安野光雅さんの新作はクリスマスの絵本です。どんな話になるのかなと楽しみにして中を開くと・・・。 見開きいっぱいの画面に小さなおもちゃの絵や子供達の遊ぶ絵などあちらこちらに描かれています。でも何だかよく見ると描きかけみたい?そこに聞こえてくるのは画家の声、まるで安野さん御本人がつぶやいているようです。ページをめくるごとに花火が上がったり、家が建ったり、おもちゃや子供達が増えていったり、どんどん賑やかな画面になっていきます。大きな虹までかかって。 そんな時「これはサンタクロースのふくろのなかだ」という声。そうです、この字を書くスペースもなくなる程ぎっしりつまったおもちゃ箱の様なこの世界はまるごと子供達への贈り物。するとサンタクロースへのお願い事をする小さな声が聞こえてきます・・・。 最後の場面からはサンタクロース(安野さんの?)のこの世界への切なる願いが感じられる様です。 見所はもちろん細かく描かれたたくさんの絵。そこは安野さん、たくさんしかけが隠されているようです。前のページと比べてみたり、ぱらぱらめくってみたり、これはもう手にした子供達が見つけていくしかなさそうですね。素敵なクリスマスプレゼントです。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
この世界が平和で、これから先もずっと栄えますようにというのが、サンタクロースの願いでしょうか。一つ一つの絵を指でなぞってみてください。なかには前の頁とうしろのページで絵がちがうところがあります。頁をパタパタやると、絵が動いてみえる仕掛けがあるのです。さあ、見つかるかな?見つけたら教えてください。
何でもいいから、まず好きな絵を描き始めたら。どんどん絵が
増えてお話が出来ていって、気づけばそれはサンタクロースの袋の中のなっていた。
そんな安野光雅さんの発想が素敵です!
安野さんの頭の中をのぞいているようで、ワクワクしますね。
ページをめくるたびに加えられていく絵を何度もペラペラとページをめくって
じっくり見比べて楽しみました。 (ピーホーさん 40代・ママ 女の子6歳、女の子4歳)
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