深いジャングルに、ちびっこゴリラとおじいちゃんがすんでいました。 ある朝、おじいちゃんがちびっこゴリラにいいました。 「ツルさんが たまごを みっつ くれるそうだよ。 かわぎしにおいてあるから、とりにいってくれるかい?」
「すぐいってくるよ」と元気にでかけたちびっこゴリラですが、 たまごをもってかえる途中、少し離れたところから様子を見ていたベルベットモンキーやチンパンジーに “フラミンゴからたまごをぬすんだ”だの “ダチョウのはねをむしった”だの “アオザルのしっぽにかみついた”だの ……あらぬ疑いをかけられます。
「ええっ、ほんとうに?」 「ほんとうも ほんとう。ちゃんと この めで みたんだから」
そういってちびっこゴリラを追いかけるサルがどんどん増えていくのですから、読者はハラハラ、ドキドキ。 ちびっこゴリラは、悪いこと、何もしていないのに。 いったいどうなっちゃうの!?
ふしみみさをさんが翻訳したジャングルの動物たちのお話。 ちびっこゴリラを悪者と決めつけて追いかけるのは、おなじサルの仲間たちばかり。 こんなにいろいろな種類がいるんだ!と驚かされます。
で、最後はどうなったかって? 大丈夫、小さなお子さんも安心の結末がまっていますよ。 あー、ちびっこゴリラ、よかったね、と、笑顔になること間違いなしです。
さてさて、あらぬ疑いをかけられた、ちびっこゴリラを助けてくれたのは誰でしょう? 「よんひきったら おばかさん!」なんて、威勢よく教えてくれた小さな生き物がかっこいいですよ。 ええ、ほんとうにほんとう! 言葉の繰り返しのおもしろさと、ドキドキの展開を楽しんでくださいね。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
ちびっこゴリラはおじいちゃんにたのまれて、ツルさんのたまごをもらいにいきました。途中でダチョウさんに声をかけられ、羽をもらってたまごをくるんで運びます。ところがその様子を遠くで見ていたベルベットモンキーたちが「たまごをぬすんだ」「羽をむしった」とさわぎだし……。本当のことを確かめもせず、わかりもしないことを言ってしまったり、周りに合わせてしまったり。大人もどきりとさせられるテーマです。本当のことをちゃんとわかろうとすることが大切。こどもたちにもやさしく伝えています。
ゴリラが大好きな4才の息子に読み聞かせました。
いろんな種類の猿も出てきますが、息子にはちょっと見分けがつかなかったようで、すべての猿をゴリラだと言っていました笑。
保育園でも、似たようなトラブルがたくさんあるのか、息子は珍しく真面目に聞いていたように思います。
肝心なところで、自分の行いや気持ちを主張できない息子は、最近トラブルが続いているせいか、保育園の行き渋りも見られます。
ちびっこゴリラをかばってくれた小鳥のように、息子をかばってくれる存在がいてくれたらといいのにと考えてしまいました。 (ちびっこおばちゃまさん 40代・その他の方 男の子4歳)
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