先日、絵本ナビオフィスに出版社のキッズレーベルスタッフと一緒に遊びに来てくださったのは、こんな絵本の絵を描いている作家さん・・・。
- あれあれなんだろな?
- 作:すぎはらけいたろう
- 出版社:自由国民社
あれあれなんだろな?
こぶたのクイ、うさぎのチー、おさるのポッポ。
3匹がみつけた、あんなもの、こんなもの。その正体は・・・
好奇心いっぱいの3匹がくりひろげる、びっくり楽しいものがたり。
イタリア・ボローニャ国際絵本原画展にも入賞した、新鋭イラストレーター・すぎはらけいたろうさんの、初のオリジナル絵本。
その作品の完成を記念して、絵本ナビオフィスに遊びに来てくださいました!
デザイナーとして活躍されていたすぎはらさん。
初めての絵本を制作されることになった大きなきっかけは、
やはり2009年ボローニャ国際絵本原画展で入選されたこと。
その時に「誰か一人の為に作品を描いてみたら」というアドバイスをもらったそうです。
その時に思い浮かんだのが親戚の男の子。
大人しいけれど、目がとてもキラキラしているのが印象的だったそうです。
『あれあれなんだろな?』は、その子に向けて描かれた絵本でもあるのですね。
▲こぶたのクイ、うさぎのチー、おさるのポッポの仲良し3人組。
そんなお話を少し伺っただけでも、途端にキャラクターに愛着がわいてきてしまいますね。
今回、すぎはらさんが絵本『あれあれなんだろな?』の原画をたくさん見せてくださいました!!
色彩が豊かで、可愛らしいけどとても味のある雰囲気の魅力的な絵は、全て紙のコラージュで制作されています。
カラフルな紙に混ざって、楽譜の様な紙や、かなりいい味を出している古そうな紙も使われていますね。
色を塗ったり、模様を描いたり・・・予めコラージュ用の素材はたくさん作って用意しておくのだそうです。
味のある古紙などもお好きだそうで、ロンドンに住んでいらした時にたくさん収集されたとか。
ロンドンの蚤の市というのは、古いものが何でも売っているそうで、
なんと古いホテルの領収書まで束で売られていたそうなのです!
それも作品のどこかに生かされているのかな・・・?
遠くから眺めていても・・・
近くでじっくり見ていても飽きないので、時間がどんどん経ってしまいます。
今まで制作されてきた作品もたくさん見せて頂きました。
板橋区立美術館で開催された「2009イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」のちらしは
すぎはらさんの作品が使われていました!
また少し大人っぽいテイストの作品も素敵でした。
こんな力作まで!!
これ、実は完全手作りのしかけ絵本なのです。なんと豪華な・・・。
いつかこんな作品が商品となって購入できる日がくればいいですね。
閉じられたスクラップブックの表紙。あまりにも味があったのでぱちり。
もちろんお手製だそうです。
最後に記念撮影!ありがとうございました。
また素敵な力作の登場を待っています。
後日、取材で見せて頂いた原画のメイキングのお写真を送ってくださいました!
こんな風に制作されているのですね。
「どの部分を使おうかな?」
“紙のハギレ”の山をガサゴソ。真面目な表情で選定中。
作品づくりは1ページづつ順番に…ではなく、すべてのページを同時に制作していくそう。カッターナイフで切り抜いているのは、うさぎさんの顔?でしょうか?
うーんと近づいてみると、コラージュの立体感がよくわかります。
絵本の顔ともいえる、大切な表紙のイラスト。まもなく完成です!
紙のもつ、柔らかで温かみのある風合いを大切にすることを心がけて作品をつくっている、というすぎはらさん。
作品の素材となる紙の多くは、年代物の古い紙。
数100年以上も昔の古い日記帳や手紙、ホテルの領収証、楽譜など、年月を経て、黄ばんで変色したような味わいのある紙がお気に入りで、以前住んでいたロンドンでは、蚤の市に足繁く通って、さまざまな紙素材を見つけ出していたのだそう。
時間のあるときには、ちぎった紙片を何枚も重ね貼りし1枚の紙に繋げて、すぎはらさんが “紙のハギレ”と呼んでいる“素地”をつくります。
ここから作品に必要な部分を切り抜いたり、絵の具やクレヨンで着色したりしながら、作品づくりは進められていくのだそうです。