●20もの異なった顔を持つ変装の天才が、連日新聞記事を賑わし、東京中の話題となっていた。その人物は年齢性別に関係なくどんな人間にでもなりすますことができ、誰も本当の顔を誰も見たことがないために怪人二十面相と言われているのだが、宝石や美術品といった高価で美しいものばかりを盗みまくっているのだった。事前に犯行を予告しておいて、狙ったものを見事に奪い去っていくという大胆さが、人々に驚きを与え、恐怖をあおり立てているのである。警察でさえも捕まえることができないでいるこの怪盗が新たに目をつけたのが国立博物館所蔵の美術品だった。しかも予告文には一つ残らず奪ってみせると書かれている。こうなると、頼れるのはもはや日本一の名探偵明智小五郎をおいて他にない。明智の助手をつとめる小林少年と少年探偵団の面々も縦横無尽の働きを見せる。こうして悪と正義の火花を散らす戦いが始まった!
「名探偵コナン」に出てくる主人公や探偵の名前は、この「怪人二十面相」が元になっているという事は有名ですが、実際に少年探偵シリーズを読んだことのある小学生は、今の時代あまり多くはないかもそれません。70年以上も前に書かれた作品ですが、この青い鳥文庫版は、文体も挿絵も現代向けになっていて、平成生まれの息子も違和感なく楽しめたようです。
日本の探偵小説の創始者と言っても過言ではない江戸川乱歩作品は、教養として必ず読んでおきたい必読書だと思います。
名探偵コナンには、その他にもアガサ・クリスティーやモーリス・ルブラン等、推理小説作家を由来とするキャラクターが多々いるので、それらの作品もコナンをきっかけに手に取ってくれたらと期待します。 (miki222さん 40代・ママ 男の子10歳、女の子8歳)
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