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《スペシャルコンテンツ》インタビュー

2009.10.13

西巻茅子さん
絵本『わたしのワンピース』

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読者の方からの質問です!

<子ども、家族と絵本の関わり>

─── 『わたしのワンピース』の「ラララン ロロロン」をどういう風に読んだらいいのか教えてください。

西巻茅子さん (困ったわね、と笑われてから)「読んでください」とよく言われるんだけど・・・。
一度馬場のぼるさんの横で『わたしのワンピース』読んだ事あって、馬場さんはご自身の絵本をとても面白く読むんです、味があってね。
でも私は基本的に人前で気取って読むのは恥ずかしくて、ぱっぱぱっぱ普通に読んだら後から馬場さんが、
「ああいう読み方もあるんですよね。いいんですよね、西巻さんのよみかたで。」
優しく微笑みながら無理におっしゃってくださって(笑)
そんな風で私は結構素っ気なく読むんです。

でも読む人が楽しそうに読んでくれる、それはそれでとってもいいですよね。
例えばお母さんが楽しそうに歌を歌いながら読んでくれるのもいいです。
そういう所で、お母さんという個人と子どもという個人の交流が生まれる。私の絵本を通して交流があるというのがとっても素敵だと思います。そこにその人らしさがあるというのがいいんですよね。そうするとまた自分の子どもにもお母さんの記憶を伝えていったりしてね。

─── 影響を受けた絵本作家さん、或いは画家さんはいらっしゃいますか?

影響を受けた絵本作家というのはいなかったんですけど、絵を描き始めた当時にレオ・レオニの絵本『あおくんときいろちゃん』を見た時に「あ、これでもありだ。」と思えましたね。抽象というものを子どもが理解できる、という一番原点的な本だと思います。「あおくん」と名づければそれが「あおくん」になる・・・これでもいいんだな。「わたしのワンピース」をつくりながらそう思った事を覚えています。

画家で言えば・・・20世紀の近代絵画のピカソ、マチス、クレー、シャガールなんかはみんな好きでした。ちょうど絵を勉強している学生時代はそういう素晴らしい画家た沢山活躍していて。すごくいい時代でしたね
だから影響は受けていると思います。

─── どういう時にストーリーを思いつくのでしょうか?

今も四苦八苦してますよ(笑)
若い頃はふっとあふれ出てくる感じでしたけどね。40年やってくると色々な知識もついちゃうし、でも自分の中にあるピュアで子どものような心の中からぽっと出てきた様なものでつくりたいと思っていますし。そうやってうろうろしながらふっと出てきて出来上がることもあります。締め切りがあってこれこれと手順を踏んでつくっていってと言うのは無理ですし、そういう風にはつくりたいとは思っていないですね。

─── ご自身の作品の中でも思い入れのあるものは?

やっぱり『わたしのワンピース』ですね。

─── 娘さん(絵本作家の西巻かなさん!)と仕事のお話をしますか?

あまりしないですね。彼女の個性の中から生まれてくればいいと思っているので。できたものについてお互い話すことはありますけど。私も彼女が子どもの頃、自分の作品を見せて意見をしつこく聞いたりしていましたけどね(笑)。

─── 絵本作家になって一番楽しいと感じる時は?

やっぱり絵を描いている時が一番好きなのね。だから楽しいのは絵を描いているときです。
絵本の組み立てが決まって、後は描くだけのとき。それはすごく楽しい!
だからって朝から晩までずっと描いているといい絵がかけるとはかぎらないんですけどね。

─── オリジナル作品と他の作家さんと組まれて描く作品との違いはありますか?

作家さんと組んで描く絵には基本的に締め切りがありますし、原稿を読んでから描きます。オリジナルは絵が先に浮かんできて創作します。だから作業内容は全然違って、特に原稿がある場合は文字にとらわれるという意味ではそれなりに苦労したりもします。でも、それはそれで両方やってて良かったと思っています。だから楽しい絵本も出来てくるし、自分の絵が変化していったり、発想が広がっていくのが楽しみでもあります。

─── 絵本との関わりかたなど、絵本ナビ読者に向けて何かメッセージをお願いできますか?

子育てしているお母さんは、人生の中でいちばん充実している時だと思います。
充実している時間をほっとできる時間にするために絵本があるような気もするんです。
だから、大人も子どもと一緒に絵本を楽しんで欲しいですね。

─── 子ども達へは・・・?

子ども達へのメッセージは絵本です。
楽しんでくれればいいですね。

最後に・・・

<取材を終えて>

『わたしのワンピース』『まこちゃんのおたんじょうび』など、お子様が誕生される前に生まれた名作が多いというのも意外な気がしますが、

「子どもが生まれてから描き始めなくて良かったと思っている。子どもの好みに寄り添いたくなっちゃうし、喜ばせたいと思ったけどうまくいかなかった。私の個性もあるのだと思うのですがそこに創作の不思議さがある。自分の子どもに向かって行けば、普遍性から離れていくという事もあるでしょうし。」

そう語ってらした姿がとても印象的でした。

「絵本は見て楽しければいい!」そう言い切る西巻さん。でもその為には本当に真剣に子ども達と向かい合わなければいけないという覚悟が垣間見られるのです。
絵本作家である前に、一人の芸術家としての側面も見せて頂いた様な気がしました。

★★おまけ画像★★

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とっても素敵な雰囲気。お父様のパレットやイーゼルなどもさりげなく飾られて・・・

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「ワンピース」のぬいぐるみ発見!可愛いこけしちゃんは形が「ワンピース」にそっくり。お友達が見つけてくれたそうですよ。

とても明るくて本当にさばさばとはっきり語って下さる西巻さんのお話に魅了されて、あっという間に時間が経ってしまいました。
「年を取ってくると大変なのよ。」なんておっしゃっている姿も何だかとっても楽しそう。
今も「何かいいものがうまれないかな。」と毎日一枚は必ず絵を描いているそうですよ!

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「ワンピース」のぬいぐるみ発見!可愛いこけしちゃんは形が「ワンピース」にそっくり。お友達が見つけてくれたそうですよ。

ありがとうございました。

西巻茅子さんが絵本ナビ読者の方に向けてこんなに素敵な直筆メッセージを描いてくださいました!

直筆メッセージ

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西巻 茅子(にしまきかやこ)

  • 1939年、東京に生まれる。東京芸術大学工芸科卒業。学生時代からリトグラフ、エッチングを手がけ、日本版画家協会展新人賞、同奨励賞受賞。絵本の読者である幼い子どもたちの絵を見る目、絵を描く力の確かさに敬意を払い、尊敬を込めて絵本を描き続けている。代表作『わたしのワンピース』は、親子二代にわたるファンも多く、男女を問わず子どもたちに愛されている。『ちいさなきいろいかさ』(もりひさし文/金の星社)で第18回産経児童出版文化賞受賞。『えのすきなねこさん』(童心社)で、第18回講談社出版文化賞絵本賞受賞。その他作品多数。


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