道端にポツンとそこにいる石ころ。 誰もそれを気にとめない。
ぼくも同じ。 気づけはポツンとひとり、じっと黙ってここにいる。 誰もそれを気にとめない。
空き地の草も、雨も、水たまりも、みんな同じ。声をあげれば敵に見つかってしまうからね。黙っていれば平和、さみしいことはない。だけど。声をあげてもいい時は、縄ばりを守る時と、誰かを好きになった時、ずっと前に教えてくれたのは誰だっけか。そんなある日……。
紙版画で制作されるという坂本千明さんが描き出すのは、どこまでも黒く繊細で柔らかな毛並みの黒猫。それがこの物語の主人公「ぼく」。目を閉じ身を潜めていると、本当に風景に溶け込んでしまうようだけれど、こちらをまっすぐ見つめ返してくる時の瞳の強さ、そして美しさと言ったら。「孤高の猫」として生きる緊張感のあるその姿も魅力的だけれど、その黒い体の奥の奥にはどんな気持ちがしまいこんであったのだろうか。
声をあげるその瞬間にしびれながら、読み終われば、すっかり「ぼく」の体温も感触も、その愛らしい鳴き声まで知っている気がしてくる。とても読み応えのある黒猫の物語です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
ぼくは街でひとり暮らす猫。だれもぼくのことを気にとめない。道端の石ころと同じ。でもある日「こんばんは」と声をかけてくる人間がいた。紙版画で描く、ある黒猫の物語。
ねこは考えます
自分は、石ころと同じーなのではと
哲学的?
でも、日常、のらねこにおける
自分の存在がそうなのかな・・・
と、考えさせられます
見開きのページ全体に
こちらの気持ちを見通すかのような
大きなきれいな瞳で「ぼく」に
見つけられると
タジタジ・・・
上手な絵だなぁ・・・
押さえつけていた感情が
徐々に、溢れ出て・・・
「信頼」というものを得られたからーなのでしょね
素敵なひとに出逢えてよかった!!
石ころにさよならする姿も
なんか、印象的です
ねこ大好きな方に、お薦めです♪ (しいら☆さん 50代・その他の方 )
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