14歳スーパー中学生作家、待望のデビュー
田中花実は小学6年生。ビンボーな母子家庭だけれど、底抜けに明るいお母さんと、毎日大笑い、大食らいで過ごしている。そんな花実とお母さんを中心とした日常の大事件やささいな出来事を、時に可笑しく、時にはホロッと泣かせる筆致で描ききる。今までにないみずみずしい目線と鮮やかな感性で綴られた文章には、新鮮な驚きが。 友人とお父さんのほろ苦い交流を描く「いつかどこかで」、 お母さんの再婚劇に奔走する花実の姿が切ない「花も実もある」、 小学4年生時の初受賞作を大幅改稿した「Dランドは遠い」、 田中母娘らしい七五三の思い出を綴った「銀杏拾い」、 中学受験と、そこにまつわる現代の毒親を子供の目線でみずみずしく描ききった「さよなら、田中さん」。 全5編収録。
著者が小学生時代に書いた作品だそうですが、幼い視点から見た世界と、文学的にあまりにしっかりした描写に、唸ってしまいました。
あくまで創作の世界だと思うのですが、花実という個性と、母子家庭という家庭環境への執着が、実生活を照らしているようで、気にはなりました。
続編もあるので、著者は花実とともに成長していくのでしょうか。
引き込まれてしまう小説集でした。 (ヒラP21さん 60代・その他の方 )
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