彼女が魅力的なのは……？『わたしのかみがた』【NEXTプラチナブック】

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絵本ナビがおすすめする「NEXTプラチナブック」（2021年8月選定）から、ご紹介する一冊はこちら！

「わたし」の髪型はとっても個性的。だけどそれには理由があるみたい？毎月発売される新作絵本の中から、絵本ナビが自信をもっておすすめする「NEXTプラチナブック」。今回ご紹介するのは『わたしのかみがた』。自分らしくいることの心地よさ、そんなこだわりが伝わってくるこの絵本。どんな内容なのでしょう。

NEXTプラチナブックとは…？

絵本ナビに寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。

そして、毎月発売される新作絵本の中からも、注目作品を選びたい！そんな方におすすめするのが「NEXTプラチナブック」です。3か月に一度選書会議を行い、「次のプラチナブック」として編集長の磯崎が自信を持って推薦する作品を「NEXTプラチナブックメダル」の目印をつけてご案内します。

彼女が魅力的なのは……？『わたしのかみがた』

「だからわたしはこういうかみがたってわけ」

わたしのかみがた

作：
樋勝朋巳

出版社：

ブロンズ新社

みどころ

彼女が帽子をとると、見たこともないような変わった髪型をしています。

「びっくりした？」

そうですね。ちょっと個性的で驚くけれど、雰囲気も含めてとても似合っています。すると、彼女はこの髪型についてのお話をしてくれます。

むかしは短かかった髪がだんだん伸びてきて、とっても長くなったら、今度は黄色にしてみたり、いちごみたいに真っ赤にしてみたり。時には失敗して悲しい気持ちになることもあるわ。思いきってパーマをかけたらもじゃもじゃに。でもいいの！そんなもじゃもじゃのパーマに、ある時とりさんが来てくれたの。それで……。

それで？続きが気になりますよね。とりさんがああなって、髪の毛がこうなって、考えたあげくにおもいついたのがこの髪型って訳。ぱっと見ただけではわからなかったけれど、聞いているうちに彼女が魅力的な理由が伝わってきます。「こだわり」って面白い。

作者は、いつもユニークな視点で読者を楽しませてくれる樋勝朋己さん。銅版画による、あたたかみのある味わい深い線に、水彩で着色したやわらかな絵は、ページごとに繊細に変化していく「わたし」の気持ちや表情の表現にぴったり。

「自分が自分らしくいることの心地よさ」

表紙のまっすぐな眼差しからは、作者が大切にしているであろう、そんな思いが伝わってきます。

編集長のおすすめポイントは……

自分のこだわりはなんだろう

どうしてあんな恰好をしているんだろう、変わった髪型だな。そんな風に思っても、なんだか魅力的で目が離せなくなってしまう人っていますよね。それはきっと、その人なりの「こだわり」があって、その人なりの「理由」があって、今はそれがとっても「居心地がいい」から。ふむふむ。じゃあ、自分にとっての「こだわり」ってなんだろう？そんな風に考え始めるだけでも、楽しい気分になってきますね。

この書籍を作った人

樋勝朋巳（ひかつともみ）

銅版画家・絵本作家1969年、長野県生まれ。多摩美術大学卒業後、デザイン会社を経て銅版画の制作をはじめる。1998年、ボローニャ国際絵本原画展入選。『きょうはマラカスのひ』（福音館書店）で第19回日本絵本賞大賞受賞。小さな心の機微をユーモラスに醸しだす作品で人気。他の絵本に、『フワフワさんはけいとやさん』『きょうはパーティのひ』『たいこ』（以上福音館書店）、『ペロのおしごと』『おさるちゃんのおしごと』（以上小学館）などがある。

樋勝朋巳　作品一覧

磯崎園子（いそざきそのこ）

絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長として、絵本ナビコンテンツページの企画制作・インタビューなどを行っている。大手書店の絵本担当という前職の経験と、自身の子育て経験を活かし、絵本ナビのサイト内だけではなく新聞・雑誌・テレビ・インターネット等の各種メディアで「子育て」「絵本」をキーワードとした情報を発信している。著書に『ママの心に寄りそう絵本たち』（自由国民社）がある。