「きょうはあんたのすきなかしわのからあげや。なんちゅうても、クリスマスやさかいな」「おかあちゃん、かしわゆうの やめてえな。クリスマスやったら、チキンやで」 ケンぼうのおかあちゃんは、コッテコテの大阪のおかあちゃん。ムードがないと怒るケンぼうに「なにが ムードやねん。おおさかドームみたいな かおして」と返します。負けずに「おおさかドームは おかあちゃんの かみがたや。」と返すケンぼうの言葉に、思わずブッと吹き出してしまいます。なんて楽しいおかあちゃん!この時点でみんなすっかりおかあちゃんのファンになっているはず。 けれども、ケンぼうはなんだか不満げ。だって、友達のたかしくんの「ママ」は、美人でおしゃれで優しくて、クリスマスのテーブルにはシチメンチョウが並んじゃうんです。それにくらべて、うちのおかあちゃんときたら! 子どもはみんな、自分の家とよその家族と比べてしまったりするもの。だけど、やっぱりうちのおかあちゃんが一番!それを口には出さないけれど、物語は晴れやかなエンディングを迎えます。 この絵本は「なにわっこ落語絵本」として作られた作品。親子で楽しめる創作落語絵本なんです。掛け合いの端々に笑いながら、いかにも落語のサゲ(オチ)らしい小気味よい終わり方。これがなんとも言えず清々しい。 こんな思いっきり笑えるクリスマスの絵本も楽しいですね。 関西弁のリズムも楽しめる、読み聞かせにもぴったりの絵本です。
(掛川晶子 絵本ナビ編集部)
クリスマスイブ、おかあちゃんとけんかして、家を飛び出したケンぼう。友達のたかしくんから、お願いするとサンタさんから好きなプレゼントをもらえることを知ります。ケンぼうは、プレゼントをもらうことができるのでしょうか。 声に出して読むと、もっと楽しい。落語の絵本です。
6歳5歳の娘たちに読みました。関西弁で進められるお話がとっても楽しかったようです。関西ではクリスマスにからあげを食べるのかな?我が家はチキンですが、娘たちは「食べやすいから、からあげでもいいねー」と言っていました。主人公のケンちゃんとお母さんの会話が楽しくて、思わず笑っちゃいます。お母さん、ポンポンとよくこんな返しができるなーと感心しちゃいました。なんで落語絵本かな?と思ったら、最後でわかりました。なるほどー。うまいです(笑) (きーちゃんママさん 30代・ママ 女の子7歳、女の子5歳)
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