箱のなかにはいっているのは?!
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出版社エディターズブログ
2023.12.15
Gakkenとパイ インターナショナルは、2023年秋に「ヒド・ファン・ヘネヒテン」絵本合同フェアを開催しました。出版社の垣根を超えて、同じ原作者の絵本を一緒に盛り上げています。
また、来年2024年は『ちっちゃな おさかなちゃん』原作誕生20周年(Gakken版誕生10周年)となります。
これを記念して、同じ原作者の大ヒット作『おむつのなか、みせてみせて!(ヒド・ファン・ヘネヒテン作/パイ インターナショナル)』の編集を担当した吉村真樹さんに、「ちっちゃな おさかなちゃん」シリーズ新刊『0さい〜3さい脳そだて おさかなちゃんと あはは!』と、ヒド・ファン・ヘネヒテンさんについて語っていただきました!
出版社からの内容紹介
黒い海に映えるあざやか色。“はじめて読むお話絵本”として定番大人気の「おさかなちゃん」から、こちょこちょ、まねっこ、数える、たどるなどの、脳を育てる遊び心いっぱいの絵本が登場。クスクスあはは!と笑いながら、0〜3さいの好奇心や創造力を育てる一冊です。人間の脳は3さいまでに土台の80%が完成するといわれています。親子で遊びながら“はじめての脳そだて”はいかがでしょう? 脳科学者、茂木健一郎監修。
茂木氏が脳科学の見地から解説したリーフレットつき。ウラ面では、企画者の古藤ゆず氏が本書を使って「脳そだてあそび」を楽しむコツを具体的に教えます!
【脳科学者 茂木健一郎×おさかなちゃん⇒乳幼児の脳育!】
黒い海は可能性をはぐくむ宇宙… ベルギー発 人気絵本の世界で 脳すくすく!
脳科学の見地でみると、0さい〜3さいは天才≠ニなる可能性や夢を広げられる、とっても大切な時期なのです。
本書には、おはなしの世界から生まれた、黒い美しい海を舞台に、おうちでちょこっとした時間にできる脳そだてあそびがいっぱい!
【脳科学者 茂木健一郎氏の言葉より】
本書の監修時にとびだした言葉をいくつか、ご紹介しましょう。
「こどもにとって、絵本のページには、百科事典ほどの発見と学びがつまっている」
・・・「おさかなちゃん」の絵本は、おとなの脳で見ると、一見シンプルで情報量が少ないように感じるかもしれない。だけど、海の仲間の体の模様の違いだって、文字や泡の形や色だって、こどもの脳には、ひとつひとつが不思議で、おもしろいものとして映るよ。
「笑ってリラックスしたとき、学びがはじまる」
・・・こわがったり泣いたり警戒モードのときは、学びどころではないはず。機嫌がいいときにしか働かない、脳の回路もあるんだ。
「笑うことで、記憶力をになう海馬の活性化にもつながる」
・・・人が笑うと、脳の中では扁桃体という感情をつかさどる器官や、記憶の中枢である海馬という器官が活発に働くよ。
「絵本の読み聞かせは、最強の学習」
・・・だからといって、読み方に正解はない。こどもにとって読み聞かせは、読み手の個性に出会うライブのようなもの。
「人間の脳に限界はない」
・・・笑顔で大好きな時間をすごす先に、こどもにもおとなにも、脳の成長がある。
茂木氏の言葉は、裏表紙や、解説リーフレットでご紹介しています。
1957年、ベルギー生まれ。著書は『ちっちゃな おさかなちゃん(Gakken)』『おむつのなか、みせてみせて!(パイ インターナショナル)』など。多数のベストセラー作品は、世界50ヵ国以上で翻訳出版されており、世界中で愛されている。
『0さい〜3さい脳そだて おさかなちゃんと あはは!』をご覧になって、どうお感じになりましたか。
これまでの「おさかなちゃん」シリーズの可愛らしさや、様々な生き物の面白さはそのままに、インタラクティブ絵本の要素が加わり、数を数える、絵さがしをする、指でなぞるといった遊びがぎっしりつまった絵本ですね。この一冊で何度も繰り返し楽しめ、親子のコミュニケーションツールにもぴったりな本だと思います。
親子で繰り返し絵本を楽しむことが、いつのまにか「脳そだて」に繋がっているという点もとても魅力的です。もう少し早くこの本が刊行されていたら……私も間違いなく幼い我が子に何度も読み聞かせしていたことと思います。今作でも面白く工夫されているオノマトペを、声色を変えたり抑揚をつけたりして、ぜひ多くのご家庭で何度も繰り返し楽しんでいただきたいです。おすすめの一冊です!
「おさかなちゃん」シリーズについて、吉村さんが手掛けられたヒドさんの作品や、他の作品と違うと思われる点(特徴だと思われる点)はありますか。
私はヒドさんの作品のうち、「おむつのなか、みせてみせて!」シリーズ、『だ〜れだ?』『な〜んだ?』『ど〜こだ?』の三部作、『たれみみうさぎのリッキ』を編集担当しています。
ヒドさんの作品を担当して感じるのは、シリーズごとにイラストのタッチやテーマが全く異なるということ。いずれも、「ヒドさんが描かれたもの」と言われなければ、読者の方は同じ人が描いた作品だと気づかないのではないでしょうか。絵の具・クレヨン・インクなどの画材はもちろん、塗る・ひっかく・やぶる・切り貼りするといったテクニックも作品ごとに異なります。「おさかなちゃん」シリーズだけでなく、そもそもヒドさんの作品は、いずれも全く似ていないのだと思います。
「おさかなちゃん」シリーズが他のヒドさんの作品と決定的に違うところ、それは「背景が黒色」という点だと思います。「海の中を描いているのに、背景が黒色」というところに、ヒドさんの個性を感じました。絵本では、海は水色や青色で描かれることがほとんどです。
中ページを読み進めていくと、背景が黒である理由に気づきます。白やレインボーカラーを基調としたおさかなちゃん親子や、鮮やかな色の生き物たち、読んでいて楽しくなるようなオノマトペなど、背景が黒であるがゆえ、様々な色やイラストが美しくはっきりと見え、同時に、色覚がまだ十分に発達していない0歳児にも最適な絵本になっていると思います。
ただ、動物や生き物を登場人物にする点に関しては、ヒドさんは一貫されていますね。これは、動物を登場人物にすることで、性格描写などを描く上での可能性がさらに広がるためなのだそうです。
「おむつのなか、みせてみせて!」シリーズの場合は、すばしっこくて、好奇心旺盛で、ユーモラスで、賢くて、他の動物たちを引っ張ってくれる……その象徴として主人公を「ねずみ」にしようと直感的に閃いたそう。
ちなみに、ヒドさんの作品の主人公は大抵、ヒドさんご自身がモデルになっているという話です。
「おさかなちゃん」というキャラクターは、とにかく愛らしいですよね。とっても素直で、キュートで、抱きしめたくなります。
ヒドさんの絵本のキャラクターは、どれも違っていて、それぞれに愛らしさがあります。読者である子供たちは自分を様々なキャラクターに投影して、ヒドさんの絵本に魅了されるのだと思います。
(株)パイ インターナショナル 編集部 吉村真樹
SNSでは、2023年9月にGakkenとパイ インターナショナルの2社アカウント合同でプレゼントキャンペーンも実施し、多くの方にご参加いただきました。これからも合同で絵本を盛り上げていきますので、引き続きよろしくお願いします。