リーんリーん。首に鈴をつけた見知らぬねこが、縁側でお人形遊びをしているりんちゃんのところにやってきました。「りんりん、かくれんぼしよう」目の前で急に大きくなったねこが、りんちゃんを誘います。「もういいかい?」「まだよ、まだまだ」りんちゃんが庭で隠れる場所を探していると、まわりはいつの間にか鬱蒼とした森になって……。
ちいさな女の子とねこのかわいいかくれんぼ、と思いきや、どんどんと不穏な空気になっていきます。追いかけてくる猫の姿やまわりの風景が、騙し絵や隠し絵になっているのです。木の節も目に見えてきてなんだかこわい。心がざわざわとしてきます。少し絵本を離して、じっとページを見つめてみてください。あれあれ?何かが浮かんできませんか?
細やかな鉛筆画でこの不思議な世界を描き出すのはイラストレーターのつじにぬきさん。2020年イタリアボローニャ国際絵本原画展に入選するなど今大注目の作家さんです。こちらが絵本デビュー作。ページを何度もめくって、あやしくも美しい世界をたっぷり堪能してくださいね。
(出合聡美 絵本ナビライター)
りんちゃんが縁側でお人形遊びをしていたら、猫が「かくれんぼしよう」と誘ってきました。りんちゃんは隠れますが、ちょっと様子が変です。「あれ? うちのお庭にこんなところあったかな?」 いつの間にか知らない場所に迷い込んだようです。猫の気配はするのに、どこにいるか分かりません。よく見ると、景色の中に猫が浮かび上がってきます。そして……。猫と女の子の、ちょっと怖いだまし絵かくれんぼ絵本。
女の子とねこのかくれん坊を描いた絵本です。
不思議で怪しげな背景に目を凝らしてみると、あちこちにねこが隠れていました、
絵の奥深さを感じさせられました。
怪しげな絵本です。
じっくりと、ひとり読みがおすすめです。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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