タヌキに育てられたお姫さま、まほろには秘密があります。頭に葉っぱをのせて、じゅもんをとなえて宙がえり。すると、あら不思議! 思ったものにばけられるのです。お屋敷の中でそのことを知っているのは、人間に化けていっしょに暮らしているタヌキの一家だけ。お父さんのおやかたさまも知りません。 そのおやかたさまが、大あわてで、まほろのところにやってきました。 「まほろ、まほろ。たいへんだ、一大事だよ!」 どうやら、おやしきに、都から有名な絵師がくることになったようです。 作者による挿し絵がたっぷり入った楽しい長編ファンタジー童話。
面白くって一気に読んでしまいました。
まほろ姫(人間)と茶々丸(たぬき)の義きょうだいが巻きおこす楽しい物語です。
これはシリーズ2作目のお話。
今回はどこかへ冒険するものではなくて、お屋敷の中で起こる不思議を描いたものでした。
なかがわちひろさんの登場人物たちの描き方は、ガツンと濃い感じではなくフワッと優しい感じなのですが、存在感があって読み終わったとき、余韻がジーンと心に響いてくるとろこが好きです。
今回は、有名な絵師「雲舟」先生の一番下の弟子若い「雲風」先生(?)と、はてなをつけたくなるような言動が楽しかったです。
また、迷子の小さな女の子をまほろの館で保護するのですが、この子が物語のキーワードで、雲風の描かなければならない屏風絵といい感じに混ざり合って面白かったです。 (てんぐざるさん 50代・ママ 女の子23歳、女の子18歳)
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