
あるところに、男の人と女の人がいました。でも、ただの男の人と女の人ではありません。名前があって、コペンハーゲン近くのヘアレウに家をもっていて、車ももっていました。「すばらしいね、こんなに愛しあっているなんて!」ほんとうにふたりは幸せでした。ある朝、女の人がとつぜん言いました。「わたしのおなかのなかに、赤ちゃんがいるわ」男の人は大喜びしました。ふたりのビッグサプライズは…。

タイトルに個性を考えるという言葉が添えられていますが、考えると衝撃的な絵本です。
産まれたばかりの赤ちゃんの個性なんて、見た目では想像つかないでしょう。
男の子でも女の子でもなく、サルが生まれたという象徴性は、個性というより個体差です。
見た目でわかる先天性の障がいであったら、親はいきなり幸福と苦悩の壁に直面するに違いありません。
それでも自分たちの子どもであり、他の子どもとは変えられない唯一無二の存在だと、受容できるところが、この絵本の落としどころです。
子どもは自ら育っていくのです。
ジェンダーの問題であったり、障がいの問題であったり、親の想定する以上に多くの可能性を持って育っていくのです。
それらに向き合うことは、親としての試練かも知れません。
親はこうして親になっていくのでしょうね。
放棄してしまったら、親ではなくなります。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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