雨上がりの公園で、かんちゃんは大きな水たまりを見つけました。 のぞきこむと、水たまりの中から、くりっとした目がこっちを見ています。 シャッと水しぶきをあげて飛び出てきたのは「みずたまり ぼっこ」。
かんちゃんとみずたまりぼっこのふたりは、公園でえんそくごっこをします。 ばった、ありんこ、あじさい、あさがお、かたつむり、ねこ、すずめ、たんぽぽ・・、 雨のあとは、何もかもがキラキラしているみたい。公園の生き物たちもなんだかうれしそう。 ふたりは並んで歩きます。かんちゃんはぐんぐん、みずたまりぼっこは、はだしでぴたぴた。 すべりだいをのぼっておりて、ジャングルジムをくぐって、ぐんぐん、ぴたぴた。 みずたまりをぴょん。ありんこのぎょうれつをぴょんぴょん。 楽しく遊んでいると、ぼっこが慌てはじめて・・・?
むかし話に出てくるちょっと不思議な子ども、「ぼっこ」。 この絵本に出てくる、おくはらゆめさんの描くみずたまりぼっこの可愛いこと!いたずらっ子そうな目、跳ねると水しぶきがあがる綿菓子みたいな体。ぼっことつないだ手はどんな感触なんでしょう?想像すると胸がキュンとします。 作者のすずきはつえさんの言葉です。 「『なまえはなあに?』『いっしょにあそぼ』 手をさしだせば、もうお友達。どんな垣根もぴょんと越えて、かけていきましょう。」 どんな「ぼっこ」とだって仲良くなれる、子どもたちの特権ですね。
雨上がり、水たまりが消えてしまうまでの、つかの間。 可愛いぼっこと、たからもののような時間に会いに、くりかえし開きたくなる絵本です。
(掛川晶子 絵本ナビ編集部)
<心に残る雨上がりのファンタジー>雨上がりの公園で、かんちゃんは大きな水たまりを見つけました。青い空と白い雲が映っています。そこで、何かが動きました。くりっとした目がかんちゃんを見ています。「だれ?」「おれ、ぼっこ。みずたまりぼっこ」水の中からにょきっと出た手をひっぱると、水しぶきといっしょに男の子が飛び出してきました。
ふたりはならんであるきました。かんちゃんはぐんぐん。みずたまりぼっこははだしでぴたぴた。すなばのまわりをぐんぐんぴたぴた。
こうして元気に公園を遊びまわった二人でしたが、水たまりが小さくなると、みずたまりぼっこはあわてて走り出しました。そして、「またな」と言って水たまりにもぐると、すっと消えてしまいます。
誰とでも、何とでも友達になれる幼児の姿を、擬音を用いたリズミカルな言葉と伸びやかなイラストで描いた心に残る絵本です。
**1歳7ヶ月**
水たまりを見つけると丹念に踏みしめるわが子。
そんな水たまりから「みずたまりぼっこ」という精霊?妖怪?が出てきたらきっと友達になれることでしょう。
真剣にこの絵本を聞くわが子を見ていたら、子どもはファンタジーの世界を現実として生きているんだろうと思いました。 (もちくらげさん 30代・ママ 男の子1歳)
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