箱のなかにはいっているのは?!
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絵本紹介
2023.09.21
子どもの頃に見ていた月。
いつもニコニコと笑っているようで、おいしそうなまんまる姿におだんごを連想して、住民のうさぎたちがどんなもちつき大会をしているのか気になっていました。
大人になって眺める月。
長かった一日の終わりに見上げればいろいろな感情が浄化されて、包み込むような光にあんな存在になりたいと憧れて、満ち欠けのサイクルに宇宙の神秘を感じて。
小さな頃から変わらない印象もあれば、大人になって知った月の表情もあるのですが、みなさんはいかがでしょうか。世界中の人たちひとりひとりに、それぞれの月への思いを聞いてみたくなります。
きっと誰にとっても、私だけの「月」がある。そう思わせてくれる、絵本の顔ぶれです。書き手、描き手の作家さんたちによって月は表情さまざまで、これまで出会ったことのない姿に出会えることでしょう。 月をより身近に感じるこの季節、月明かりに照らされながら、絵本を開いてみませんか。
出版社からの内容紹介
大人気のシリーズ第3弾。
なんと今回は、魔術で空の月をカバンの中に入れてしまったムッシュ・ムニエル。その上、ふたごのはかせにその大切なカバンをとられてしまいます。さあ、たいへん!
どきどきさせる展開は、ムッシュ・ムニエルの得意わざ。
この書籍を作った人
1946年神戸市生まれ。絵本に『やっぱりおおかみ』『まじょのかんづめ』『おばけがぞろぞろ』『くりんくりんごーごー』(以上福音館書店)、『変なお茶会』『ピンクのぞうをしらないか』『はいいろこくのはいいろひめさま』『ムッシュ・ムニエル』シリーズ(以上絵本館)、『やまからきたペンギン』(フレーベル館)『ねむいねむいねずみ』シリーズ(PHP研究所)、『おばけのばむけ』(教育画劇)など。童話に『なぞなぞライオン』『おれはレオ』(以上理論社)などがある。
みどころ
夜は、子どもにとって、どんな存在なのでしょうか。
真っ暗で、何も見えなくて、怖いもの。
その暗闇からおばけがやってくるんじゃないかって、恐ろしいもの。
もっともっと遊びたいのに寝なければならない、悔しいもの。
そんな風に、ネガティブなイメージが多いかもしれません。
この絵本は、子どもたちが寝静まった夜が舞台。
それもきっと、10時や11時ではなく、2時か3時くらいの真夜中です。
自分が寝ている間に、いろんなものたちが、お外ではなかよくしている。
例えば……
「つきよに ナマズとやなぎ なかよし」
「つきよに ゆうびんポストとじてんしゃ なかよし」
「つきよに チョウチョとせんろ なかよし」
各ページに1組ずつ、「つきよのなかよしたち」が登場します。
子どもにとって夜のイメージが大きく変わることになるかもしれません。
中にはきっとお子さんが知らないものも出てくるでしょう。
(灯篭、ドラム缶、灯台など……)
これって何?と興味を持ったお子さんには、「これはね……」と説明してあげてくださいね。
お子さんの新しい世界が広がるはずです。
そして、「チョウチョとせんろは、どうしてなかよしなのかなぁ?」などと、「なかよしの秘密」を親子で探ってみるのも楽しいかもしれません。
大胆に描かれた井上洋介さんの絵もまた魅力のひとつ。お母さん、お父さん世代には、『くまの子ウーフ』の絵が、なじみ深いのでは?
じんわりした絵の具のにじみの中に、真夜中の静寂とどこか楽しげな逢瀬が、見事に表現されています。
この書籍を作った人
1931年東京都生まれ。第37回小学館絵画賞、第6回日本絵本大賞、第25回講談社出版文化賞受賞。画集に『木版東京百画府』(京都書院)、『電車画府』(パルコ出版)など。絵本に『まがればまがりみち』『あじのひらき』(福音館書店)、『でんしゃえほん』(ビリケン出版)、『あなぼこえほん』(フレーベル館)、『ぼうし』(イースト・プレス)、『ぶらぶらどうぶつえん』『わっ』『やまのばんさんかい』(小峰書店)など多数。漫画、イラストレーション、本の挿絵など、幅広く活躍。多彩な仕事を紹介した『井上洋介図鑑』(河出書房新社)がある。
出版社からの内容紹介
復刊リクエスト急上昇!!
多くの皆様からのリクエストに応え、『つきよにごようじん』がついに復刊決定!
谷山浩子さんが歌い、NHKみんなのうたでも放送された「まっくら森の歌」。
不思議な歌詞と、谷山さんの歌声に惹きつけられ、多くの人の心にいまでも残り続けている名曲です。
その世界観に近い絵本として、多くの方の記憶に残るのが、このたび復刊される『つきよにごようじん』です。
夜のパトロールに出かける森の番人。
雲間がくれの月あかり。
暗闇から何かがじっと見つめている。
昼間は愛らしかった動物たちが、夜には鋭い牙と爪を持ったモンスターに変身。
がさがさがさ……ひたひたひた……。
追うものと追われるもの……いつの間にやら追われるものが追うものに。
月夜にごようじん。
1987年6月に福武書店(現:ベネッセコーポレーション)より刊行され、その後は残念ながら長らく絶版になったままの状態が続いていました。
このたびの復刊化では、本作品の作画を担当し、この世界観の生みの親ともいえる絵本作家・本橋靖昭が所有する貴重な原画を丁寧にスキャンし、新たに版を起こします。
36年ぶりによみがえる、時代を超えて読み継がれる、とても不思議で印象的な世界。
ぜひ、ご家族でお楽しみにください。
みどころ
毎朝いっしょに起きて、いっしょに遊んで。背中にのせてお山のてっぺんに行き、魔法みたいな空を見て。ぎゅっとして、おはなすりすりして。今日もまた一日いっしょ。楽しかったね。さあ、だっこでねんね。
あなたは、だいじな宝物。この上なくたいせつで、小さなかわいい宝物。
「だいすきだよ。お月さまにとどくほど」
湖の向こうに昇る朝日。白く輝く山々に囲まれた草原。寝ころべば空にはオーロラが光り、夜になれば夜空に浮かびあがるまるい月。そんな美しい背景の中で描かれるのは、あふれる愛情に包まれる白くまの親子。絵を見てうっとりした気持ちになっていると、聞こえてくるのは心地よい優しい言葉の数々。絵本の中の親子と自分たちが重なっていくようです。
おやすみ前に過ごす「甘くて幸せな時間」。それが、子どもたちにとってどれだけ大切なものなのでしょう。絵本を読みながら積み重ねていってくださいね。手にとりやすいサイズ、丈夫なボードブック、英語の表記、嬉しいポイントも揃っています。
この書籍を作った人
神戸市生まれ。神戸女学院大学英文学科卒。おもに草花の絵を中心に1994年ごろから絵本作家として活動。著書に『野の花えほん』『いきもの図鑑えほん』(あすなろ書房)、『幸せの鍵が見つかる世界の美しいことば』(創元社)など。絵本に『くまのこポーロ』『おさんぽ』『おかいもの』(主婦の友社)、翻訳書に『翻訳できない世界のことば』(創元社)、『もしかしたら』『だいすきだよ おつきさまにとどくほど』(パイ・インターナショナル)などがある。ふだん着るものの多くを自分で縫うなど、縫い物が好き。近年、弓道を嗜む。京都市在住。
出版社からの内容紹介
「ねむくないもん」そういっていた女の子はおふとんにもぐりこみます。ふわふわ ふんわり おふとんとんねる。ふわふわ ふんわりくもみたい。とんねるを抜けると、お月さまが眠っていました。目をさましたお月さまが夜空の中で本をよみきかせすると……。心地よいリズムで展開されるおはなしに、パステルで丁寧に描かれたファンタジックな絵が寄り添った、おやすみ前のよみきかせにおすすめの絵本です。
出版社からの内容紹介
ドッテテドッテテ、ドッテテド ドッテテドッテテ、ドッテテド でんしんばしらが歩きだす。黄色い顔の電気総長がやってくる。恭一が遭遇した奇妙きてれつ不思議な夜---。宮沢賢治の生前に唯一出版された童話集「注文の多い料理店」に収録の、「鉄道線路で虹や月光からもらってきた」珠玉の一篇を、竹内通雅が力強く描く絵本。
この書籍を作った人
1896年岩手県花巻市に生まれる。盛岡高等農林学校農芸化学科卒業。十代の頃から短歌を書き始め、その後、農業研究家、農村指導者として活動しつつ文芸の道を志ざし、詩・童話へとその領域を広げながら創作を続けた。生前に刊行された詩集に『春と修羅』、童話集『注文の多い料理店』がある。彼の作品の殆どは没後に高く評価され多数の作品が刊行された。また、何度も全集が刊行された。1933年に37歳で病没。主な作品に『銀河鉄道の夜』『風の又三郎』『ポラーノの広場』『注文の多い料理店』『どんぐりと山猫』『よだかの星』『雪渡り』『やまなし』『セロひきのゴーシュ』他多数。
この書籍を作った人
1957年長野県生まれ。創形美術学校版画科卒。雑誌『イラストレーション』のコンペで第3回「ザ・チョイス年度賞」大賞受賞。39歳でイラストレーターから絵本作家へ。主な絵本の作品に、『走れメロス』(作・太宰治/ほるぷ出版)、『月夜のでんしんばしら』(作・宮沢賢治/三起商工)、『おどるカツオブシ』(文・森絵都/金の星社)、『じごくのさたもうでしだい』(文・もとしたいづみ/ひかりのくに)、『ぐるぐるぐるぽん』(文・加藤志異/文溪堂)、『ぶきゃぶきゃぶー』(文・内田麟太郎/絵本館)など多数。
出版社からの内容紹介
<つき>本人が語る、月と地球の科学絵本
45億年前、生まれたての地球に火星くらいの大きな「岩」がぶつかって、さあ大変! 地球の周りにちらばったものが集まって、月ができました。それ以来、ずっと地球のそばで、不思議な関係を保ちながらまわっている月。
そんな月と地球のひみつを<つき>本人がやさしく語る、宇宙科学の入門絵本です。
「夜空に明るくかがやくお月さま。
毎日、場所をかえながら、形も変わる不思議なお月さま。
実は、わたしたちがすむ地球にとっても、とても大切なんだ。
そんなお月さまについて、この本で学んでみよう!」
監修/国立天文台 渡部潤一教授
【編集担当からのおすすめ情報】
夜を明るくしてくれるだけでなく、海の満ち干をつくったり、地球の自転をちょうどよくゆっくりにしてくれたり。
45億年前から地球に寄り添いながら、大切な仕事をしてくれている<つき>のことを楽しく学べる、STEM教育にもぴったりの絵本です。
この書籍を作った人
1959年、北海道生まれ。国際基督教大学卒業後、児童書編集者を経て翻訳家に。北海道札幌市在住。訳書に、『ウエズレーの国』、『雪の結晶ノート』、「見習い幻獣学者ナセニエル・フラッドの冒険」シリーズ、『「死」の百科事典』(すべて、あすなろ書房)、「知識絵本 のはなし」シリーズ、「こちら動物のお医者さん」シリーズ(ともに、ほるぷ出版)、『あたまにつまった石ころが』(光村教育図書)、『マルセロ・イン・ザ・リアルワールド』(岩波書店)、『ゴハおじさんのゆかいなお話 エジプトの民話』(徳間書店)、『ピーティ』(鈴木出版)などがある。
みどころ
夜空に浮かぶお月様。毎日見上げていれば、その姿が日々変わっていくことに子どもも気がつきますよね。
新月に始まり、上弦の月、満月、そして明けの三日月まで。
ひとめぐり29日半の月の満ちかけの旅に出かけてましょう。
秋だと1時間、冬だと2時間という短さで沈んでしまう「三日月」を、昔の人は望みをかなえてくれる月として大切に崇めてきたのだそう。
満月が完璧な美しさを放つときははかない。世の中や人生と同じく、満ちていく直前の十三夜の月もまた、実に美しい。
19日目の月は「寝待月(ねまちづき)」。布団に入る時間まで昇ってこないから、寝ながら待つことにしたんだよ。
29日間の月にまつわるお話を読みながら、月明かりやその満ち欠けと深くつながっていた古代の人々のくらしに想像がふくらみます。
太陽を回る地球と月の関係や潮の満ち引き、日食や月食の不思議といった科学的な知識も、丁寧にわかりやすく解説されているんです。
「月のもようは、なにに見える?」日本ではうさぎがお餅をついている姿だといわれるけれど、「本を読むおばあさん」「吠えているライオン」・・・世界のほかの国々では全く違うものに映っているなんて、おもしろいですよね。
巻末には2021年までの月の満ちかけ表も付いています。
カレンダーも時計も便利だけれど、時には昔の人々のように月を見上げながら、この日この時をゆっくりと感じてみませんか。
文:竹原雅子 編集:木村春子