絵本紹介
2023.11.20
11月23日は、働く人々へ感謝の気持ちを示し、働くことに感謝する「勤労感謝の日」。この日はぜひ「おしごと絵本」を読んで、仕事への興味を育むきっかけにしてみてください。
一口に仕事と言ってもイメージが湧きにくいものですが、例えば『ゆうびんです ポストです』では、自分の書いたクリスマスカードや年賀状に当てはめて読むことで、ポストから相手の手元に届くまでに、たくさんの人たちと仕事が関わっていることに気づくでしょう。
また、お客さんの喜ぶ様子が元気をくれる『おみせやさん』や、汗を流した後に入るお風呂が最高に気持ちよさそうな『おむすびさんちのたうえのひ』など、「『働く』って、なんだか楽しそうだぞ?」と思ってもらえる絵本もご用意しました。自分はどんな仕事がしたいかな?を考えるきっかけになるキャリア教育の指南書『満点ゲットシリーズ せいかつプラス ちびまる子ちゃんの仕事の見つけかた』も、本棚に揃えておきたい一冊です。
ケーキ屋さん、靴職人、郵便屋さん、パン屋さんに、科学者まで。仕事の様子がよくわかり、働く人へ「ありがとう」の気持ちが自然と生まれるはず。お子さんの未来の仕事探しの種を蒔くような気持ちで、たくさんの「おしごと絵本」に触れてみてくださいね。
みどころ
こんたは働きもののケーキ屋さん。
ある日、お店の前にこんな看板を出します。
「あした スペシャルケーキを はつばいします。おたのしみに!」
さあ、いったいどんなケーキでしょう?
読んでいる私たちはわくわく。もちろん絵本の中の動物たちも!
ひつじさんの親子や、くまさん親子、りすちゃん、うさぎちゃん、きりんくん……。
みんなうれしそうな顔で「スペシャルケーキ、たのしみにしてるよ」と言いにきます。
その間に、こんたは1段目のスポンジにミルククリームをたっぷり塗って、2段目にチョコレートクリームをたっぷり塗って、3段目には……?
じつはこの絵本、穴あきしかけがいっぱいあるんです!
どこに穴があいているのか? ちょっと見たくらいじゃわかりません。
どんどんケーキができあがっていく様子を見ながら、指でさわって確かめてくださいね。
さて、動物たちみーんながあっと驚いて喜ぶ“スペシャルケーキ”って、どんなケーキだと思いますか?
答えは絵本を見てのおたのしみ!
こんたから仲間たちへの素敵なプレゼントですね。
作者・白土あつこさんのカラフルでかわいいケーキを見ると、真似したくなっちゃう。
出来上がったケーキを目にしたときの幸せな驚きや、ケーキを囲むうれしい時間が詰まっている絵本です。
この書籍を作った人
長野県生まれ。『よるざかな』で第11回小学館おひさま大賞優秀賞を受賞。主な作品に『このおもちゃ、もういらない!』(チャイルド本社)、『だめだめすいか』『はるじゃのばけつ』『おちばきょうそう』『はらぺこブブのおべんとう』(以上、ひさかたチャイルド)ほか。挿絵に『一円大王さま』(ひさかたチャイルド)がある。
出版社からの内容紹介
きのうもあめ。きょうもあめ。あそびにいけなくて、つまらない。でもぼくは、いいことをかんがえついた。おみせやさんをするんだ。ゆかに、ハンカチ 、コップ、クレヨン、はさみ、ボール……いろいろならべて、「いらっしゃい。いい もの うりますよ。だれにでも うりますよう。」
するとね、すずめがやってきて、「ハンカチ くださいな。ピチチ。」
つぎにやってきたのは?
おみせやさんにやってくるお客さまは、それぞれにちょっぴり不思議で個性的。雨の日の子どもの心情をみずみずしく描いた作品です。
1992年初版の『おみせやさん』の改訂新版。改訂新版よりあとがきが追加されています。
この書籍を作った人
1935年東京都生まれ。早稲田大学教育学部英語英文科卒業。日本福祉大学客員教授。1984年に路傍の石文学賞を受賞。「おおどろぼうブラブラ氏」(講談社)でサンケイ児童出版文化賞大賞、「魔女の宅急便」(福音館書店)で野間児童文芸賞と小学館文学賞を受賞。絵本に「ケンケンとびのけんちゃん」(あかね書房)、「ぼくびょうきじゃないよ」(福音館書店)、童話に「ちびねこチョビ」(あかね書房)など作品多数。
この書籍を作った人
1931 年大阪市生まれ。京都大学中退後、本格的に人形劇にうちこむ。人形劇団プーク・劇団人形座などで活動の後、古田足日と出会い、 子どもの本の仕事をはじめる。主な作品に『おしいれのぼうけん』、『ダンプえんちょうやっつけた』、『ゆうちゃんのゆうは?』『ひ・み・つ』(いずれも童心社)、『さっちゃんのまほうのて』、『ピカピカ』(いずれも偕成社)などロングセラー多数。
出版社からの内容紹介
ゴリラのとうちゃんは、森のおくでくつやをしている。みんながあるといいなと思うくつを作ってくれるので、いつもお客さんがいっぱい。チーターには早く走れるくつを、シロクマには氷の上でも冷たくないくつを、キリンには足が長く見えるくつを作り、みんなは笑顔に。それを見ていた息子のゴリラがうらやましくなって、自分のほしいくつをとうちゃんにお願いすると……。仕事を通して、父と息子の関係を描いた絵本です。
この書籍を作った人
1978年大阪府生まれ。金沢美術工芸大学日本画専攻卒業。20歳の時にボローニャ国際絵本原画展を見て、独学で絵本を作りはじめる。絵本「サルくんとお月さま」で絵本作家としてデビューしたのち、フランスの出版社Le petit lezard社より絵本「CACHE CACHE」をはじめ、日本だけでなくフランスやイタリアなどで数々の絵本を出版。以降絵本の世界にとどまらず、テレビ、雑誌、企業広告、商品パッケージ、店舗デザインなどあらゆるメディアで活躍の場を広げる。今後の活躍が最も期待されつつある、日本人絵本作家の1人。読んだ人が絵本の世界に入り込め、登場人物の想いや言葉が空間に浮かんでくるような絵本作りを心がけ、たとえ言葉が通じなくても、子どもから大人まで世界中の人びとに想いと感動が伝わるような絵本作りを目指している。
出版社からの内容紹介
のどかな田園風景が広がる、ほのぼのとした田植えの絵本。
今日はおむすびさんちの田植えです。朝ごはんを食べると、おむすびさんは稲を一輪車にのせて田んぼへと急ぎました。手伝ってくれる仲間のみんなはもう集まっていました。おむすび村の具のしゃけさん、たらこさん、おかかさんにうめぼしさん。それからおいなり村のおいなりさんに、のりまき村のほそまきさんとふとまきさんも手伝いにきてくれました。おいしいおむすびやおいなりができるようにと、みんなで植えていきました。せっせと植えていくうちにいつの間にやらお昼です。おむすびさんちの子供たちがお弁当をもってきてくれました。みんなでお昼を食べていると、遠くの方から「シャカシャカシャカ ズルズルズル」と、何やら音が聞こえてきました。それは、遅れていたすしねた村の田植え名人の足音でした。
おむすびさんとユニークな仲間のキャラクターが繰り広げる楽しい田植えの一日です。
この書籍を作った人
1955年東京生まれ。東京学芸大学卒。教諭として学校勤務のかたわら人形劇の活動や紙を使った造形作品を発表。2005年、『おもちのきもち』(第27回講談社絵本新人賞受賞作品)で絵本作家としてデビュー。子どもの目線に立ったテーマ選びと、ほのぼのとした画風が人気を集め、以来『もくもくやかん』(講談社)『おむすびさんのたうえのひ』(PHP研究所)、『だるまさんが』(ブロンズ新社)、『まくらのせんにん さんぽみちの巻』(佼成出版社)など話題作を多数発表。2009年9月急逝。
出版社からの内容紹介
「かこさとし◆しゃかいの本」シリーズ、復刊第5弾!
ポストに入れた手紙やはがきは、どうして遠くの宛先に届くの?
その不思議が、ちゃんとわかる絵本!
2017年に『だるまちゃん』50周年を迎えた、かこさとし。
そのかこ先生が、今から30年あまり前に描いた「かこさとし◆しゃかいの本」シリーズの1冊。昨年には同シリーズの『こどものとうひょう おとなのせんきょ』が大きな話題となりました。
今回の復刊シリーズの最終巻にあたる第5弾として復刊するのは、『ゆうびんです ポストです』。
通信手段が発達した現代でも、郵便の仕組みは基本的に変わっていません。子どもにとっては不思議なポスト。どうしてポストに投函した手紙やはがきは、遠くのおばあちゃん、おじいちゃんに届くのでしょう!? その不思議が、ちゃんとわかる絵本です。
何でもパソコンや携帯電話のメールで済ませられる時代。けれど心をこめて人が書いた手紙やはがきには、メールにはない温かさがあるはず。
この絵本を読めば、誰でも手書きの年賀状を出したくなることでしょう!
通りに立っている赤いポストは、子どもたちにとって、ふしぎなもののひとつです。この本は、そうしたふしぎな社会の通信連絡伝達手段をわかっていただくために試みたものです。
かこさとし
出版社からの内容紹介
モモンガさんが住む森では、このところいたずらがあちこちでおきています。
モモンガさんがみんなに配達した手紙には、「いたずらせいこう!」と書いてありました。差出人は、最近引っ越してきたワオキツネザル。
動物たちはみなで相談して、ワオキツネザルにいたずら返しを考えます!
この書籍を作った人
東京生まれ。絵本作家、漫画家。絵本に、「おおきなクマさんとちいさなヤマネくん」シリーズをはじめ、『ミミちゃんのぬいぐるみ』(以上福音館書店)、『おひるねネコさん』(佼成出版社)、『ぎょうれつのできるパンやさん』『むしのかくれんぼ いないよいないよいませんよ』(以上教育画劇)、『イノザブロウとあたらしいおともだち』(PHP研究所)、『のねずみチッチ』(のら書店)などがある。
出版社からの内容紹介
かこさとしの「パンやさん」は、『からすのパンやさん』だけではなかった!
うさぎとパンがいっぱいのかわいい絵本。楽しいパンやさんの一日をのぞいてみよう!
かこさとしのパンやさん絵本は、何といっても『からすのパンやさん』ですが、実は、他にもパンやさん絵本があったのです。
本書は、かこ先生が実際のパン屋さんに行き、取材を重ねたうえで描かれた作品。「からす」とは、また違った味わいのかわいい絵本です。
お話は、パン工場の朝から始まります。パンがどのように作られ、お店に並び、子どもたちの給食として届けられるのか。夜、パン工場が眠りにつくまでの一日が、楽しい絵で描かれています。読むだけで社会科見学に行ったみたいな気分が味わえる一冊です。
美味しいパンが食べたくなること間違いなし。もしかしたら自分で作ってみたくなっちゃうかも!?
そんな人は、この絵本を見ながら、是非お母さんやお父さんとパン作りにトライしてみてください。
※本書は、2004年・ベネッセコーポレーション刊『うさぎのパンやさんのいちにち』を再編集し、新装復刊するものです。
この書籍を作った人
加古里子1926(大正15)年福井県武生町(現・越前市)生まれ。1948年東京大学工学部卒業。工学博士。技術士。民間化学会社研究所に勤務しながら、セツルメント活動、児童文化活動に従事。1959年から出版活動にかかわり、1973年に勤務先を退社後、作家活動とともに、テレビニュースキャスター、東京大学、横浜国立大学などで児童文化、行動論の講師をつとめた。また、パキスタン、ラオス、ベトナム、オマーン、中国などで識字活動、障がい児教育、科学教育の実践指導などを行い、アメリカ、カナダ、台湾の現地補習校、幼稚園、日本人会で幼児教育、児童指導について講演実践を行った。『だるまちゃんとてんぐちゃん』『かわ』(福音館書店)、『からすのパンやさん』(偕成社)、『富士山大ばくはつ』(小峰書店)など、500冊以上の児童書の他、『伝承遊び考』(全4巻・小峰書店)など著書多数。土木学会著作賞、日本科学読物賞、児童福祉文化特別賞、菊池寛賞、日本化学会特別功労賞、神奈川文化賞、川崎市文化賞、日本児童文学学会特別賞、日本保育学会文献賞、越前市文化功労賞、東燃ゼネラル児童文化賞などを受賞。
出版社からの内容紹介
2023年ノーベル生理学・医学賞受賞者の伝記絵本!ハンガリーで生まれ育ったカタリンは、小さな細胞が集まって生き物の体ができていることを知ってびっくり。「科学者になりたい」と決心します。お母さんは言いました。「あなたがノーベル賞をもらうのを楽しみにしているわ」。
mRNAに注目してから40年間、カタリンはさまざまな困難にも負けずに研究を続け、ついにmRNAのワクチン利用に道をひらく方法を発見します。この大発見のおかげで、新型コロナウイルス感染症が世界で大流行したとき、すみやかにワクチンが作られ、多くの人びとを救ったのです。
カタリンのmRNA研究への挑戦は今も続いています
この書籍を作った人
小学校の元教師であり、学校司書。「ベイリースクールキッズの冒険」「マーメイドの物語」シリーズ(いずれも未邦訳)など200冊近くの本の著者であり、共著者。本書は初めての伝記絵本である。3人の子どもたちをはじめ、多くの情報源からインスピレーションを得ている。夫と2頭の保護犬とともにアメリカのテネシー州のログハウスに暮らしている。
この書籍を作った人
子どものころから絵を描くことが大好きで、さまざまな場所を旅したり住んだりして、多様な文化や風景を吸収してきた。本書を描くにあたり、パンデミックによる世界中の変化を目にして多大な影響を受けた。夫、子どもたち、猫、犬とともに美しいバーレーン王国に在住。
この書籍を作った人
1960年東京生まれ。猫好きサイエンス作家、理学博士。YES インターナショナルスクール校長。ZEN 大学(仮称、2025年開学予定)の教員に就任予定。主著に『99.9% は仮説』(光文社)、『宇宙のかけら』(青土社)など、訳書に『超圧縮地球生物全史』(ダイヤモンド社)など、監修書に『すごい! ミミックメーカー』(西村書店)などがある。地球環境問題や犬猫の殺処分問題などでも積極的に発言している。趣味は野鳥撮影、カポエイラ、ルービックキューブ。
この書籍を作った人
放送大学大学院教授、名古屋大学名誉教授、医学博士、看護学博士。
出版社からの内容紹介
累計560万部突破の満点ゲットシリーズから、待望の新刊が登場!
「世の中にはどんな仕事があるのかな…?」
「自分に合う仕事ってどうすれば見つかる…?」
まだやりたいことが見つからなくても大丈夫!
好きなことや得意なことから仕事を見つける方法や、夢のかなえかたを楽しく伝えます。
小学校低学年から読める、画期的なキャリア教育の入門書!
【「監修ぬまっちからのメッセージ」より】
「自分に合う仕事をどうやって見つければいいの!?」
そう思ったら、まずは「好きなこと、得意なことはなんだろう?」と自分に質問してみよう。
自分の好きなことや得意なことを知って、そこをのばせば、強みになる。
自分をよく知ることで、自分の強みをはっきできる仕事が見つかるかもしれないよ。
【監修者略歴】
沼田晶弘(ぬまた・あきひろ)
東京学芸大学附属世田谷小学校教諭。
児童の自主性・自立性を引き出す斬新でユニークな授業が「NEWS zero」「ノンストップ!」など数多くのテレビや新聞、雑誌で話題に。
学校図書「生活科」教科書著者。
満点ゲットシリーズせいかつプラス ちびまる子ちゃんの『整理整とん』『マナーとルール』『時間の使いかた』『ラクラク勉強法』『友だちづき合い』など、監修本や著書多数。
【もくじより】
〈プロローグ〉どうして仕事をするの?
〈第1章〉世界はたくさんの仕事でできている
●発見! 学校の中の仕事
●発見! 公務員の仕事
●発見! お店の仕事
●発見! 会社員の仕事
●発見! 家の中の仕事
〈第2章〉自分に合う仕事って?
●「好き」を深ぼりしてみよう
●みんなの「好き」から見つかった仕事は?
●長所や得意なことに注目!
●やりたいことが見つからないきみへ
〈第3章〉夢のかなえかた
●仕事について知りたいときは?
●どうしたらなりたい仕事につけるの?
●夢のかなえかたもいろいろ
●たくさんかせげる仕事って?
●チャレンジする人に夢はおとずれる
〈第4章〉未来のはたらきかた
●15年後の未来は?
●未来は作っていける
〈エピローグ〉夢があると毎日が楽しくなる!
この書籍を作った人
静岡県出身の漫画家。代表作に『ちびまる子ちゃん』『コジコジ』『神のちからっ子新聞』セルフパロディ漫画『ちびしかくちゃん』他。エッセイ「もものかんづめ」「さるのこしかけ」「たいのおかしら」(以上、集英社)は、3年連続ミリオンセラーを記録。エッセイや作詞楽曲など作品は多岐にわたる
文:栗田奈緒子 編集:木村春子