ぼくと羊男はここから脱出できるのか? 不条理に満ちた「大人の童話」がダークに蘇る。
図書館に本を探しにきたぼくは読書室という名の地下独房に囚われ、こう告げられる。「君はのこぎりで頭を切られ、脳味噌をちゅうちゅうと吸われるんだよ――」。初出から32年、あの名短篇が3度の改稿を経て、ドイツの気鋭画家カット・メンシックによるミステリアスなイラストと響きあう。村上ワールドを多元的に味わうアート・ブック第三弾!
同じ料理なのに、味付けと素材が違うとどうしてこんなに変わってしまうのでしょうか。
以前に読んだ『ふしぎな図書館』のイメージは、佐々木マキさんの不思議ワールドと、村上さんの子供向けヴァージョンで、まろやか仕立てだったのですが、この『図書館奇譚』は、絵も文章も辛口です。
物語に共通性があるだけに、不思議な違和感。
読み比べると、アレンジ次第で異なった印象をもってしまう、不思議な物語です。
(ヒラP21さん 60代・パパ )
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