれているので、はじめて佐藤さとる作品と出会う小学校低学年のお子さんにもおすすめです。
出版社からの内容紹介
まこちゃんが、そっと目をちかづけてみると、
なんとまあ、小さい小さいうちゅう人が、あわてて顔をひっこめたのです。(「遠い星から」より)
ファンタジー文学の第一人者、佐藤さとるが
自ら編んだ、初めての幼年童話集。
読みがな付きの、大きな活字なので、小学初級から楽しめます。読み聞かせにもおすすめ!
収録作品
・あっちゃんのよんだ雨(挿絵 田中清代) ・タツオの島(挿絵 岡本 順)
・さんぽにいこうよ(挿絵 かわかみたかこ) ・くるみたろう(挿絵 田中清代)
・だれが金魚をたすけたか(挿絵 しんしょうけん) ・遠い星から(挿絵 田中清代)
・りゅうぐうの水がめ(挿絵 かわかみたかこ) ・タケオくんの電信柱(挿絵 岡本 順)
・つくえの上のうんどう会(挿絵 かわかみたかこ)
石井聖岳さん、おくはらゆめさん、植田真さん、ひがしちからさんなど、今人気の絵本作家さんのデビュー間もない頃の作品を多く手掛けているのもゴブリン書房の魅力です。その中から力の抜き方を教えてくれる脱力系絵本と、パワーをもらえる熱血系絵本といえばこの2冊。
みどころ
「ゆるーーい」です。こんなにも「ゆるーい」絵本を出版してしまうなんて・・・ありがとうと言いたいくらい。
どんな感じかというと・・・。
とっても天気の良い日。広い広い海にうみにぷかぷか浮かんでいるのは「たこ」。
空も海も青くて水平線がわからなくなって全部一緒になってしまった様なむにゃむにゃ青い景色に「たこ」がぽつん。このページを思い出すだけで、頭のねじがゆるんでしまいふらっ、とします。
たこは「そらをとんでみたいなぁ。」と思います。 「もしもそらを飛べたらどうやってとぼう。」
そこからたこくんの奇想天外、ゆるーい想像の世界が始まっていきます。(えーそんな飛び方?) 飛び方が決まったら今度は色々な所へ出掛けていきます。(もちろん想像で。)
そうやってふわふわーっとした時を過ごしていると突然、現実の大きな音が!大変、何かが起きる!・・・かな。
終わった後はたこも読んでる人もなぜかとってもほっこりした気分になってしまうのです。こんな風に何でもない日、何か起きそうで起きない一日を過ごす、というのが実は子供にとって最高な幸せな時間なのかもしれない、なんて思わせてくれました。
みどころ
大らかでゆったりとした空気感に、ぴりっと効いたユーモアセンス。
独特の雰囲気がどれも魅力的なおくはらゆめさんの絵本。
今度の新刊はやる気いっぱい!
森は落ち葉だらけで、畑はお芋だらけ。
「こうなったら しょうがない」「やきいもするぞ エイエイオー!」
動物たちは一致団結、みんな大はりきりなのです。
でもよく見るとキャラクターは個性的、それぞれの表情の変化も見逃せません。
特に、焼き上がったお芋を思い思いに頬張る至福の瞬間!
その輪の中に、いつの間にか混ざっている“あの方”の意外なほどの可愛さにも注目です。
そしておいもを食べれば、当然出るのは・・・?
「こうなったらしょうがない」
まだまだみんなははりきるのです。
昔話の様な、どこか懐かしくて美しい秋の景色を背景に、ばかばかしい大会を繰り広げる動物たちと一緒に、大笑いしながら参加してみてくださいね。それにしても焼き芋、美味しそう・・・。
日本とは違った独特な色遣いや表現方法が特長の海外の絵本。その美しさからジャケ買いをする絵本好きな方も多いのではないでしょうか。ゴブリン書房で出版されている海外絵本は、異国情緒を感じる美しい絵の中にも新しい発見や気づきを与えてくれるしっかりとしたストーリーが特長です。特に感情を揺さぶられる4作品はこちらです。
みどころ
見渡す限り自分の家と畑以外何も見当たらない辺境の地。そこへ佇む老人。こんな環境は日本にはなかなかなく、家族もないこの孤独なジョンじいさんの気持ちというのは想像ができない・・・なんて途方に暮れてしまいます。
ところが、自分でつくった素っ気無いかかしに顔をつけてみるジョンじいさん。心なしか表情の変わっていく様子を見ているうちに、気がつくとジョンじいさんの心の変化にぐいぐい惹きつけられていく自分がいます。
かかしとおじいさん、若者とおじいさん。この広い広い舞台での小さな繊細なやりとりが一つ一つ凝り固まっていた老人の心をほぐしていき、同時に読む者の心にも深く響いてきます。
孤独や悲しみを知るもの同士、多くの会話は必要ないのかもしれません。かかしと仲良くなっていくじいさんを見て、誰かを思いやるという事が自分の心を豊かにするという事に改めて気がつかされ、若者とのやりとりでは心を開いていくことによって友情が生まれるのだと納得。
個人的には希望に満ちた、とても優しい本だと感じました。ただ、年齢や状況によって受け取り方はそれぞれ変わるのかもしれません。それも画家と作家の世界観が見事に一致した芸術的な絵本の懐深さ故なのかもしれませんね。丁寧に何度も何度も読み返してみて欲しい絵本です。
みどころ
「想像の力」があれば、どんな事だって起こりうる絵本の世界。だから面白いし、夢中になれるのだけれど、時にはしばらく頭から離れないほど印象に残る「ほんとうの話」というのもあるんだと驚かされたのがこの絵本。
今から100年ほど前に、カナダでほんとうにあった話です。
もうすぐ5歳になるアントニオが住んでいたのは、深い森に囲まれた小さな町ゴーガンダ。おかあさんが湖のほとりに立っている3かいだてホテルをやっていたのです。近くに子どもがいなかったので、アントニオの友だちは、ホテルで働く大人たち。そして、食堂のはしっこの台所の奥にある小さな部屋がアントニオの寝る部屋。2階の客室のドアが開いていれば中をのぞいてまわり、2段ベッドがずらりと並んだ3階の部屋では猟をする人や木を切る人たちと、夜までにぎやかに過ごします。アントニオはこの部屋が一番のお気に入りでした。
動物を探しに森の中もひとりで歩きます。でも、普段は動物はめったに姿を見せません。猟師がいたり、罠があったりするからです。もっと奥の方に隠れているのです。
その夏、森から煙が出ているのに気がつきます。おそろしい山火事が起きたのです。あっという間に燃え広がり、逃げる場所はただひとつとなりました。湖です。町にいた全ての人たちが湖に浸かります。でもそれは、動物たちも同じでした。その時、目の前で繰り広げられたのは思いもよらない光景で…。
それは、絵本の中でも息を飲む瞬間。アントニオと同じく、読者もきっといつまでも忘れないことでしょう。人間と動物を隔てていたものがなくなった、その時間のことを。
ユーモアやファンタジーなおはなしも多い児童書・幼年童話の中で、ゴブリン書房は社会の中に生きるリアルな子どもの姿を伝える読み物も多く手掛けています。時代によって、社会によって子どもたちの環境、感情はどう変化するのか、じっくり読み解きたい児童書4作品をご紹介します。
出版社からの内容紹介
1981年、北アイルランド。国境近くの村に暮らす高校生・ファーガスは、紛争が続くこの土地から離れて、イギリスの大学で医者になることをめざしてい た。ある日、こづかい稼ぎに泥炭の盗掘にでかけた湿地〈ボグ〉で、少女の遺体を発見する。泥炭の作用で生々しく保存された遺体には、絞殺の跡があった。 一方、アイルランド独立をめざす兄・ジョーは、獄中でハンガー・ストライキを敢行。死へのカウント・ダウンがはじまる。故郷への思いと、自由への渇望と のあいだで揺れる ファーガスは、兄の命をかけて、ある決断をする……。 湿地の少女〈ボグ・チャイルド〉の死の真相とは? ファーガスは、その手に未来をつかめるのだろうか?
2009年カーネギー賞(英国)受賞の話題作、 待望の邦訳!
このたび、ゴブリン書房は20周年を迎えました。 絵本ナビユーザーのみなさん、ゴブリン書房の本を読んでくださっている読者の方々に、こころからお礼を申しあげます。
ゴブリン書房は、児童書・絵本の出版社です。
子どもたちに “生きる喜び” を伝える本、
遠い世界へ、ともに旅する仲間のような本、
いつもそばにあって、自分だけの宝物みたいな存在の本……、
そんな本の出版をめざしています。
この文章は、小社もくろくやホームページに掲載しているものです。
これからも本つくりにいっそう励んでまいりますので、ゴブリン書房の本をお気にとめてくださいましたら幸いです。