世界26か国の食べものを紹介した、楽しい大判絵本!
絵本紹介
2023.08.22
トマト、キュウリにナス、ピーマン、カボチャにトウモロコシ。そうそう、スイカも野菜の仲間。
太陽の光をたっぷり浴びて、ツヤツヤまるまるしたその姿がまぶしい夏野菜。たくさん汗をかく夏は、水分を補い、体の熱を下げてくれる夏野菜が夏バテ予防の強い味方です。
大人としてはいっぱい食べたい、食べてもらいたいけれど、子どもはやっぱり苦手な野菜もありますよね。夏野菜のいいところは、家庭や園・学校でも育てやすい種類が多いこと。実がなるまでをじっくり観察したり、自分で収穫して採れたてを味見してみたり。みずみずしい野菜は目が覚めるほどおいしい! 夏は、野菜を身近に感じられる体験をぜひしてみてください。
夏野菜をテーマにしたいろいろな絵本も、きっとヒントになることでしょう。観察したり、育ててみたり、料理をしてみたり。じっくり眺めて絵に描いてみるのも楽しそう。生命力あふれる夏野菜と仲良くなって、暑い夏を元気に乗り切っていきましょう!
出版社からの内容紹介
おじいちゃんの畑であま〜く育ったすいか。うららちゃんとだいちくんの兄弟や動物たちがおもいっきりかぶりつく。その味は……もちろん、最高! 一気に食べたら、みんなすいかになっちゃた!? すいかのおいしさを、色彩豊かな絵と「すいか」の折り句(各句の初めに物の名前を一字ずつ読み込んだ言葉遊び)でリズミカルに表現。思わずすいかが食べたくなっちゃいます。読み聞かせにもピッタリ。
この書籍を作った人
1953年愛媛県生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒業。3年間のフランス滞在を経て、絵本作家、翻訳家として活躍中。『なぞなぞのたび』(フレーベル館)でボローニャ児童図書展絵本賞、『あしたうちにねこがくるの』(講談社)で日本絵本賞、『あしたのあたしはあたらしいあたし』(理論社)で三越左千夫少年詩賞を受賞。訳書に『リサとガスパール』シリーズ(ブロンズ新社)他多数。
この書籍を作った人
1955年、岐阜県生まれ。創作絵本をはじめ、ワイルドライフアート、オリジナルグッズなどで独自の世界を展開する、自然派アーティスト。「ピンクとスノーじいさん」(徳間書店)、「プレゼント」(BL出版)、「ようこそ森へ」(徳間書店)で、ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞受賞、「ピンク!パール!」(徳間書店)で、ブラティスラヴァ世界絵本原画展金牌、「なつのいけ」(ひかりのくに)で日本絵本賞大賞、「999ひきのきょうだいのおひっこし」(ひさかたチャイルド)が2012ドイツ児童文学賞にノミネートなど国内外で高く評価されている。主な作品に「星空キャンプ」(講談社)、「さかなつりにいこう!」(理論社)、「石のきもち」「くじらのバース」(ひさかたチャイルド)、新刊「どろんこ!どろんこ!」(講談社)など多数ある。伊豆高原と石垣島に、村上康成絵本ギャラリーがある。
みどころ
赤くて丸くて、ぴかピカのトマト。ヘタ周りの青さもみずみずしい大きなトマトに魅了されて次へページをめくると……。びっくり! ちっちゃな茶色っぽい種が、真っ白いページの中央にちょこんと描かれています(これが、本物の種の大きさ)。
「こんなに ちいさな たねが、どのようにして トマトの みに なるのでしょうか?」
種を蒔くと、その種は地中でグングン根と芽を伸ばし、やがて地面に顔を出す。小さな双葉から、ギザギザした葉が出て、どんどん大きくなって……。黄色い花が咲き、青い実になり、赤く染まった中にまたたくさんのつぶつぶの種が見えるまで。トマトができていく様子がよくわかる絵本です。
作者の荒井真紀さんは、繊細で美しい植物の絵に定評のある絵本作家さん。『たんぽぽ』(金の星社)で2017年度ブラティスラヴァ世界絵本原画展、金のりんご賞を受賞しています。
本書も、茎やヘタに生えた白い産毛のようなものまで描かれる緻密さは圧巻。最後に登場するトマト料理もとってもおいしそう!
春から初夏にかけて園芸店やホームセンターで見かけるトマトの苗。実際に育てて、収穫して食べることができたら、子どもには忘れられない経験になるかもしれませんね。
親子で絵本を見ながら、スーパーのトマトがどのようにできたのか、おしゃべりしつつ想像するも良し、実際に育ててみるのも良し。幼い子の視点を広げてくれる植物観察絵本です。
出版社からの内容紹介
おほしさまみたいな きいろい はな。ラッパみたいな はな。
やさいのはなだよ、なんのはな?
いつも たべている やさいは、どの「ぶぶん」を たべている?
かがくのめでみると、ふしぎがいっぱい!
知る たのしさにであえる クイズ形式の認識えほん。
★3、4歳の子どもたちの知的好奇心を「高めて」「育てる」科学絵本シリーズ
科学って、おもしろい!〈かがくすっ〉は3、4歳から理解でき、楽しめる科学絵本シリーズです。
身のまわりのさまざまな現象にふれ、驚きや疑問を持ちはじめる子どもたち。その「なぜ?どうして?」にこたえます。しかも「楽しく!」。
子どもたちに芽生えた知的好奇心や感性をだいじに育てながら、つい「くすっ」と笑ってしまうような科学のおもしろさを伝えます。
出版社からの内容紹介
強い陽射しを浴びた夏の畑を舞台にしたカルちゃんエルくんが「あつい、あつい」。すると ピカッ ゴロゴロ ザザー、夕立の後には涼しい風が・・・ 。
この書籍を作った人
1939年東京生まれ。東京芸術大学工芸科卒。主な作品に『14ひきのあさごはん』(絵本にっぽん賞)など「14ひきのシリーズ」、エリック・カールとの合作絵本『どこへいくの?To See My Friend!』(童心社/アメリカ、ペアレンツチョイス賞)、『ひとりぼっちのさいしゅうれっしゃ』(偕成社/サンケイ児童出版文化賞)、『かんがえるカエルくん』(福音館書店/講談社出版文化賞絵本賞)、「トガリ山のぼうけん」シリーズ、「ゆうひの丘のなかま」シリーズ(理論社)などがある。98年栃木県馬頭町(現・那珂川町)に「いわむらかずお絵本の丘美術館」を開館、絵本・自然・こどもをテーマに活動を続けている。栃木県益子町在住。
みどころ
かばのポポと仲間たちがくりひろげる楽しいお話、「ポポくん」シリーズ。
『ポポくんのミックスジュース』『ポポくんのおんがくかい』に続く、第3弾のお話は・・・?
朝からせっせと働く、かばのポポと仲間たち。「みんなのはたけ」と看板を立て、野菜を育てています。
「きのうより はっぱが ふえてるよ」「うんと うんと おおきくなーれ」水をあげて雑草をぬいて、大忙しです。
いよいよ明日は収穫という夜。流れ星に「ぼくのかぼちゃが おーきくなりますように!」とお願いしたポポのかぼちゃは、翌朝、見たこともないくらい大きくなっていました!
わいわい仲間が話していると、あれ、かぼちゃのてっぺんに、手紙がついた赤い風船がひとつ、くっついている!と気づきます。手紙をあけると、地図と『ふうせんのきのおかにすんでいます。あそびにきてください』の文字。
「風船の木」って何でしょう。手紙を風船につけて飛ばしたのは、だれ?
とれたての野菜を荷車にのせ、もちろん大きなかぼちゃものせて、みんなで「風船の木」をめざします。ゴロン、ゴロリン。
到着した「風船の木」に住むだれかさんと、おなかがすいたポポたちみんなで、楽しいカレー作りのはじまりです!
「大きなかぼちゃ」「カレー」「風船のお手紙」と、子どもがわくわくするものが3拍子そろった、贅沢なお話。
さいごまで立派に役割を果たしたポポのかぼちゃ、お腹いっぱいになったみんなが眠る丘、そして、いちばん最後にたずねてきた生き物の存在まで・・・。ほっこりして笑顔になれる場面がたっぷりの絵本です。
この書籍を作った人
ふくだとしお(toto) 1971年大阪生まれ。ふくだあきこ(acco) 1978年宝塚生まれ。accototoのユニットで絵本、絵画、壁画など様々な作品を手掛けている。また、動物をモチーフとしたタオルや陶器など子ども向けの雑貨も展開している。絵本の作品に、「うしろにいるのだあれ」シリーズ(幻冬舎)、『とんでいったりんご』『ピネくんとさかなのおうち』(学習研究社)、『ぴっちゃんぽっちゃん』『きょうのそらはどんなそら』(大日本図書)、『ほら、そっくり』(教育画劇)など多数がある。
みどころ
あたたかで細やかな筆致で、野菜畑の一年が描かれた大型絵本。
夏休みにいなかのおじいちゃんのうちへ行ったソフィーは、専用の小さな畑と、手にぴったりの大きさの道具をそろえてもらっておおよろこび。おじいちゃんの畑でたくさんの野菜に出会います。
「今夜は、花を食べようか」と言われて知ったのは、カリフラワー、アーティーチョーク、ブロッコリーがどれも、花がさくまえのつぼみを食べていたんだってこと。おじいちゃんの「手押しタクシー」(手押しの一輪車)に、カボチャやメロンと一緒に乗ったソフィーは、畑のあちこちを見て感嘆の声をあげます。
「やさいって、土の中にできるものもあれば、土の上にできるものもあるのね。おもしろいなあ!」
いろんなことを発見しおじいちゃんから学んだソフィーは、その後、秋の畑、冬の畑も、おじいちゃんのてつだいのために訪れ、道具を物置にしまって、春まで眠りにつく畑にお別れをいいます。
さみしくなってしまうソフィーに、おじいちゃんがくれたプレゼントとは?
「春になるまであけちゃだめだよ」だって・・・なんだろう?
四季をとおして野菜はどんなふうにできるのか、私たちが食べているのはどの部分なのか。畑を訪れる虫やたくさんの生き物たちは、どこで何をしているのか。読めば発見がたくさんあります。
なにより絵がおしゃれで美しく、野菜づくりや畑の様子が描かれているので、子どもそっちのけで夢中になる大人もいそうですよ。
日本にはあまりない、料理でなじみが出てきた西洋野菜が出てくるのもお楽しみ。
巻末にはいくつかの野菜の世界地図、さくいんもあって読みごたえたっぷり。
きわめつけはこの絵本、ゲルダ・ミューラーが87歳のときに描いた作品だというのですから・・・!
きっと作者である彼女も畑作りの名人なんじゃないかしらと想像したくなる、畑へのみずみずしい愛にあふれた絵本です。
この書籍を作った人
1926年、オランダ生まれ。アムステルダムのデザイン学校を卒業後、ロジャンコフスキーに憧れ、パリに移る。20代から現在に至るまで、精力的に絵を描きつづけている。おもな作品に『ソフィーのやさいばたけ』(BL出版)、『3びきのくま』(評論社)など。
この書籍を作った人
1970年、埼玉県生まれ。フランス語、英語の児童書を翻訳しながら、ときどきエッセイも書く。主な翻訳に『トラの じゅうたんに なりたかったトラ』(岩波書店)、『どうぶつに ふくを きせては いけません』(朔北社)、『うんちっち』(あすなろ書房)、『わにの なみだは うそなき なみだ』、『ふるい せんろの かたすみで』(ともにロクリン社)など。海外作家との交流も多く、「日本の神話えほん」シリーズ(岩ア書店)では文を担当し、フランスの画家ポール・コックスと共同制作をした。登山と温泉が好き。
文:竹原雅子 編集:木村春子