季節が変わる、ちょっと前。 信じられないことが起こりました。
いつもと同じような日々を過ごす中、いつの間にか世界がガラリと変わってしまったのです。家の外に出ていた人たちが、家の中から出なくなりました。賑やかだった通りはがらんとし、家の中では、料理をしたり、ゲームで遊んだり、本を読んだり勉強をしたり。工夫をしながらも、これまでの生活から変わってしまったのだと誰もが感じたのです。
そんな中、家に閉じこもれない人たちもいます。必要があって、みんなのために外で働き続けている人たちです。この状況が終わるのはいつになるのでしょう。心配をしながら、様々な試練に耐えながら、不安な心とたたかいながら。人々はじっとその時を待つのです。
誰かに会い、気持ちを伝え、一緒にいる時間を共有する。そんな当たり前の喜びが、当たり前でなくなってしまう日がくるなんて。誰もが予測すらしなかったこの出来事に、それでも世界中の人々は必死に対応しています。その状況に年齢は関係ありません。だからこそ、この絵本の中に描かれていることは、子どもたちにもしっかりと読み取ることができるのでしょう。そして、あらためて気持ちを強く持てるのです。
必ず春はやってくる。大好きな人に必ず……。
巻末には、この作品の背景を語る作者の言葉とノンフィクション作家柳田邦男氏による解説が付いて。今この瞬間だからこそ、読む価値をダイレクトに感じることのできる絵本。読む人たちの心に、少しでも生きる元気が生まれてきますように。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
しんじられないことが おこりました。きせつが かわる ちょっと まえ、そとに いた ひとたちが みんな いえのなかに はいってしまったのです……。そのとき、せかいは どんな ふうに なったでしょう。ひとびとは どのように かわったでしょうか。
家の外で仕事をする必要のある人たち、病院の中で行われていること、家の中で暮らす人たちの様々な状況——わたしたちの生活は少しずつ変わっていきましたが、気持ちを伝えあったり、励ましあったりする方法を見つけながら、希望の明日を目指して暮らしています。皆、それぞれの状況は違っているけれど、このパンデミックを乗り越えようと思う、心の中はいっしょだよ、と作者は伝えます。巻末にはこの作品の背景を語る作者の言葉とノンフィクション作家柳田邦男氏による解説付き。
とりあえず、子どもから大人まで多くの人に読んで欲しい絵本です。
国や言語が違っても、コロナ禍を過ごす人々の様子や生活、抱える思いは共通なのだと分かりました。日常の様子が描かれているので、日本だけでなく、本当に世界中で起きている事なのだと改めてて認識することができました。絵も素晴らしく、文章は少ないながらも緻密な絵から現在の様子が伝わってきます。
目についたのは裏表紙。壁のフックに布マスクらしきものがかけられているのと、カレンダーの絵がIt’s a small world みたいなところです。 (marimeさん 30代・ママ 女の子3歳、男の子1歳)
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