美しい声でうたうこともできないし、軽やかにダンスをすることもできない。宝石を買うお金だってない……。悩んでいるのは、ねずみくん。明日は大好きなねずみちゃんの誕生日なのです。
「ぼくには、なんにもできないや」
落ち込むねずみくんがやっと見つけた「じぶんにできること」も、なんだか上手くいかない。だけど、どうしたってねずみちゃんを喜ばせたいのです。だって……。
主人公のねずみくんの素朴だけれども、ひたすらに一途で強い想いがまっすぐに伝わってくるこのお話。実は、筋ジストロフィーという難病を患わっていた男性が大切な人のための贈った童話というのを、絵本作家のつちだよしはるさんが絵本化したものなのです。ねずみくんが自分の前歯で木を削ることで贈りものをつくりあげたように、彼はくちびるの動きで文字を入力できるマウスで大切な人へ童話を贈ったのです。
「ねえ、ぼくはおもうんだ。 ねずみちゃんは、かみさまがぼくにくれたおくりものだって。」
この一言に、どれだけ深い気持ちが込められているのでしょう。誰かの存在が、自分の力になることがある。子どもたちには、これからそんな経験が出来ることを願わずにはいられません。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
主人公のねずみくんに想いを託し、難病の男性が大切な人へ贈った童話をつちだよしはるさんが絵本化。だれかを想う強い気持ち、あたたかい気持ちが伝わる絵本です。 〈あらすじ〉 自分には得意なことが何もないと悩むねずみくん。大好きなねずみちゃんがよろこぶものを誕生日に贈りたいと、丈夫な前歯で氷の像を削ることを思いつきますが……。
大好きな ねずみちゃんの誕生日プレゼントを考えますが・・・・なかなか思い浮かばず ふくろうさんに相談します
「ねずみちゃんの いちばんすきなことをしてあげれば よろこぶよ」
そこで考えたのが 氷で作った ねずみちゃんの像
張り切って作りますが・・・・ ステキな氷のねずみちゃんの像は お日様が出てくると とけてしまいました・・・・・
ねずみちゃんの誕生日を忘れていたと思って 怒らせてしまうんです
悩んだねずみくん 良いことを思いつくのです
かしの木を 自分の前歯でけずって 木のねずみちゃんの像を造ったのです
前歯はボロボロ 体も疲れましたが・・・・・・
ねずみちゃんがは喜んでくれました
「ぼくは きみがいると どんなことでもがんばれるんだ」
二人の 愛が愛おしく思えました お月さまが見守ってくれています
後書きを読んで この絵本がどうしてできあがったかを知りました
あべやすつぐが 妻の昭子さんに贈った童話を元に作られました
涙がこぼれてきました
絵本の愛の深さを知りました (にぎりすしさん 60代・その他の方 )
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