絵本紹介
2023.05.19
「ユーモアあふれる人」「ユーモアに富んだ会話」など明るく、ポジティブな印象を受ける「ユーモア」という言葉。辞書で調べてみると、
ユーモア【名】:人を傷つけない上品なおかしみやしゃれ。知的なウイットや意志的な風刺に対してゆとりや寛大さを伴うもの。
……と解説が載っています。なるほど、子どもの目線に立って思わずクスっと笑える作品は、まさに人を傷つけない「ユーモア」と呼ぶのにふさわしいもの。「ユーモア」と「絵本」はとっても相性がいい関係だと分かります。そんな上品でおかしみ溢れるユーモアたっぷりの絵本をご紹介します。読んでいる間もくすくす笑えて、読み終わった後はなんだか心が明るくなるような、そんな読書体験をぜひ楽しんでください。
出版社からの内容紹介
主人公「がっちゃん」のおとうさんは背が高い。
そんなお父さんをどこか好きになれない「がっちゃん」。弱点があるけど、かっこよくて愉快なお父さんを描いた元気になれる絵本です。ぜひ、お楽しみください
みどころ
このちょっと不思議な姿をしているのは、はしのはしたろう。え、はしが主人公!? いったいどんなお話が始まるというのでしょう。
はしたろうが散歩に出かけると、川の向こうでうさぎといのししが困っています。石の上にはかめたちが気持ちよそうに眠っていて、川を渡ることができないのです。そこで、はしたろうが川に入ると、思いっきりのびをします。
「うーーーん」
すると体が少しずつのびていき、向こう岸にかかります。大喜びでうさぎといのししが渡りおわるとまたもとどおり。今度は、道路の真ん中に大きなかば。これではバスが通れません。はしたろうはまたのびをします。さらに海についたはしたろうは、もっと大きなのびをします。
「んぐぐぐー――っ」
すると……?
確かに「はし」って、とても便利。でも、こんな風にのびたりちぢんだり、さらには自らお散歩をするだなんて、想像をしたこともありません。でも、はしたろうを見ていると、なんだかとっても爽快な気分になってくるのです。そして、ちょっぴり真似してみたくもなってきます。うーーん、んぐぐぐ―――っ。
作者つぼいかなおさんの、クスッと笑える絵本デビュー作。トムズボックス土井章史氏プロデュース作品です。
出版社からの内容紹介
仲の良い大きな猫と小さな猫。ある日、2匹は一つずつおにぎりを見つけました。大きな猫は小さな猫が見つけた大きなおにぎりが羨ましくてたまりません。おにぎりをめぐってけんかになった2匹は、おさるに相談に行きましたが…。
この書籍を作った人
1973年、千葉県生まれ。絵描き。絵本作家。妖怪や創造生物、動物を描く。著書に『ばけねこぞろぞろ』(あかね書房)、『いもうとかいぎ』(ビリケン出版)、『えとえとがっせ』(WAVE出版)、『どっせい!ねこまたずもう』『ねこまたごよみ』(以上、ポプラ社)、『おろろんおろろん』(偕成)、『おおきなねことちいさなねこ』『つちんこつっちゃん』(以上、好学社)『こねこのきょうだいかぞえうた』石津ちひろ・文(BL出版)。挿絵には『ショローの女』著:伊藤比呂美 (中央公論新社)などがある。国内外で、個展も開催。愛猫家。爬虫類好き。
出版社からの内容紹介
ようこそ、きょうりゅうオーディションへ
恐竜劇団ベナートルでは、新しいお芝居を上演するためにオーディションを開催。トリケラトプス、ステゴサウルス、ティラノサウルスなど、いろいろな恐竜たちがやってきて特技を披露しますが・・・。楽しい恐竜絵本。
全長245センチ、体重25キロの小さな恐竜・フクイベナートルさんの、軽妙な司会で進行する「恐竜オーディション」。首のなが〜いブラキオサウルス、大きなえりがごじまんのトリケラトプス、大きな口をあけて歌う(吠える)ティラノサウスなどなど、「劇団ベナートル」の新しいお芝居に出たい恐竜たちが次々と特技を披露します。
確かな観察眼で生き生きと描かれた恐竜たちが繰り広げる、愛嬌たっぷりのエピソード。恐竜好きな子だけでなく、幅広い子ども達に楽しんでもらえる恐竜絵本です。
この書籍を作った人
東京都生まれ。大学で経済学を学んだ後、4年間の会社勤めを経て、絵本の制作を始める。世界的編集人、マイケル・ノイゲバウアーが見出し、「ぼくはカメレオン」で世界7カ国語同時デビュー。『5ひきのすてきなねずみ ひっこしだいさくせん』で2011年日本絵本賞を受賞。作品に、『ぼくはカメレオン』(グランまま社)、『すずめくんどこでごはんたべるの?』(福音館書店)、『くんくん、いいにおい』(グランまま社)、『ポレポレやまのぼり』『どうぶつどんどん』(大日本図書)、『はなびのひ』(佼成出版社)、『ぼくうまれるよ』(アリス館)などがある。神奈川県在住。
みどころ
ぼくたちチーム。もーちゃんの近くにいて、もーちゃんしか知らない。ラッパを持って、たいこを持って、ぷぷぷっぷー、タタタンターン、そーっとそーっと応援するの。
もーちゃんが怖がっていたら、真っ暗な空の上だって、おばけが出そうな暗い廊下だって、なんのその。いつだって、がんばって応援する。本当はちょっとぼくたちも怖いけどね。もーちゃんが眠れないって言ったら、ぼくたちチームは……。
おもちゃ箱から出てきたのは、赤と青のなんだか不思議な姿をした二人、ぼくたちチーム。もーちゃんの見えるところ、見えないところで大活躍。応援に成功すれば得意顔、怖い時はおびえ顔。ちょっとばかり頼りないところも魅力的。こんなチームがそばにいたら、もーちゃんだって安心するよね。巻末にはオリジナルの「おやすみのうた」の楽譜つき。トムズボックス土井章史氏プロデュース作品です。
みどころ
ルーシーには、いぬもねこもいないし、お兄さんもお姉さんもいません。でも、ルーシーには、大好きなジェシカがいます。どこへ行くのも一緒。遊ぶ時も、おばあちゃんの家に行く時も、本を読む時も。
「ジェシカなんて子は、いないよ」
お母さんもお父さんもそう言うけれど。でも、さびしい時も嬉しい時もいつも一緒。ルーシーが怒れば、ジェシカもかんかん。ルーシーが5歳になれば、ジェシカも5歳になります。
そんなルーシーに、いよいよ初めて幼稚園へ行く日が訪れます。たくさんの子どもがいます。ジェシカは家に帰りたがります。そんな時、ルーシーの隣にやってきたのは……?
一人で遊ぶのも悪くないよ。だって、私には心の中の友だちがいるんだもん。そんな風に思っている子、案外少なくないのかもしれませんよね。彼らは上手に遊び、上手に時間を過ごし、色んな気持ちを乗り越えます。それだって、やっぱり大切な友だちです。だけれど、ふとしたきっかけで新しい友だちにも会えるってこともあるのです。
コールデコット賞受賞作家ケビン・ヘンクスの初期の名作であるこの絵本。ルーシーの心の中の楽しさを描きながら、みんなの心もくすぐってくれる愛らしい1冊です。ルーシー、ジェシカに会えてよかったね。
この書籍を作った人
1960年アメリカのウィスコンシン州生まれ。ウィスコンシン州立大学卒業。絵本作品に『いつもいっしょ』(あすなろ書房)『ふしぎのたね』(福音館書店)『まるいね まるいぬ』『とってもいいひ』(ともにBL出版)ほか。『まんまるおつきさまをおいかけて』(福音館書店)ではコルデコット賞を受賞。『まどべにならんだ五つのおもちゃ』でコルデコット賞オナー賞、ドクター・スース賞を受賞。
この書籍を作った人
1955年東京生まれ。1977年から87年までイギリスで暮らす。著書に、『わにわにのおふろ』など「わにわに」シリーズ、『とべ!ちいさいプロペラき』『はしれ、きかんしゃちからあし』、「こぶたのピクルス」シリーズ、『よ・だ・れ』(以上、福音館書店)、翻訳作品に、『おおきな3びき ゆうえんちへいく』、『せかいいちのあかちゃん』(ともに、徳間書店)、『みっつのねがいごと』(岩波書店)などがある。1994年野間児童文芸新人賞受賞。東京都在住。
出版社からの内容紹介
おっちょこちょいのペチューニアと、農場の動物たちがひきおこす、ゆかいなできごとを描いた
クラシック絵本。 大人気のペチューニアシリーズが復刊されました。
改訳・新版でお楽しみください。
この書籍を作った人
1904年スイス ジュネーヴ生まれ。1925年、アメリカに渡る。息子のために絵本を作ったことがきっかけとなり、絵本作家・イラストレーターとして活躍。1980年没。主な作品に『ロバのロバちゃん』(偕成社)、『しろいゆき あかるいゆき』(BL出版)、「ごきげんなライオン」シリーズ、「がちょうのペチューニア」シリーズなど多数。
この書籍を作った人
神戸生まれ。公益財団法人東京子ども図書館理事長。大社玲子氏との仕事に「みしのたくかにと」(福音館書店)、「なぞなぞのすきな女の子」(学研)などがある。絵本、創作、翻訳作品などロングセラーの著書多数
出版社からの内容紹介
カフェのかべにいちまいのポスターがはってありました。
なな、なんと、きりかぶむらでバンドコンテストが ひらかれるというのです。こうしてはいられません!
おんがくが だいすきな ボンゾはなかまのところへ すっとんでいきました。
きりかぶむらは「ドカドカドンドン!」おおさわぎ!
この書籍を作った人
1961年、京都府舞鶴市生まれ。絵本に、『きいているかい オルタ』『えかきむしのきもち』(ともに、童心社)、『デデとひこうき』(文研出版)、『ピオポのバスりょこう』(岩崎書店)、『きみの家にも牛がいる』『おこのみやき』『あつくて あつくて』(以上、解放出版社)などがある。