のりもの好きな子大集合!
絵本紹介
2023.08.21
「お祭」その響きだけでもうウズウズ、ワクワクしちゃうのはどうしてでしょう!
慣れない浴衣でちょっとおめかし。初めてのおこづかいで挑戦する金魚すくいやヨーヨー釣り。わたあめ、かき氷、りんご飴、ソースの香りがたまらないお好み焼きにたこ焼き。心も体もかきたてるお囃子のリズム。ちょうちんの灯りにぼんやり照らされる夜の境内の幻想的な雰囲気……。
おいしくて楽しくて、ドキドキしてちょっと背伸びして。お祭りでしか味わえない特別な体験は、子どもも大人も脳裏に刻まれているような気がします。
ページを開けば、そんなお祭の風景がパッと目の前に広がる絵本が集まりました。 おはなしの中のひとコマに自分の思い出を重ねてみたり、体験したことのないお祭に想像をふくらませてみたり。
お祭に行った人も、まだ行っていない人も。やっぱりお祭っていいなぁ……そんな体験をどうぞ!
出版社からの内容紹介
きょうはおまつり。ずらっと並んだ屋台にわくわくどきどき。お店の人かけ声に誘われて、たい焼き屋台を見たり、りんごあめ屋台を見たり…。屋台のおやつ、何を食べようかな? おまつりに行った気分で、いろいろな屋台と屋台のおやつを楽しめる絵本です。
この書籍を作った人
兵庫県神戸市生まれ。京都市立芸術大学日本画専攻を卒業。神戸市社会福祉協議会児童館に26年勤務した後、LUNLUN工房を立ち上げ、色鉛筆画教室や造形講師をつとめるなど活動中。ギャラリーVie絵話絵本研究科で絵本創作を学ぶ。「ケーキになあれ!」(BL出版)が単行本としてのデビュー作。兵庫県明石市在住。
出版社からの内容紹介
ちょうちんおばけのチョウちゃんは、夏休みにおじいちゃんのいる、むこうやまのおばけでらへ遊びに行くことに。おにぎり持って、スイカも持って、さあ出発! すると、おばけでらでは、おばけのなつまつりの真っ最中。ドロロン、ドロロン、ドロロンロン。ドロンおんどにあわせて、みんな楽しく朝までいっぱい踊ります!
この書籍を作った人
絵本作家。絵本創作に紙芝居、イラストレーションなどの創作の仕事やエッセイや翻訳も。代表的な作品に「とうさんかあさん」(石風社/絵本日本賞文部大臣賞受賞)「おかあさんがおかあさんになった日」(童心社/サンケイ児童出版文化賞受賞)、「せとうちたいこさん・デパートいきタイ」(童心社/日本絵本賞受賞)、紙芝居に「ねこのたいそう」(童心社)など。
みどころ
ひゃ〜ひゃりほ〜♪ 笛の音とともにやってきて、こちらに背を向けて立っているのは一体だれ? 頭に頭巾をかぶり、なんだか不思議な服を着て、ゆっくり振り返る。
「ねえねえ、そこのきみ……。
こんなかお、できる〜?」
わわ、なんて顔! 口はすぼめてひん曲がり、目の大きさも全然違って、鼻の穴は大開き。その迫力に圧倒されていると彼は言うのです。
「おいら、ひょっとこ。
おいらの真似、できたかな? どんどんいくよー!」
ひょっとこ? 驚いているヒマはありません。ニカッと笑ったかと思えば、舌をべろーんと出して、ほっぺを膨らませたり、歯をむき出してみたり。ま、まって、こんなの真似できるわけが……あ、隣の子は真似してる。じゃ、じゃあ私もちょっとだけ鼻の穴を広げてみたりして。
「こんなこと、できる?」
ひょっとこからの絡みは止まりません。今度はすっごく変なポーズを見せてきます。仕方ない、隣の子と一緒に組んで、よっ!
いつもとびっきり明るい絵本を届けてくれるザ・キャビンカンパニーさんの最新作の主人公は、なんと「ひょっとこ」。絵が強いです。顔が強いです。画面から押し寄せてくるパワーに大人は負けてしまいそうです。だけどもしかしたら、子どもたちにはこのくらいがちょうどいい! とまどったり、笑ったり、恥ずかしがったり、ノリノリだったりするうちに、一緒に汗をかいて終わってみればちょっと心が晴れている。これが笑いの神様か…。お祭りで実際にひょっとこに出会ったことがある人も、初めて見るよという人も、実はちょっと怖いと思っていた人も。絵本を読んでいるうちに、彼らの存在の意味を実感してしまうのです。
さあ、読むときは。大人も子どもも気合いを入れてくださいね!
この書籍を作った人
阿部健太朗と吉岡紗希による二人組の絵本作家。ともに1989 年大分県生まれ。由布市の廃校となった小学校をアトリエに改装し、制作拠点としている。第7回日本童画大賞準優秀賞受賞。デビュー作『だいおういかのいかたろう』(鈴木出版)で第20 回日本絵本賞読者賞受賞。作品に『よるです』『ハテナはかせのへんてこいきものずかん』(偕成社)『ほこほこのがっこう』『にょっ!』『ゆびさしちゃん』(小学館)『はみがきあわこちゃん』『ケチャップれっしゃ』『くつしたしろくん』(鈴木出版)『ひげらっぱ』(ひさかたチャイルド)『しんごうきピコリ』(あかね書房)『ねむれないおうさま』(B・エルキン原作 小宮由訳/瑞雲舎)『おかしな?ハロウィン』(ほるぷ出版)
みどころ
しゅんの村の子どもたちは、夏祭りが近づくと、
盆踊りで披露する太鼓の練習をします。
でも、しゅんは何度やっても、リズムが遅れてしまい、
みんなとうまく合わせることができません。
練習の帰り道、しゅんが
「ドンドンドン カラカッタ ドドンガドン」と
口真似で太鼓の練習をしていると、後ろからしゅんの太鼓をまねる声が……。
振り向くと、なんと、そこにいたのはキツネ。
キツネは「おめえ、太鼓へたくそだなぁ!」と、
しゅんに太鼓の打ち方を教えてくれました。
次の日はうさぎが、その次の日にはクマとタヌキが
しゅんに太鼓の打ち方を教えてくれるようになりました。
動物たちのおかげで、太鼓の練習が楽しくなってきたしゅん。
やがてやってきた、夏祭り当日。
しゅんの太鼓は上達しているのでしょうか……?
太鼓が下手で、動物たちのおかげで、だんだんと上達していくしゅんは、
まるで、「セロ弾きのゴーシュ」のよう。
苦手なものを克服していくしゅんの姿に、
子どもたちも一生懸命練習を重ねることの大切さを感じることでしょう。
高部晴市さんの描く、子どもたちの姿、祭りの雰囲気は、
どこか懐かしく、子どもの頃を思い出させてくれます。
しゅんの太鼓に合わせて、みんなで踊る迫力満点のラストは必見です。
この書籍を作った人
1950年、東京生まれ。2001年スロヴァキア世界絵本原画展金のりんご賞受賞。主な作品に『やまのじぞうさん』(架空社)、『きんぎょのかいすいよく』(フレーベル館)、『うちのとうちゃんうちのねこ』(岩崎書店)、『サーカス』(講談社)、『たこちゃん』(さんこう社)、『トロトロトローリ』(教育画劇)、『おひさん』(くもん出版)などがある。
出版社からの内容紹介
神社って、何のためにあるの?鳥居って?手水を取るって?拝礼の作法は?どうして神輿をかつぐの?巫女は何をする人?神社にあるものは、一つ一つ意味がある。昔から伝わる日本の伝統文化を知る絵本。
文:竹原雅子 編集:木村春子