世界26か国の食べものを紹介した、楽しい大判絵本!
ぼくと犬のくろが暮らす里山には、いきものがいっぱい!毎月発売される新作絵本の中から、絵本ナビが自信をもっておすすめする「NEXTプラチナブック」。今回ご紹介するのは、人気の絵本作家きくちちきさんによる〈岩波の子どもの本〉最新刊。どんな内容なのでしょう?
NEXTプラチナブックとは…?
絵本ナビに寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。
そして、毎月発売される新作絵本の中からも、注目作品を選びたい! そんな方におすすめするのが「NEXTプラチナブック」です。3か月に一度選書会議を行い、「次のプラチナブック」として編集長の磯崎が自信を持って推薦する作品を「NEXTプラチナブックメダル」の目印をつけてご案内します。
ブラティスラヴァ世界絵本原画展の金のりんご賞、金牌受賞の絵本作家きくちちきさんが、〈岩波の子どもの本〉として描かれたのは、家族で住んでいる里山を舞台にしたお話。空気の澄んだ広く気持ちのよい朝の風景から始まります。
登場するのは、息子さんと愛犬のくろ。二人の毎日が、どれだけ出会いや空想にあふれた豊かなものなのか、生き生きとかけまわる様子や嬉しそうな表情、そしてみんなで寄りそういきものたちの愛らしい姿から、まっすぐに伝わってきます。
空想と現実を自由に行き来するぼくとくろ。作者の惜しみない愛情が注がれる、太陽や木や風、そして人や里の生き物の絵。
「やまをとぶ」
そのタイトルの通り、読んでいるだけで心がふわっと広い空の上を飛び立っていけるような気持ちになれる絵本です。
山は大きくて、空は広い
「ぼく」が嬉しそうに語る言葉によって進んでいくこの絵本、その視点は空の上にも、地面にも、まわりのともだちや大人たちにも、空想の中にも、自由気ままに注がれていき、その一つ一つの命のきらめきを全身で受け止めていく様子が描かれてます。その様子を追っていくだけで、私たちは里山の広さや空気や風まで感じることができるようです。山は大きくて、空は広い。そんなあたり前のことを体感できている「ぼく」がうらやましくなってきますよね。
この書籍を作った人
1975年北海道生まれ。絵本作家。2013年『しろねこくろねこ』(Gakken)でブラチスラヴァ世界絵本原画展、金のりんご賞を受賞。2019年『もみじのてがみ』(小峰書店)で同展金牌を受賞。他に『しろとくろ』(講談社)、『でんしゃ くるかな?』(福音館書店)、『やまをとぶ』(岩波書店)、『ねこのゆきちゃん』(ミシマ社)など。現在は神奈川のいろいろな生きものが暮らす里で、家族と山を眺めながら、創作をしている。
磯崎 園子(いそざき そのこ)
絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長。著書に『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』(ほるぷ出版)、『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)、監修に『父母&保育園の先生おすすめの赤ちゃん絵本200冊』『父母&保育園の先生おすすめのシリーズ絵本200冊』(玄光社)がある。