のりもの好きな子大集合!
あなたはよつばを見つけたこと、ある? よつばのひみつのお話、こっそり教えてあげる。毎月発売される新作絵本の中から、絵本ナビが自信をもっておすすめする「NEXTプラチナブック」。今回ご紹介する絵本は、『よつばのおはなし』。きっと、そのまんまの自分を好きになれるはず。どんなお話なのでしょう?
NEXTプラチナブックとは…?
絵本ナビに寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。
そして、毎月発売される新作絵本の中からも、注目作品を選びたい! そんな方におすすめするのが「NEXTプラチナブック」です。3か月に一度選書会議を行い、「次のプラチナブック」として編集長の磯崎が自信を持って推薦する作品を「NEXTプラチナブックメダル」の目印をつけてご案内します。
みどころ
あなたはよつばを見つけたこと、ある?
もんしろちょうから聞いたよつばのひみつのお話、こっそり教えてあげる。
「あれ? きみの はっぱは ぼくと ちがうみたい」
「あたしたち、みんな さんまいよ」
みんなと違うからと、ひとりぼっちになってしまったよつばの子。でも、よつばの子は自分ではよくわからない。そんなある日、もんしろちょうがふわりとやってきて、言います。
「あら、あなたの はっぱ、かわいい。おはなみたい」
水たまりにうつった自分の姿を見たよつばの子は、(ああ、とっても かわいい)と心から思い、嬉しくなったのです。よつばの子にはあたたかな笑顔が浮かんでいます。すると、ふしぎなことが起こります。よつばの子のまわりには、友だちがどんどん集まってきて……。
よつばを見つけるのが得意な女の子を通して語られるのは、もんしろちょうから聞いた、しろつめくさのふんわり優しい「ひみつの」お話。
「わたし、このよつばが すき。」
よつばの子の気づきをきっかけに、他の子にもだんだん自分の不安が見えてきて、それでも少しずつ自分が好きになっていくのです。
作者のかとうまふみさんが描く舞台は、淡い色彩ではかなげな雰囲気に包まれたしろつめくさの原っぱ。けれど、そこはいつも笑顔でいっぱいです。地面に生えているしろつめくさの葉っぱを眺めながら、私たちはいつでもその話を思い出すことができるのです。
耳を傾けてみれば……
一面に生えている青々としたしろつめくさの葉っぱ。普段なにげなく眺めていたけれど、このお話を読んだ後に見ると、途端に物語が浮かびあがってくるようです。小さい葉っぱ、色の薄い葉っぱ、折れまがった葉っぱ、そしてよつ葉! それぞれが「わたしを見て、わたしの話をきいて」と言っているみたい。たまには、じっくりのんびり耳を傾けてみるのもいいですよね。しろつめくさも、きっと喜んでくれるはずです。
この書籍を作った人
福井県生まれ。北海道教育大学卒業。札幌でディスプレイデザインなどの仕事をして、28歳であとさき塾をきっかけに上京。大好きな池波正太郎の通った老舗蕎麦屋「神田まつや」でアルバイトをしながら、絵本を学ぶ。主な絵本に『ぎょうざのひ』『えんぴつのおすもう』『ぜったいわけてあげないからね』(偕成社)、『のりののりこさん』『けしゴムのゴムタとゴムゾー』(BL出版)、『まんまるいけのおつきみ』『おならおばけ』(講談社)、『しゃもじいさん』『ぬかどこすけ!』(あかね書店)、『まあちゃんとりすのふゆじたく』(アリス館)、『かたつむりくん』(風濤社)、『おにぎりのひみつ』(フレーベル館)、『おもちのかみさま』(佼成出版)、『おとうさんのこわいはなし』(岩崎書店)など。挿絵の仕事に『どろろんせんせい』シリーズ(作:苅田澄子)(鈴木書店)などがある。陶芸、畑仕事が趣味。札幌市在住。
磯崎 園子(いそざき そのこ)
絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長。著書に『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』(ほるぷ出版)、『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)、監修に『父母&保育園の先生おすすめの赤ちゃん絵本200冊』『父母&保育園の先生おすすめのシリーズ絵本200冊』(玄光社)がある。