一人で早起きした男の子が、パジャマからお洋服に着替えてカーテンをあけると、外にはさわやかな朝の風景が広がっています。 「だれが いちばんに いうのかな? 『おはよう』って いうのかな。」
男の子がまず「おはよう」を交わしたのはとなりのおばあちゃん。植木に水をあげながら男の子とにっこり手をふりあいます。 おばあちゃんは、散歩中のおじいちゃんとも「おはよう」とおじぎを交わし、公園の犬は「ワン ワン」、塀の上のねこ同士も顔をあわせ「おはよう」をします。
ゆっくり目覚めていく町。「おはよう」がつながっていく町。 だんだんと景色が広がっていく絵のなかで、男の子の家から幼稚園までの風景が自然に描かれます。 町の「おはよう」を感じたぼくは、朝、どんなふうに支度をして幼稚園に行くのでしょうか。 先生にどんな顔で「おはようございまーす」って言うのかな?
細かく描かれたたくさんの「おはよう」と「にっこり」に、それぞれの人たちの暮らしがわかる絵探しも楽しめます。 ジョギングする人、登校する子どもたち、牛乳を配達する人、ごみ収集車の働く人たち、お茶を飲む人、お店を開ける準備をする人……。 見返しの地図「ぼくのまち」で、男の子がどの道を歩いたのか、お子さんと一緒にたどってみるのも楽しそうですよ。
あいさつや笑顔が、いろんな人やものとつながる最初の一歩なのかもしれません。 明るくはつらつと、すがすがしい心で1日をスタートできたら、どんなに楽しい1日になることでしょう。
お子さんと一緒に読み、おしゃべりすることで、心を見つめるひとときとなりますように。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
一人で早起きした男の子が窓を開け、となりのおばあちゃんに「おはよう」と声をかけます。 つぎつぎと「おはよう」が広がっていく町の様子を細やかにあたたかく描いた絵本。 絵の中のたくさんの「おはよう」の文字をさがせば、いろんな人のくらしぶりが見えてきます。 絵を見ながらたくさん会話が生まれることでしょう。
たしろちさとさんのイラストということで、興味を持ちました。いつものたしろさんの絵とはちょっと違ったタッチです。
朝起きてから「おはよう」のあいさつで一日が始まります。そして幼稚園に行くまでに、いろんな人にあいさつ。
あいさつをするたびに、どんどんと周りに笑顔が広がっていくのがわかり、気持ちが良くなりました。
シンプルな内容ですが、大事なことを気づかせてくれる絵本だと思います。 (クッチーナママさん 40代・ママ 女の子18歳、女の子15歳、男の子13歳)
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