そりゃ弟はかわいいよ。だけど、あかんぼうってのはどうもヘンリーのイメージにぴたっとこないんだ。”タフでクールでカッコいい“ってイメージにね。
普通の少年ヘンリーが、ちょっと不良っぽくてちょっと大人っぽい4人組に憧れて、自分も仲間に入れてもらうまでのお話です。
まず第一にこの本の魅力は、ペーター佐藤さんの描く絵に似た、写実的な挿絵の少年達が、ビジュアル的にとてもカッコイイこと。
アメリカらしく、いろいろな肌や髪の色、いろいろな得意分野を持つ少年達が生き生きと描かれています。
4人の少年達は、他の子ども達から見ると、“タフでクールでかっこいい”少年達であり、赤ちゃんの弟をとても可愛がっているヘンリーは、彼らの仲間に入りたいと切望しているものの、赤ん坊は彼らのイメージとは真逆なんだよなぁと思っています。
そのあたりの少年の心の揺れがよく伝わってきます。
結局ヘンリーの心配するようなことは何もなく、かえって弟はヘンリーのご自慢になるのですが。
自分の生活や自分の好きな物を無理に曲げることなく、胸を張っていていいんだという結末がとても爽やかです。
この絵本、私だけがカッコイイ少年達にへらへらと喜んでいて、子ども達にはどうかなと思っていたのですが、思いがけず、次男が喜びました。
6歳なりに、かっこいい少年達の様子が目に留まったようです。
口語体の文章がテンポ良く、結構すらっと読めてしまう一冊です。 (金のりんごさん 40代・ママ 女の子12歳、男の子9歳、男の子6歳)
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