日本の歴史が古代から中世へ変わろうとする12世紀の 末、権力の座についた平家は、平清盛の時代に栄華を極めたが、間もなく、同じ武家の源氏に滅ぼされていった。その盛衰の歴史を綴った『平家物語』の中の一編がこの物語。 京の都に、祗王・祗女という評判の白拍子(歌舞を演ずる遊女)の姉妹がいた。姉の祗王が清盛の 寵愛をうけるようになって、妹の祗女とその母親までもが、ひともうらやむ境遇となった。そして三年。清盛のやしきに訪ねてきた白拍子がいた。名は仏御前。祗王の 口添えで清盛は会うことにする。清盛は、歌舞に秀れて いて美しい仏御前が、すっかり気に入ってしまい、祗王 は追放の憂き目にあう。一度は死を決意した祗王だが、母に説得されて止まり、出家することにした...。 軍記物語の中にあって、清盛の専横な性格や権力者に反抗した女たちの生き方を描いている点で特異な一編となっている。原作の成立は13世紀前半。
歴史物の1節とはいえ、女性たちの悲哀を思うよりも、権力者平清盛のごう慢さと、今ではあり得ない女性差別に腹が立ってしまいました。
清盛の気まぐれに格差付けされた祇王、仏の二人の女性と家族は、どうしてそこまで苦渋を強いられなければならなかったのでしょう。
物悲しくも清らかな話ではあるけれど、今は昔の価値観に、残念ながら共感は出来ません。 (ヒラP21さん 60代・その他の方 )
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