桃子は高校1年生。中学時代に親友だった綾美も同じ高校に入学したが、まもなく不登校になった。それは中学時代に体験した壮絶ないじめが尾を引いているからだったらしい。 一方、人数不足の「うた部」(短歌)に思いがけなく入部することになった桃子は綾美に対して、中学時代に起きたある事件の負い目から、高校で友達は作らないという宣言までしてしまう。 本当にこのままで良いのか悩み続ける桃子に、ある同級生が声をかけてくる。 そしてある日の放課後、うた部で短歌甲子園に出場しようという話が持ち上がって…
村上しいこさんというと、かめきちシリーズ、「;れいぞうこのなつやすみ」など、ユーモアいっぱいの読物を描かれる作家さんというイメージでした。
この作品を読んでそんなイメージが変わりました。高校生を主人公としたシリアスなお話も書かれるのだと。
村上しいこさんの作品を勉強する機会があり、この作品に出会えてよかったと思いました。
いじめも出てきますが、短歌にかける青春小説として、今悩んでいる子どもたちにエールを贈っている一面も感じられます。
同時期に「春や春」という俳句にかける高校生の作品も出ていますので、両方読んでみるといいかも。 (はなびやさん 50代・ママ 男の子14歳)
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