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魚市場、アーケード商店街など、日本でも見られる市場から、水上市場や動物市など、馴染みのない市場まで、世界各地の市場をユニークな視点とたくさんの写真で紹介。 場所によって異なる売り買いの様子、服装、食べ物など、人と人が出会う場所としての市場の様子が見られる写真絵本。

作者は取材先130カ国余りの写真家。現地の人々の普段の生活をそのまま切り取ったようで、見ているとその場を訪れたような気持ちになってくる写真集。
市場といっても、スーパーマーケットやお洒落な商業施設、ネット上のお店ではない。昔からその場所にあった、地元の人や近隣の人たちが、自分の畑で取れた野菜、自分で捕った魚などを売りにくる市場だ。芋が泥つきのまま転がっていたり、見たこともない形や色の野菜や果物、生きたままの動物なども売られている。
お祝いや行事に使う花や、子どものおもちゃ、飲み水を入れておく壷など何でもある。売り方も、市場の一角に座り込んで商品を広げる人、川の上でお互いに小船で行き来して商売をする水上マーケット、どうみてもその辺の原っぱといった感じのところに家畜を連れてきて売買する動物市場、個人経営の屋台、昔のコンビニ「何でも売店」…などなど。
民族衣装を着た人、寝そべって商談をしている人、お客さんを待っている間にも作業をしている職人、あまりやる気のなさそうな店主など、登場人物もいろいろ。それぞれの人に人生があり、個性がある様子が伺われて興味深い。
お話になっているわけでもなく、何かを報告したりメッセージを発信しているわけでもなく、ただ市場の様子が延々と続く。
見ていて飽きない。
私は子どものころからお店屋さんが大好きで、スーパーマーケットで勝手に冒険して迷子になってもどんどんあちこちを歩き回って平気な子だった。そのまま大人になって、商業施設や商店街、下町が大好きな人間に育った。
お店が好きな人は是非とも読んで(見て)欲しい一冊。
外出できない、外国に行くこともないような人生でも、このような形で世界旅行が疑似体験できる。いい時代になったと喜んでいる。 (渡”邉恵’里’さん 40代・その他の方 )
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