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紅海に面したアフリカの小さな国エリトリアに、ハルギゴというまずしい村がありました。十分な食料が手に入らず、人びとはいつもおなかをすかせ、飼っているヤギやヒツジも同じようにおなかをすかせていたのです。 そんなところへひとりの科学者、ゴードン・サトウ博士が訪れて、村人たちの生活が楽になるよう手をさしのべました。すべての始まりは、ある特別な木でした。
これがその木、 海辺に植えられた マングローブの木。
本書は、詩と散文で交互に語りながら、博士の「マングローブ植樹プロジェクト」が、まずしい村を、どのように自足できるコミュニティーに変えていったかを案内しています。

アフリカの海辺にマングローブの木を植えて、ヤギやヒツジの家畜類の生息を可能にした緑地化プロジェクト。
ノンフィクション絵本ですが、この絵本は内容だけではなく、コラージュも素晴らしいと思います。
筆をいっさい使わず、ハサミとピンセット、デンプン糊などをつかって作られている(カバーより)独特の技法で、物語を描いていることに感動しました。
日系アメリカ人として収容所で生活した体験が、支えになっているという植樹プロジェクトの発案だという、とてつもなく粘り強い活動にも心打たれました。
貴重な学習絵本だと思います。 (ヒラP21さん 60代・パパ )
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