世界26か国の食べものを紹介した、楽しい大判絵本!
絵本紹介
2023.06.14
ひらがなに、カタカナ、アルファベットに時計の読み方。子どもたちは覚えることがいっぱいです。そして文字を覚えるのに役立つ教材や知育玩具がたくさん発売されています。もちろん、絵本も文字を覚えるのにピッタリなツールのひとつです。せっかくなら「覚える」ことを難しい「学習」にせず、楽しく絵本を読んでいるうちに気づいたら言葉が身についている「楽習」にしませんか?
これから文字を覚えるお子さんにピッタリの親子で一緒に楽しみながら文字の知識が身につく絵本をご紹介します。
みどころ
ことばに興味が出てきたら、「あいうえお」を覚えたい!となりますよね。ひらがなは日本語の基本。やはり楽しく正しく学びたいものです。こちらは、子どもたちが大好きな食べものをきっかけに、自然とひらがなに触れられる絵本です。
ページを開くと、見開きの右側に大きくアイスクリームのイラストが。そこに「あまくてつめたい あいすくりーむ ああおいしい」と、リズムカルでうれしい言葉が添えられています。左側には大きく美しい「あ」の文字が。下には書き順も示されているので正しく文字をなぞることができます。
いちご、うどん、えだまめ、オムライス……。次々と現れる、おいしそうな食べ物たち。あいうえお順におでんの「ん」まで、ずらっとごちそうが並びます。
作者はこれまでも『いかりのギョーザ』(佼成出版社)や『じごくのラーメンや』(教育画劇)など、ユニークな食べ物絵本も数多く出版している苅田澄子さん。「おいしそう&癒される」をテーマにした食べ物のイラストが好評の、フードイラストレーターいわさきまゆこさんとタッグを組みました。
好きなものから自然とひらがなに触れられるというのは、とても素敵なことですよね。そして何より、食欲をそそる優しいタッチのイラストは、食べもの絵本としても秀逸。眺めているだけで幸せな気分になれますよ。ひらがなを覚えたいお子さんはもちろん、まだ文字の読めない小さい子から、くいしんぼうの大人まで、幅広く楽しめる一冊です。
この書籍を作った人
埼玉県生まれ。出版社勤務の後、フリーで編集をしながら小沢正氏に師事。絵本に『いかりのギョーザ』(佼成出版社)、『ゆでたまごひめ』(教育画劇)、『えだまめきょうだい』(アリス館)、『かさじおやぶん いっけんらくちゃく』(小学館)、「どろろんびょういん」シリーズ(金の星社)などがある。
みどころ
ABCityはたべものでできた街。引っ越しすることになった男の子と女の子が、りんご鉄道に乗って、ABCityの玄関口「Apple駅」に到着。さあ探検の始まりです!
「Bananaスキー場」は、雪がなくても一年中すべることができるバナナでできたスキー場。バナナスノボも人気です。スキーもスノボもバナナの皮でできているんだって!さっそく滑ってみましょう。
次に甘い匂いにつられてやってきたのは「Cakeデパート」。化粧品も、服も、家具も、おもちゃも、みんなケーキでできています。夢のようなデパートに、テンション急上昇! デパート内をぐるぐる探索したくなりますね。
食べ物で作られた空想都市を、AからZまで、アルファベット順に探検していくおはなし。「次のアルファベットはどんな食べ物だろう?」「どんな建物かな?」とワクワクしながらページをめくり続ければ、時間を忘れてしまいまいそう。細かく描きこまれたイラストには、たくさんのお楽しみが散りばめられています。きっと読むたびに新しい発見がありますよ。
作者は現役美大生であり、絵本作家、イラストレーターとしても活躍中のこたさん。著書『わくわく科学ずかん 古生代水族館』(大泉書店)ほか、空想の都市や海の生き物のイラストを多く手がける、大注目の画家さんです。本作は制作期間2年! なんと100ページ越えの超大作です。子どもも大人も夢中になること間違いなし。世界で一番おいしそうな街を、ぜひ皆さんも堪能してくださいね。
みどころ
街中がどこもかしこもひらがなだらけの「ひらがなちょう」と、カタカナでいっぱいの「カタカナマチ」。
ふたつの街の町長さんは、ずーっと張り合ってきました。
「ひらがなちょうこそ、いちばんだ!」
「カタカナマチこそ、ナンバーワン!」
どちらが一番か、そろそろ決着をつけようと、町長さんたちはそれぞれの街を見学することにしたのです。
八百屋さん、魚屋さん、花屋さん。ベーカリー、メガネショップ、ゲームセンター。
あらゆるモノ、コト、暮らす人たちまで(!)、ひらがな、カタカナだらけのそれぞれの街。ひらがなちょうは親しみやすくて元気いっぱい、カタカナマチはさりげなくオシャレでパーフェクト。
初めてお互いの街を歩き、その魅力を感じた町長さんたちは、それぞれ伝えずにはいられませんでした。
「たしかに ステキな マチですね」
「わがまちの つぎに すばらしい」
負けず嫌い、価値観も違うライバル同士の町長さんたち。決着をつけるためとはいえ、まずはお互いの街を見る、知ることから始めたのがよかったみたいです。
さらにそれぞれ街の自慢、イチオシのおいしいものを交換してひと口いただいてみたら……もう!2人ともひらめいちゃいました、ナイスなアイデア!
おはなしを書いたたかはしゆいさんと絵を担当したたかはしのぞみさんは姉妹。この絵本がふたりの初の共同作品となりました。構想から私たちの手元に届くまでの3年間、イラストは何度も練り直しを繰り返してきたのだそうです。
登場する人々やものに描かれた丁寧なしかけ、見返しも含めて、子どもたちは目を凝らして楽しんでくれるんだろうなぁと思います。そしてふたつの街が協力して生み出したすばらしくてステキなあれこれは、眺めているだけで幸せ気分になっちゃいます!
この書籍を作った人
1938年、イギリスのサフォーク州生まれ。夫のジョン・バーニンガムの影響で絵本や挿絵の仕事をはじめる。『3びきのかわいいオオカミ』『トムとヒッポがほんをよむ』(リブロポート)、『しごと』『あそび』『したく』『ともだち』『かぞく』(以上、文化出版局)などの作品がある。
この書籍を作った人
1928年アメリカ ニューヨーク生まれ。アート・スチューデンツ・リーグに学ぶ。『かいじゅうたちのいるところ』(冨山房)でコールデコット賞を受賞、その他『まよなかのだいどころ』『まどのそとのそのまたむこう』(冨山房)、『ロージーちゃんのひみつ』(偕成社)、『そんなときなんていう?』(岩波書店刊)、『くつがあったらなにをする?』(福音館書店刊)、『ミリー』(ほるぷ出版)他多数の作品がある。国際アンデルセン賞、ローラ・インガルス・ワイルダー賞、アストリッド・リンドグレーン記念文学賞などを受賞。