瀬戸内海の小島に疎開していた小学5年の広彦は、原爆のきのこ雲を目撃。広島市内にいた母を捜しに島を発った。瓦礫と化した市内で広彦は、やはり家族を捜す子どもたちと出会い、やがてビルの残骸で9人の孤児たちが力を合わせて暮らすことになる…14歳の女の子以下、自分の名前も言えない幼児まで、一個の爆弾ですべてを奪われた子供達が、明るさを失わずに、お互いを思いやり、助け合い、健気に生きる姿が感動をよぶ。
広島に落とされた原子爆弾を示す「リトルボーイ」に、著者は原爆で親を失った子どもたちの姿を掛け合わせたのです。
あの悲惨な爆弾は、多くの孤児を作り出してしまいました。
物語の登場人物が描かれているので、ちょっと勘違いをしそうですが、そのたくましさは著者自身の体験に基づいているからでしょう。
この小説からは、未来を目指す子どもたちの生きざまの眩しさを受けとりました。
学ぶところの多いお話です。
著者が少年時代を過ごした広島戦災児育成所に、興味を持ちました。 (ヒラP21さん 60代・その他の方 )
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