ぼくの妹は「まこ」。あかちゃんのまこは、ぼくが遊んであげると「おーおー」って足をバタバタさせる。 かあさんは、まこのことを「じょうず、じょうず」とすぐ褒める。 ぼくはもっといろんなことができるのに。 みんなでレストランに行くとき、かあさんはお出かけ用のいつもの「まほうのかばん」をもっていく。 「まほうのかばん」って何だろう?
かあさんのかばんからは、「ちちんぷいぷ〜い」ってガーゼ、よだれかけ、おむつ、着替え、タオル、おもちゃ……。 なんでも出てくる。でも、まこのものばっかり。 「なーんや、ぼくのもん はいってないんや。あれは、まこの まほうのかばんなんや。」 ちょっぴり落ち込むぼく……。 けれど、家に帰って、ばあちゃんのかばんを見せてもらったぼくは、意外なことに気づきます――。
「かばんの中をのぞく」のは、その人の大切にしているものや、ヒミツをのぞかせてもらうことに似ているかもしれません。 かあさんのかばんの中にぼくはいないのか、と落胆した男の子。 ぼくは愛されているんだろうかと自信を失いかけたおにいちゃんが、ばあちゃんとかあさんのかばんの中身を知ることで、みるみる自信を取り戻していきます。 「まほうのかばん」にはじつはちゃんと「ぼくのだいじなもん」も「すきなもん」も入っていて、「ぼくも大事にされていた!」と気づくのです。
かばんの中身がこまごまと見開きいっぱいに描かれたページは、楽しさ満点! ばんそうこう、ルーペ、あめだま。合羽、お絵かき帳、折り紙のメダル。石ころ、図鑑。 ばあちゃんのかばん、かあさんのかばん、そしてぼくのかばん。 それぞれ「その人らしいもの」がいっぱい登場します。 そして「家族の他の誰かのためのもの」も……。
小さい子どもがいるおかあさんのかばんは、いつだって大荷物ですよね。 それは、子どもが楽しく快適に過ごせるようにとあれこれいっぱい入れるから。 「まほうのかばん」はおかあさんの愛情のしるしなんですね!
読み終えてあたたか〜い気持ちになる絵本。子どもに、愛されている自信を与えてくれる絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
かあさんのかばんは大きい。まほうのかばんなんだって。 妹のまこのよだれかけに、おむつ、おもちゃ……なんでも出てくる。 それなのに、ぼくのズボンは出てこなかった。 「なーんや。まこのまほうのかばんなんや」
でもばあちゃんが見せてくれたのは・・・。
お母さんの愛情がたっぷりつまった家族の絆の物語。
妹を連れてのお出かけ。
妹はまだ赤ちゃんだから、お母さんは大荷物で、カバンからは何でも出てくる魔法のかばん。
でも僕の物は出て来なくて・・・
大好きなお母さんをとってもよく見ている、可愛らしい男の子の心の動きがきゅんきゅんしてくるお話でした。
懐かしいなぁ、子供が小さい頃は本当に荷物が沢山でいろいろ持ち歩いていたなぁ。
今でもいろいろと持ち歩いていますが、だいぶ減りましたよね。
子供のために沢山のものを持ち歩くのが、当然ではない。母親の愛情が詰まっているのだと、それだけの愛情に包まれて育っているのだということを読んでいる子供達に伝わればいいなと思います。
(hime59153さん 40代・ママ 男の子6歳)
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