キヨシの住んでいた東京の下町は、東京大空襲で焼け野原となった。戦争はむなしく終わり、福島に疎開していたキヨシは、東京へ家族を探しにいく。食べるものもままならない戦後直後、おばあさんが持たせてくれたのは、5つのおにぎり。おにぎりをリュックに入れ、焼けあとをさまようキヨシが見つけたものとは。
だんだんと薄らいでいく戦争の記憶のように、消え入りそうな絵に切ない思いを膨らませました。
疎開先から、大空襲のあった東京へ家族の安否をたずねる旅は、祖母が捻出して握ってくれた特別のおにぎりを持って。
そのおにぎりがもたらした出来事と、何の手がかりも見つけられなかった徒労が、次第に重く感じられてきました。
この少年は、戦後をどの様に生きてきたのでしょう。
答えは出ているはずなのに、余韻を持って終わるところに辛いものを感じました。 (ヒラP21さん 60代・パパ )
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