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出版社エディターズブログ

2024.07.03

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うちゅうを知ることで「感じること」〜てづかあけみさんインタビュー〜 (パイ インターナショナル)

子どものそぼくな疑問やふしぎをイラストでわかりやすく解説する、大好評の「なぜなにふしぎ」シリーズ第3弾『はじめての なぜなにふしぎ えほん うちゅうの なぞ』が、6月21日発売となりました。

本作をはじめ、「なぜなにふしぎ」シリーズを手がけるのは、てづかあけみさん。宇宙好きでもあるてづかさんに、宇宙の魅力や『はじめての なぜなにふしぎ えほん うちゅうの なぞ』の制作の舞台裏についてお話を伺いました。

■プロフィール

てづかあけみ
1967年神奈川県生まれ。フリーのイラストレーターとして「はじめての」シリーズ(弊社刊)など多数の書籍を手がける。

日常の当たり前をリセットしてくれる宇宙

――弊社から何冊も宇宙に関連する絵本を出版いただいているほか、ロケットの打ち上げを見るために種子島に赴かれるほど宇宙好きと聞いています。宇宙に魅力を感じ始めたのはいつ頃からですか?
 
実はとっても遅いのです。20代半ばの頃、現在も住んでいる河原沿いに引っ越して、毎日空をゆっくり見るようになったら、ごくごく自然と空の先の宇宙のことを知りたいと思うようになりました。例えば「月を見ている自分を月から見たらどうだろう?」「その月に行ってみたらどんなだろう?」など、そんなイメージがどんどん広がって宇宙関連に興味を持つようになりました。マニアではないんです。
学生の時には、うちゅう=星座の名前の暗記やプラネタリウムで聞く解説など、授業の延長のような位置付けでした。一般に伝わるような宇宙のニュースが、今のようにそんなに多くはなかったこともあるかもしれません。

当社で発売する、てづかさんが手がける宇宙関連の絵本

――毎日空を見るなかで感じる、宇宙の魅力はどんなところにありますか?

宇宙を知ることって、地球を外から見るようなことでもありますよね。自分のいる場所って、本当に些細な点なのだなぁと気づかされます。
話が壮大すぎてわからなくなることもありますが、それと同時に「星と人間には同じ成分が含まれている」など、究極にシンプルな気持ちになることも。つい人間ベースの日常の中で「これってこういうものだよね」で片付けてしまうような当たり前の中で生活していますが、宇宙は一旦そこをリセット、ニュートラルな気持ちにさせてくれます。それと同時に、宇宙の一部でもある地球のことを何も知らないなぁと実感させてもくれますね。

 

子どもたちからのユニークな質問

――今回の新刊 『はじめての なぜなにふしぎ えほん うちゅうの なぞ』は、子どもたちが興味のある宇宙の質問に回答するスタイルの絵本です。「この質問は面白いな」「するどい質問だな」など、てづかさんにとって印象的な質問はございましたか?
 
「太陽と月はなぜ同じくらいの大きさに見えるの?」ですね。自分では通り過ぎて質問として出てこなかったです。「そういえば、小さい頃から絵を描くときにそう描いていたよな!」と改めて答えを調べてびっくりしました。地球の周りには「偶然にこうなっているんだよ」という答えを本当によく聞きます。
もうなにかの仕業としか思えないほどです(笑)今の環境は偶然の賜物中の賜物だと知りました。

『はじめての なぜなにふしぎ えほん うちゅうの なぞ』より。質問の答えはぜひ絵本をご覧ください!

シンプルに。わかりやすく。

――本作を作る中で大変だった点や苦労した点はありますか?
 
「答えはなるべくシンプルにわかりやすく。」が自分のモットーなのですが、宇宙に関してはどうしても普段聞き慣れない用語が多かったり、説明文が長くなってしまいました。なので、まず質問に対しての「答え」のワク内はシンプルに、話し言葉でわかりやすくしました。

『はじめての なぜなにふしぎ えほん うちゅうの なぞ』より

あと、数字の扱いですね。今回原稿を書くのに随分長い時間がかかってしまったのですが、その期間で数字が変わってくることもありました。ただ絵本の役目はそこではないので、なるべく目安にしたり、言葉に置き換えたり、その塩梅は、監修の先生方※に本当に随分お世話になりました。的川先生も斎藤先生も宇宙の大先生として、普段から子供達とも接していますので、優しいアドバイスがとても心強かったです。

※監修に携わっていただいた先生…
的川泰宣さん:宇宙航空研究開発機構(JAXA)/名誉教授、はまぎんこども宇宙科学館館長
斎藤紀男さん:(公財)日本宇宙少年団(YAC)相談役、スペースゼロワン代表、宇宙航空研究開発機構(JAXA)元副部長

『はじめての なぜなにふしぎ えほん うちゅうの なぞ』より

 ――宇宙という複雑なテーマだからこそ、子どもたちに向けて描くのは大変だったのですね。とくに個人的な思い入れのあるページはございますか?

新しい技術に目が行きがちですが、個人的な思いから今回「探査機」に関してのページを設けました。ボイジャーという1977年に地球を出発して、今は太陽圏を出て宇宙を旅している2つの探査機です。ゴールを決めていないからこそ、答えも決まっていない計画です。
的川先生にお会いした時に、冒頭にこの探査機のお話をされて、とても嬉しかったのを覚えています。そういった壮大なプロジェクトがあることを知ってほしいですね。

『はじめての なぜなにふしぎ えほん うちゅうの なぞ』より

――最後に、本作を子どもたちにどのように楽しんでもらいたいですか?
 
知ることで、その先にある「感じること」を楽しんでもらいたいです。少し知識があるからこそ、感じるものも大きくなることがよくあります。
きっとこれから先、どんどん新しい宇宙のニュースが、リアルタイムで映像とともにやってきます。そんな時代に、感じるきっかけの本になったらいいですね。


大人も思わず夢中になって読んでしまう、宇宙の絵本です。ご家族で、ぜひお手に取ってご覧ください!

  • はじめての なぜなにふしぎ えほん  うちゅうの なぞ

    出版社からの内容紹介

    「うちゅう」のふしぎがたくさんつまった、大好評シリーズ第3弾!

    子どものそぼくな疑問やふしぎをイラストでわかりやすく解説する、大好評の「なぜなにふしぎ」シリーズ第3弾のテーマは「うちゅう」。「月が、あとをついてくるように見えるのはなぜ?」「星って、みんなまるい形なの?」「うちゅうには、音やにおいはあるの?」「ブラックホールって、いったいなに?」といった、うちゅうのなぞにふれ、親子で学べる1冊です。

この書籍を作った人

てづか あけみ

てづか あけみ (てづかあけみ)

神奈川県生まれ。デザイン事務所を経て、98年よりフリーイラストレーターとなる。書籍、広告、雑誌の挿絵を手掛けるほか、オリジナル雑貨も制作。著書に「てづかあけみ はじめてのえほん」シリーズ、『和英えじてん』『英和えじてん』(共にパイ インターナショナル刊)がある。

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