著者、広瀬浩二郎さんは、大阪の国立民族学博物館に勤務。全盲。視覚以外の感覚を総動員して、自分を鍛える修行に励み、琵琶で人の心をうつ「音」を創造した琵琶法師「耳なし芳一」の話からインスピレーションを得た、オリジナルの点字つきさわる絵本。春夏秋冬を視覚以外の感覚で感じてみよう、そしてそれを表現してみよう、ということをテーマにした、著者初めての、子どもを対象にした作品です。 新型コロナウイルス感染症の拡大とともに、そもそもさわるとはどんな意味をもっているのかという、基本的な問いに立ち返ることになったという広瀬さんは、「非接触社会から触発は生まれない」と発信を続けています。コロナ禍においては「さわる」ことがタブーのようなイメージとなってしまったが、目が見えない人だけでなく、誰にとっても本来生きていく上では必要なこと、意味のあること。そんな思いも込めて、いろいろな感触の隆起印刷を用いて、子どもたちがさわることから想像を膨らませることを忘れないように、ということを望んで作られました。イラストも明るくかわいく、とても明解です。見える子も、見えない子も一緒に楽しめる絵本。点字つき。
「てんじつき さわるえほん」シリーズ。
点字といえば、何か特別に感じるかもしれませんが、
様々な発見が得られる作品です。
まず、作者は全盲の広瀬浩二郎さん。
全盲だからこそ感じる感性を指南してくれます。
主人公は、全身が「手」の「さわるくん」。
さあ、一緒に感覚を研ぎ澄ませて感じましょう。
点字があることはもちろんのこと、絵にも様々な凹凸が施され、まさに手で感じることができます。
「音にさわる」を体感できると思います。
本の裏面を使って語られるあとがき、21世紀版「耳なし芳一」も是非、読んでほしいです。
昆虫の触角についての部分は、なるほど、です。
触覚と言うより、より身近な感覚という意味での「触角」という表現に共感します。
小学生くらいから大人まで、じっくり感じてほしいです。 (レイラさん 50代・ママ )
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