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「おやすみなさいおつきさま」「ぼくにげちゃうよ」の絵を描いた作家とくれば期待しちゃいますね。 今作品は1941年に発表されたクレメント・ハード自身が創った作品です。 まちかどで出会ったいぬとねこ。 「みゃあ」「うぉふ」 さあとんでもない追いかけっこの始まりです。「ぱちん」いぬが綱をひきちぎると、「すわっ!」ねこは逃げます。 色々な人々の生活空間の中を横切り飛び越え、縦横無人のいぬとねこ。何となくかしこまった人達の部屋の中にこの二匹の異物の出現ではちゃめちゃになりいきいきしていく空気が伝わってくるのが面白い。クレメントならではの躍動感あふれるモダンな絵と鮮やかな色彩もうれしいですね。そして印象的なのが面白い擬音。この短い言葉を聞きながら絵を眺めているだけで小さな子でも情況をよく理解できて楽しめそう! じっくり絵を見て何が起きているのか考える、そういうゆとりのある本っていいな。改めて気づかされました。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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街角で出会ったいぬとねこ。“みゃあ”とねこがなき、“うぉふ”といぬがほえて、さあ、とんでもないおいかけっこがはじまりました! はしごの上から落っこちる人、食事をめちゃくちゃにされた人、ゴミ箱に頭をつっこむ人……、街の人びとを巻きこんで、おいかけっこは続きます! 「おやすみなさい おつきさま」「ぼく にげちゃうよ」の画家、クレメント・ハードの傑作絵本。江國香織の美しい言葉も心地よい作品です。

あっという間に終わってしまう感じの絵本ですが、内容を楽しむというより絵を見て状況を把握するといった方がいいかもしれません。ここまでひどくはないかもしれませんが、うちにも庭にとてつもなく巨大な犬が迷い込んできてうちの猫を追い込み1時間以上も吠え続けていたのを思い出しました。うちの猫は尻尾を噛まれて大けがをさせられました。なので、このハチャメチャ感、よくわかります。ちょっと最後がこれだけめちゃくちゃな状況でいたにもかかわらずあっけなかったかなと思いました。 (ピンクちゃんさん 50代・ママ 女の子14歳、男の子7歳)
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