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さくら村は大さわぎ

さくら村は大さわぎ

  • 児童書
著: 朽木 祥
絵: 大社 玲子
出版社: 小学館 小学館の特集ページがあります!

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税込価格: ¥1,540

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作品情報

発行日: 2021年02月18日
ISBN: 9784092893085

出版社のおすすめ年齢:低学年〜
160ページ

この作品が含まれるテーマ

みどころ

目に飛び込んでくるやわらかなピンク色に、こんもりとした緑の木々と青い鳥。
表紙を目にしただけで春がやってきたように感じられる、なんて素敵な1冊なのでしょう。

ここは、さくらでいっぱいのさくら村。
さくら村では、子どもが生まれたら、さくらの苗木を1本植える約束があるのだそうで、子どものまだ小さなさくらの木から、もう大人になった人の大きなさくらの木、さらにはひいおじいちゃんやひいひいおばあちゃんのもっと大きなさくらまで、村じゅうがさくら、さくら。さくらでいっぱいなんです。

そんなさくら村に住む、小学三年生のハナと、小学五年生の兄タロウ。もちろん二人のさくらの木もあります。近所に住むお友達のさくらもあります。さくら村では、毎日いろんなことが起きます。とんでもないことや、笑っちゃうことや、それはもうたくさん。こちらは、さくら村で春、夏、秋、冬に起きたちょっとした事件のお話です。

たとえば、自転車のかごに入れておいたお兄ちゃんのヘルメットに起きたびっくりな事件、「売り家」と書かれた「赤いれんがの家」に新しい誰かが越してきた時のこと、村のひとみんなが好きな「カワセミじいちゃん」の話、みんなで「ホタル狩り」に行った時の話‥‥‥。

どのお話の中にも、何かを楽しみに待ったり、村に住む人たちとの温かい交流があったり、ハナをはじめとした子どもたちのわくわくする気持ちがいっぱい詰まっています。読んでいるとそのわくわくがどんどん伝わってくるのですが、同時にびっくりすることもたくさんあって、大いに楽しませてくれます。

お話を書かれた朽木祥さんは、『光のうつしえ』や『八月の光』などヒロシマの平和を願うお話や、『かはたれ』『引き出しの中の家』など長編ファンタジー作品が有名な作家さんですが、幼年向けのお話はその中でもユーモアたっぷりに、やわらかな魅力をはなっています。特筆すべきは、自然描写の美しさ。 生き生きと描かれる自然や生き物たちの様子からは、その色彩や肌触りや匂いなどが五感で豊かに感じられ、その風景が目の前に見えるようです。お話の中には「キセキレイ」「ヘイケボタル」「アカテガニ」「ハマカンゾウ」「スズメウリ」などいろいろな生き物や植物が登場したり、また「雨かざり山」「風色の森」、「風色湾」といった場所を示す名前がとっても魅力的なんです。

印象的な表紙をはじめ、優しく温かな眼差しでお話に挿絵を書かれていらっしゃるのは、大社玲子さん。絵にどこかで見覚えがあるような‥‥‥と思われた方は、それもそのはず。大社玲子さんは、『なぞなぞの好きな女の子』や『番ねずみのヤカちゃん』など長く読み継がれている童話の挿絵をたくさん書かれていらっしゃいます。優しいタッチの絵は、ホッと安心感がありますね。

子どもから大人まで、幅広い年齢の方に味わってほしい、幸せいっぱいの物語。5歳ぐらいから小学2、3年生ぐらいまでは、ぜひ親御さんが読んであげて下さいね。親子で読むと、いっそう幸福感が増しそうです。


(秋山朋恵  絵本ナビ編集部)

出版社からの紹介

びっくり!と笑いがつまったやさしい物語

さくら村には、さくらの木がいっぱい植わっています。
それぞれのさくらの木に名前が付いているのです。
そんな、さくら村では、事件がいっぱい起きます。
キセキレイが、とんでもないところに巣を作ったり、
トウモロコシ畑でビックリするようなものを見つけたり、
まんげつの夜には、不思議なことがおきたり・・・・・・。
とんでもないことや、笑っちゃうことや、それはもうたくさんです。
さて、今日は、どんな事件が起きたかというと―――。




【編集担当からのおすすめ情報】
のどかなさくら村で愉快なことが次々と起きます。
そんな幸せいっぱいのやさしい物語です。

ベストレビュー

心がポカポカ

時間がゆったりと流れていて、さくら村の人達が温かくて、包容力のある作品だなと思いました。
朽木祥さんの『引き出しの中の家』や『オン・ザ・ライン』などは読んだことがありました。
今回の作品は、人間関係に疲れてしまったり、自然の中でのんびり過ごしたいなと感じている時の、大人の心の再生にも大いに力になってくれました。
お話の頁の前にさくら村の地図が描いてあります。地図を時々見返しながら、さくら村で一緒に過ごしているような気持ちになってきます。この村ではどこのうちでも子どもが生まれたら、桜の苗木を一本、植える約束があるそうです。
小学校三年生のハナちゃん、五年生のお兄ちゃんタロウくん。ハナちゃんの同級生のサッちゃん、双子のヨリトモくんとキヨモリくん。サッちゃんの弟の一年生のケンちゃん達の春夏秋冬のさくら村での日々の出来事。
お話はいくつかあり、最初のお話は、タロウくんの自転車用の前かごに入れてあったヘルメットの中で、キセキレイの巣が作られたお話。たまごからヒナ。そして親鳥の後を追って青い空に飛び去るまでを見守る子ども達や先生。
犬と暮らすカワセミじいちゃんやホタルやトウモロコシ畑での事件。パン屋さんのパーティで村は大盛り上がり。そして最後のお話は、さくらがもう一本。
大社玲子さんの絵もやわらかく、生き生きとしていて、ワクワクしますよ。
(わさんぼんさん 50代・その他の方 )

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