昔ばなしはいつの時代も、大人から子どもへ口承で受け継がれてきました。疎開先で近所のおじさんから昔ばなしを聞いて育った著者が、今も頭の中にある300ほどの中から、とっておきのおはなしを季節ごとに編集しました。昔ばなしや民話に興味がある方、素話や語りをされる方に向けて口語で平易な表現での語りになりました。子どもたちに向けて語るときのちょっとしたヒントや工夫も紹介しています。おなはしは福島弁で書かれていますが、もちろんご自身の土地言葉で語ってください。またコラムでは、親御さんへ向けて子育てのアドバイスも。
語り聞かせの魅力が凝縮されたような本です。
日ごろ絵に助けられ、文字に助けられている絵本の読み聞かせ、登場人物になりきって演じる紙芝居、いずれもどこかに支えがあるのですが、話術だけで全てを作り上げていく語りの素晴らしさを実感しました。
言葉の温もり、表現力は、読み聞かせや紙芝居では出せない、自由さがあるようです。
絵本や紙芝居で知っているお話も、語りとなると別世界です。「笠地蔵」などは、知らない世界に引き込まれたような気がしました。
様々な語りの本があるので、お話の丸暗記ではなく、ストーリーテラーとして自分なりの語りを見つけること、時にアドリブも加えられるような心のゆとり、何より聞き手に伝わるようにすること、勝手にそのように受けとりました。
どこかで、自分もやってみたいと思います。 (ヒラP21さん 60代・その他の方 )
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