お姫様と王子様が手をつないで見つめあっている表紙は、 葉っぱや宝石がキラキラ光っていて、 女の子のハートをギュッとつかんで離さない、お姫様絵本の定番…。 でも、あらら? お姫様のドレスにはつぎはぎが当てられていて、 王子様の手には、剣ではなくバケツが…。 どうやら、普通のプリンセス・ストーリーではないようです。 それもそのはず、この絵本に登場するお姫さまは、 雨が降ると雨漏りをするお城に住み、朝ごはんに食べるパンもない。 とっても貧乏なお姫様なのです。
そんなお姫様の元に、ある日、隣の国から招待状が届きます。 王子が妃を選ぶための舞踏会を開くというのです。 しかし、その日は、王さまが作った空飛ぶ機械のテスト飛行の日でもありました。 舞踏会をあきらめ、テスト飛行の後に開催するお茶会の準備をはじめるお姫様。 でも、料理は下手くそ。雇った庭師もひどい有様。 どう頑張っても、テスト飛行までに準備が整いそうにありません…。 庭師に言われるまま、守護妖精にお願いをしてみるお姫さま。 次の日、お姫様が目を覚ますと、そこには…。
女の子が大好きなピンクやパープルなどのパステル調のタッチと、 切り絵のようなシックなタッチが効果的に交差して描かれるこの絵本は、 クラシカルな中に現代的なスパイスを加えた新感覚のプリンセス・ストーリー。
要所要所で登場する、ネコのジェフリーが、この絵本の影の主人公。 ネコ好きの方にもオススメの1冊です。
(木村春子 絵本ナビライター)
丘の上のお城に、父の王さまとねこと暮らす王女がいました。雨もりのするお城、パンもない朝食、穴だらけのドレス、お金もまったくありません。そんなある日、王女のもとに一人の若い庭師が現れました。実は、その正体は……。おとぎばなしのテイストに、現代的なスパイスをきかせたプリンセス・ストーリー。
私はラブストーリーが大好きです。この本を読ませて頂いて、とても感動しました。これは何よりもホットな気持ちにさせてくれます。私はこの本を読みながら、これまで読んだ様々なラブストーリーが甦りましたが、お金のない王女という設定はなかなか面白いと思いました。素晴らしいお話だと思います。 (水口栄一さん 60代・その他の方 )
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