人気コンビがおくる、新作クリスマス絵本
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絵本紹介
2024.03.27
「となりの せきのこ、どんなこ かな?」元気に学校へ行くはずだったぞうくんですが、なんだか緊張してきて……。毎月発売される新作絵本の中から、絵本ナビが自信をもっておすすめする「NEXTプラチナブック」。今回ご紹介する絵本は、『ぞうくんはいちねんせい』。ながしまひろみさんが描く、悲喜交々の楽しい1日、いったいどんな内容なのでしょう?
みどころ
「いってきまーす!」
ぞうくんは、今日から小学一年生。初めての学校へ元気に向かう……はずだったのに。ともだちできるかな、先生ってこわいのかな、勉強ってむずかしいのかな。明日も学校行くのかな。不安な気持ちでいっぱいです。
教室には色々な子がいます。隣の席は、コトコちゃん。人間の女の子です。緊張したぞうくんは、挨拶に失敗したり、ペンギンの先生に「おかあさん」と呼んでしまったり、忘れものをしちゃったり。ドキドキの連続です。でも、休み時間にコトコちゃんやみんなと一緒に遊んだあとは、ゾウくんもすっかり元気。長かった1日も終わりです。
「さようなら。みんな またあした ね!」
教室に入ると、知らない子がたくさん。
「こんなに たくさん いちねんせいが いるんだ。」
マンガ家、イラストレーターとしても活躍されている作者のながしまひろみさんが、この絵本で描いているのは、日常のふとしたやり取りや、ちょっとおかしな出来事。なんでもないような愛らしい場面ばかりだけれど、なにしろ今日は、みんなにとっても初めてだらけの日。ちょっぴり硬い表情も、声を出したり、体を動かしたり、誰かと会話をするうちに、だんだんとリラックスしていく様子が伝わってきます。
この微笑ましくも大切な一日を、コマ割りの画面や見開きいっぱいのにぎやかな画面で、何度でも味わってくださいね。
帰る頃にはすっかり!
最初は失敗して顔を赤らめていたぞうくんも、ケンカしている子たちよりも水の出しっぱなしの方が気になっちゃったり、答えがわからないのに元気に手をあげてみたり。1日が終わって帰る頃には、すっかり自分のキャラクターが出せるようになっているのがすごいですよね。そんなぞうくんに共感しながら読んでいた子どもたちも、だんだん成長するにつれ、ぞうくんをあたたかく見守るような気持ちになっていくのでしょうか。ぞうくんの続きのお話にも、この絵本を読んでいた子どもたちの変化にも心を寄せてしまうのです。
この書籍を作った人
北海道生まれ。マンガ家、イラストレーター。著書にマンガ『やさしく、つよく、おもしろく。』(ほぼ日ブックス)、絵本『そらいろのてがみ』(岩崎書店)、マンガ『鬼の子』全2巻(小学館)、『わたしの夢が覚めるまで』(KADOKAWA)。そのほか、児童書では『ゴリランとわたし』(岩波書店)など、書籍の装画・挿絵も数多く手がける。
磯崎 園子(いそざき そのこ)
絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長。著書に『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』(ほるぷ出版)、『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)、監修に『父母&保育園の先生おすすめの赤ちゃん絵本200冊』『父母&保育園の先生おすすめのシリーズ絵本200冊』(玄光社)がある。