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静かな夜。お月さまは「みんなに おやすみを いいに いこう」と言います。 動物園のみんなは眠ったかな? バスさんたちは眠ったかな?
お月さまが「おやすみ」を言いにいくと、みんな気持ちよさそうに眠っています。 ゾウもライオンも、ぐーすう、ぐーすう。 バスさんたちも、車庫で並んで、ぐうぐう。
お店の扉や、公園の遊具、木にとまった鳥たち。 葉っぱの虫や、おうちの車も……。
薄紫の色彩がやさしく、夜のひそやかなあたたかさに満ちたタッチ。 ロングセラー『どうぞのいす』で多くの人に愛されてきた絵本作家、柿本幸三さんの絵に、ほっと心やすらぎます。
あかちゃんが手にしても大丈夫なように、角は丸く、破れにくいボードブック設計。 『どうぶつだあれかな』『のりものなあにかな』に続くファーストブックシリーズの1冊。
お月さまの問いかけと、みんなの安らかな寝顔が、ちょっとずつ子どもを夢の世界へ誘ってくれるはず。 おやすみ前に心をしずめ、しあわせな眠りにぜひどうぞ。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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お月さまがみんなにおやすみを言いに行くよ。動物園のみんなは眠ったかな? バスたちは眠ったかな? お月さまはゆっくりと夜空をめぐり、やがてぼうやのおうちにもやってきます。『どうぞのいす』の柿本幸造による静かなおやすみの絵本。
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おやすみ絵本ですが、とても癒やしを感じる絵本です。
静まりかえった街、客がいなくなった動物園、仕事を終えたバスの操車場、シャッターを下ろした商店街、どのページを開いても、今日一日の終了を感じます。
一日の行程を終了してクールダウン。
緊張をほぐしてのんびり眺めていると、些末なこだわりなど、とても小さいことのように思えてきました。
柿本幸造さんには、心のササクレを包みこんでしまう魔法があります。 (ヒラP21さん 60代・その他の方 )
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