あたしは世界一のおねえちゃん。なのに、おとうとは、うるさくてきたなくて、いやになる。でもある日、はじめてふたりで、おるすばんをすることに。「おおかみがきて、だいちゃんは食べられちゃうかもね」なんて、おとうとをおどかしているうちに…? 人気作家が、元気な姉弟のちょっと変わった一日を、ユーモラスで心あたたまるタッチで描く物語。
いとうひろしの「ごきげんなすてご」シリーズが好きなので、新しいこの作品も読みたくなりました。
ページ数は書いてありませんが、字も細かくて声に出して読むにはかなり長い話です。読み始めたら、切るに切れなくて最後まで読んでしまいました。
お姉ちゃんと弟が、お留守番をします。お姉ちゃんは、弟が生まれて幸せを奪われてしまい、かなりすねています。弟は話ができるとはいえまだ分別ができない年頃ですから、お姉ちゃんから見るとまだ「おさる」なのです。
お姉ちゃんが弟を思う心境がかなり過激に描かれているので、笑ってしまいました。私も3つ下の弟がいたので、このお姉ちゃんの気持ちがよくわかりました。
お留守番で「おおかみと7ひきのこやぎ」を読んでしまう辺りが特におもしろかったです。
お姉ちゃんが、宅配便のおじさんを「おおかみ」と言って、弟を対応にあたらせるからです。
お姉ちゃんは弟ができたことを天災と考えているのですが、天災ではなく幸運と思えるようになるまでの心の変遷がよくわかりました。
弟もいつもかわいく感じない訳ではなく、かわいいと思える瞬間もあるのです。実際、この話に出てくる弟はとてもかわいかったです。そのことがお姉ちゃんにもわかってよかったなあと思いました。
読み終わった後、息子が「どうしてよく声が変わったの?」と言われました。登場人物が6人ほどいるので、そのたびに声を変えていたからです。
息子はこのお話が気に入ったようで、「ごきげんなすてご」シリーズも読んでみたいと言っていました。読んだらどんな反応を示すのか今から楽しみです。 (はなびやさん 40代・ママ 男の子6歳)
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