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リオモテヤマネコがすむ西表島の大自然
生きものと人とのつながりを美しい写真と平易な文章で解説する「ふれあい写真えほん」。本書は、西表島にのみ生息するイリオモテヤマネコを探し、糞や足跡、などをたどり、ようやく出会うまでを描いています。
本書は、イリオモテヤマネコを撮影するために西表島に移住し、「命のつながり」を記録してきた写真家・横塚眞己人氏によるものです。国の特別天然記念物イリオモテヤマネコは、地球上で西表島に約100頭が生息するのみです。その貴重な動物を求めて西表島の原生林に分け入っても、なかなか出会えません。島民に話を聞いたり、糞や足跡、木の幹に残る爪あとなどを観察したりしているうちに、イリオモテヤマネコは獲物の動物をよく知っているのだと気づきます。西表島のすべての自然がイリオモテヤマネコとつながっていたのです。ついに出会えたイリオモテヤマネコは、こちらを観察しているようでした。命と命がつながっていること、自然の中に私たちは生かされていること、そして観察することの大切さを知る1冊です。

読み終わったとき、すごい!という、一言しかありませんでした。
「イリオモテヤマネコ」は西表島に生息する日本の天然記念物で、絶滅危惧種(レッドデータ)の野生の猫です。大変で貴重な出会いなんだということが、この写真絵本を読んで改めて分かりました。
写真家としての横塚さんの技術と根気、素晴らしいです。
この本は絵本というより、ちょっとした図鑑と思ってもいいかもしれません。
どんなところに「イリオモテヤマネコ」が出現するのか、どんな食生活をして、どういうテリトリーを持っているのか、横塚さんが10年を通して見つめてきた「イリオモテヤマネコ」の姿がしっかりと描かれていました。
特に「イリオモテヤマネコ」の姿をしたジグソーパズルみたいになっている写真のページはすごかったです。特に、見応えがありました。
動物や自然に興味のある人、カメラに興味のある人にもお薦めな作品です。
解説が多いので、文字数(テキスト)はやや多い作品ですが、
文字が普通より大きめで読みやすいので、高学年以上になら読み聞かせにもつかえそうです。 (てんぐざるさん 50代・ママ 女の子23歳、女の子18歳)
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