秋景色の中、クマの子は周りのもの、何もかもに興味津々なのです。葉っぱの色や穴あきの様子、小鳥、雨、虹などなど。なかでも、穴から眺める、お母さんの顔、小鳥、お星さま。子どもらしい視点で素敵な世界が広がります。だから、クマの子はお母さんにたくさん話したいのです。
そこで、キーワードなるのが「ふかふか」です。その会話の間、クマの子は、お母さんの背中に触り、手をつなぎ、だっこしてもらって。この感覚があるからこそ、安心していろいろな世界を満喫できるのですね。ぜひ、お子さんの手を握ったり、だっこしたりして読んであげてほしいです。
銅版画で描かれた独特の色彩と風合いが、この親子の関係性を優しく包み込んでいるようです。「ふかふか」がとてもリアルに感じられるのも魅力的です。
おのかつこさんは、文具メーカーで企画デザイナーを経て、フリーに。第8回ニッサン童話と絵本のグランプリ優秀賞など受賞後、本作が初めての絵本出版となります。銅版画作品でも、国内外で入選・受賞多数。銅版画での多彩な表現、これからも注目したい絵本作家のひとりです。
(中村康子 子どもの本コーディネーター)
おかあさん、葉っぱの色、あっちもこっちも変わったよ。おかあさんのせなか、ふかふか。ねえ、おかあさん。木々の色づく秋、クマの子が嬉しそうにおかあさんに呼びかけています。おかあさんは、ふかふかで温かくて優しく笑っていて…。色彩の独特な銅版画と温かみのある文章で、クマの母子の平凡な1日を描いた絵本。
同じ作者さんの絵本『つきのよるはさわがしい』が素敵だったので、他の作品も読んでみたいと思いました。
木々の色づく秋が舞台。クマの子が穴のあいた葉っぱを見つけ、その穴をのぞきます。
こぐまとお母さんぐまのやりとりにほっこりするお話。親子の様子を見ていると、なんだかとてもしあわせな気持ちになりました。 (クッチーナママさん 40代・ママ 女の子20歳、女の子17歳、男の子14歳)
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