箱のなかにはいっているのは?!
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絵本紹介
2024.05.16
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻がはじまってから2年あまり。解決の兆しは見えないまま、パレスチナとイスラエルの武力紛争の激化など、世界の情勢は混沌を極めています。ニュースに映し出される罪のない市民や子どもたちが傷つく姿に、深い悲しみと怒り、どうすることもできない歯がゆさに押しつぶされそうになることも。
今すぐにできること。
そんなに多くはないけれど、それでも未来を担う子どもたちに伝えること、共に考えていくことだけは、誰にでも確実にできるのではないでしょうか。
戦争の残酷な本質を突きつけられる一冊。自然、生きもの、人間、生命のエネルギーと尊さに心震える絵本。手を取り合い、心を寄せ合う小さな勇気と大切さを優しく伝える絵本。 命について、平和について、作家さんたちの真っ直ぐな思いが込められた力強い作品をお届けします。お子さんといっしょに、手に取ってみてください。
出版社からの内容紹介
おはよう! おどろう! うたおう! つちたち。太陽と土と水と風と、そこに生きるみみずや恐竜などの生きものたちの姿を溢れんばかりのエネルギーでミロコマチコが弾けるように描く。普段あまり脚光を浴びない土たちを主役にした、大地の息吹を感じる絵本。
この書籍を作った人
1981年、大阪府生まれ。画家・絵本作家。2004年から画家として活動を開始。個展やグループ展など、作品展示を全国各地で精力的に行い、伸びやかな作風で、動物や植物を生き生きと描き、注目を集める。おもに子どもを対象としたワークショップにも力を注いでいる。2012年、『オオカミがとぶひ』(イースト・プレス)で、絵本デビュー。同作で2013年、第18回日本絵本賞大賞を受賞、『てつぞうはね』(ブロンズ新社)で第45回講談社出版文化賞絵本賞受賞、『ぼくのふとんは うみでできている』(あかね書房)で第63回小学館児童出版文化賞受賞。2018年に第41回巌谷小波文芸賞受賞。画文集に『ホロホロチョウのよる』(港の人)、装画と挿絵の仕事に『サバンナの動物親子に学ぶ』(羽仁進 著/講談社)、『きみの町で』(重松清 著/朝日出版社)などがある。美術同人誌『四月と十月』の同人。
出版社からの内容紹介
戦争は、何も知らない人たちの柔らかな夢に入りこむ。戦争は、物語を語れたこともない。--気づかぬうちに進行する病気のように日常をずたずたにし、野心や憎しみを糧に貪欲に育つ戦争。自らも独裁政権に抗した、ポルトガルを代表する文学者の詩とその息子による絵で、戦争の残酷な本質を描く。今こそ読まれるべき、衝撃的な絵本。
■訳者からのメッセージ
「戦争」とは何でしょう。何から生まれ、どう大きくなり、私たちに何をするのでしょうか。
この絵本は、短い文章とシンプルな絵で「戦争」という化けものの正体を暴いていきます。ですが、この絵本に物語はありません。「戦争は、物語を語れたことがない」からです。この絵本を手に取って「こわい」と感じる人もいるかもしれませんが、それは、作者の伝えたいことがまっすぐ届いている証拠です。
今、世界で起きていることを考えながらこの絵本を読んでほしいと思います。
■編集部より
まるで知らぬうちに進行してしまった病のように、密かに忍び寄り、瞬く間にはびこってしまうもの、それが戦争。その正体を読む人に突きつけるこの絵本は、ポルトガルを代表する文学者の父と、その息子の合作です。
父のジョゼ・ジョルジェ・レトリアは、40年にもわたるヨーロッパ最長の独裁体制に抗してきたレジスタンス音楽家であり、詩人、ジャーナリストでもあります(2024年はポルトガルで独裁体制を終わらせたカーネーション革命から、50周年にあたります。ジョゼも革命の中心人物でした)。「戦争とは何か」を考え続けてきた文学者の静かで力強い詩は、息子のアンドレによる印象的な絵と共に、戦争の残酷さや恐ろしさを暴いていきます。
淡々とした静かな印象なのにとても衝撃的で、読後にも一言では表せない余韻やしこりが残ります。不信や憎悪が連鎖する世界をどうしていけばよいのか、大切なものとは何なのか、読む人が考えてしまうような絵本です。
出版社からの内容紹介
天気予報が「きょうはなかよしかぜがふくでしょう」っていってた。
なかよしかぜってどんな風なんだろう?
だれかと仲良くなるって、勇気がいるけど、こんな風がふいてきたら、きっと楽しいね。
この書籍を作った人
1935年東京都生まれ。早稲田大学教育学部英語英文科卒業。日本福祉大学客員教授。1984年に路傍の石文学賞を受賞。「おおどろぼうブラブラ氏」(講談社)でサンケイ児童出版文化賞大賞、「魔女の宅急便」(福音館書店)で野間児童文芸賞と小学館文学賞を受賞。絵本に「ケンケンとびのけんちゃん」(あかね書房)、「ぼくびょうきじゃないよ」(福音館書店)、童話に「ちびねこチョビ」(あかね書房)など作品多数。
この書籍を作った人
1969年、東京都生まれ。東京造形大学デザイン科卒業。絵本の作品に『パンちゃんのおさんぽ』『いたずらコヨーテキュウ』『やまねのネンネ』(BL出版)、『みけねこキャラコ』『こねこのポカリナ』『おはなのすきなトラリーヌ』『トラリーヌとあおむしさん』『ふゆのひのトラリーヌ』(偕成社)、『チップとチョコのおでかけ』『チップとチョコのおつかい』『チップとチョコのおるすばん』(文溪堂)、『くりちゃんとひまわりのたね』『くりちゃんとピーとナーとツー』(ポプラ社)、『チリとチリリ』『チリとチリリ うみのおはなし』『チリとチリリ まちのおはなし』(アリス館)、『ねずみちゃんとりすちゃん おしゃべりの巻』(学習研究社)、『カロンとコロン はるなつあきふゆ4つのおはなし』(主婦と生活社)、『ねこのかあさんのあさごはん』(小学館)など多数。千葉県在住。
出版社からの内容紹介
手恷。虫「火の鳥」初の絵本化!
鳥の巣研究家であり、子供時代から手塚作品に憧れてきた絵本作家・鈴木まもるが命の尊さを鮮やかに描く。
地球上には多くの生命が生きています。みな誰に教わることなく、それぞれの環境に暮らし新しい生命を生み出しています。生命はどこから来るのか? なぜ生きるのか? 火の鳥が今を生きる人たちへ生命の不思議、生きることの大切さを語ります。
この書籍を作った人
1952年、東京都生まれ。東京芸術大学中退。「黒ねこサンゴロウ」シリーズ(偕成社)で赤い鳥さし絵賞を、『ぼくの鳥の巣絵日記』で講談社出版文化賞絵本賞を、『ニワシドリのひみつ』(岩崎書店)で産経児童出版文化賞JR賞を受賞。主な絵本作品に『ピン・ポン・バス』『がんばれ!パトカー』(偕成社)、『せんろはつづく』『つみきでとんとん』(金の星社)、エッセイに『バサラ山スケッチ通信』(小峰書店)などがある。また鳥の巣研究家として 『日本の鳥の巣図鑑 全259』(偕成社)、『鳥の巣いろいろ』(偕成社)、『鳥の巣の本』『世界の鳥の巣の本』『ぼくの鳥の巣コレクション』(岩崎書店)、『鳥の巣みつけた』『鳥の巣研究ノート』(あすなろ書房)などの著書があり、全国で鳥の巣展覧会を開催している。
文:竹原雅子 編集:木村春子